2010年 02月 08日
今日の副題 「見るでもなく、プレイするのでもない『読む』作品」 ジャンル:ファンタジック悲恋ノベル(?) プレイ時間:1ルート20~30分くらい。コンプリートは1時間半くらい? その他:選択肢アリ、10ルート+おまけシナリオ9種類。 システム:吉里吉里/KAG 制作年:2007/6/17 容量(圧縮時):4.53MB 道玄斎です、こんばんは。 今日は少し尺のある作品をプレイ。全体で1~2時間くらいだとプレイしやすいですねぇ。最近、歳を取ったせいか4時間5時間とか書いてあると、結構気後れしてしまって。 というわけで、今回は「路地裏の茶屋」さんの『たとえ二度と会えなくても』です。 良かった点 ストーリーはサイトの方から引用しておきましょう。 目覚めると、ディルレイラ国の港街・アーリシアにいた叶。 こんな感じのストーリーになっています。 現代日本の高校生叶(かなえ)が目覚めたら異世界に飛ばされていた、というファンタジックな要素も持つ悲恋作品でした。 ハッピーエンドは大好き、なんですけれども、その一方で悲恋モノも滅茶苦茶好きなので、かなり楽しんでプレイしました。正直「悲恋」という言葉に惹かれてプレイしたわけで……w 異世界に飛ばされ、そこで生活していく中で、叶の心の支えになっていたのは、恋人晴彦と一緒に買ったペアリング。だけれども、その一方でその世界で自分に色々と良くしてくれるフーガという青年にも叶は惹かれていってしまいます。 この二人の男性の間で千々に乱れる乙女心っていうか、そうした心理的な動きが本作のキモの部分かもしれませんね。 タイトルも意味が二重三重に掛かっているような、そういう部分があって、しっかりとした中編(くらいだよね?)作品だったと思います。 元々、どうやら作者様自身がお書きになられた小説をベースにしている為か、選択肢があり、エンドが分岐するのに、会話文多めの「見る」というか「プレイする」というか、そういうのとはちょっと違う「読む」タイプの作品。立ち絵とかが付いていないので、よりそう感じるのかも? しかし、立ち絵は付いていないものの、そこに不足感を感じる事はありません。寧ろプレイ後の今なら立ち絵がなくて正解かも、と思えてしまう。 先にも書きましたけれども、恋愛に関する女性(主人公)の心理描写に多く筆が割かれていて、そこが面白かったです。単純に惚れた腫れたってんじゃなくて、元の世界に居た恋人、そして今自分が居る異世界で自分の事を大切にしてくれる男性がいて、その二人の男性の間で揺れる女性らしい心理(って、何が女性らしいのか、私には実はあまり良く分かっていませんがw)がしっかりと描かれていて、オリジナリティになっているのではないかと。 この作者様の作品は何度かプレイしていますが、やっぱり女性の心理描写を重視していらっしゃるのかな? という感触がありますね。 その一方で、男性側から見るとちょっといたたまれない部分があったりもするのは事実w ちょっとね、晴彦君(元の世界の恋人)が可哀想なんですよね……。私自身が男なので、どうしても晴彦君に肩入れしたくなっちゃうw っと、それは、トゥルーエンド到達では、という但し書きが必要かもしれません。 トゥルーエンドがあって、他のエンドが9つある、という構成の作品なのですが、結構ラストの部分で変化があります。選択肢自体は少なめですが、やっぱり結構分岐するんですよね。 エンド3を見た直後にエンド7とか8を見るとちょっといたたまれないものが……。一応悲恋と銘打ってあって、多分トゥルーエンドが作品のテーマみたいなものだと思われるわけですから、それに沿った形でのエンド数でも良かったかな、なんてちらりと思いました。 いや、そんな事を云いつつも「エンド7、8のリアリティは尋常じゃない……」なんて唸ってしまったわけですがw ま、個人的にはもうちょいスリムにテーマに沿った形でのエンドの数でも良かったんじゃないかな、と、そういう感想です。 心理描写が見所の“読ませる”タイプの作品でした。 男の身からしてみると(晴彦、フーガどちらの立場をとっても)、ちょっぴりトゲのある部分はあります。とはいへ、だからこその作品なわけですから、恋愛修行をするつもりで読んでみてもいいかもしれませんねw そうそう、多分……どちらかと云えば女性向きかな? という気はします。 エンド8みたいな状況を何度も経験すると、俺みたいになっちゃうんだぜ?w と少し自虐を込めて書いちゃいますが、本作が中々面白く、また結構グッとくる作品であるのも事実。 珈琲でも飲みながら、じっくり読んでもらいたい作品です。 それでは、また。 /* ちなみに、おまけシナリオ絡みで脱線を一本。 世の中にゃぁ、「叢書江戸文庫」なるシリーズがあって、江戸時代の代表的な書物が収まっているんだそうな。ちょっと私も興味があるので、面白そうなモノを何冊か購入しようかな? なんて考えています。 */
by s-kuzumi
| 2010-02-08 23:50
| サウンドノベル
|
Comments(0)
|
アバウト
カレンダー
メモ帳。らしきもの。
■レビューリストを作りました。随時更新予定です。こちらからどうぞ。
■ノベルゲームのコミュニティと素材ポータル始めました 制作者の方とプレイヤーを繋ぐような、そんなコミュニティを作りました。 こちらからどうぞ。 そして、ゲーム制作に利用出来る素材ポータルサイトも作りました。 こちらからどうぞ。 どちらも、是非ご覧になってみて下さい。そして、ご参加/ご利用頂ければ幸いで御座います。 フリーのノベルゲーム/サウンドノベルをレビューをやっております。たまに私のどうでもいい日々之記録が入る事がありますが、ご了承下さいませ。 ・“引用”としてスクリーンショットやストーリーの概略などの文章を使わせていただいております。問題が御座いましたらご連絡下さい。対処いたします。 連絡先はkazenitsurenaki あっとまーく gmail.com です。 ・レビューは「甘口~中辛」くらいです。 ・評価は完全に私個人の主観に基づいています。評価は「大吟醸」「吟醸」「無印(=純米)」の三段階となっております。参考までに。 で、実は、 こちらが本館です。ブログは別館的な位置づけなのですが、何故かこちらがメインになってしまっています……。バナーなんかもあるので、リンクを張って下さる方はご利用下さいませ。 リンクに関しては、お好きにやっちゃって下さい。許可なんかは一切要りませんので。 本館の方では、謎の音楽制作などをやっております。こっそり更新している事もありますので、たまに見てやって下さると嬉しいです。 カテゴリ
以前の記事
2024年 11月 2024年 05月 2023年 07月 2020年 08月 2020年 05月 2020年 01月 2019年 12月 2018年 09月 2017年 09月 2016年 12月 2016年 06月 2016年 04月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 10月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||