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久住女中本舗

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2010年 03月 05日

フリーサウンドノベルレビュー 『あざみ 1986』

フリーサウンドノベルレビュー 『あざみ 1986』_b0110969_2234882.jpg

道玄斎です、こんばんは。
今日は、結構な変わり種のご紹介。何だか風邪っぽくて、気軽に楽しめる作品はないかと探していたら、ゆかしげな作品発見しました。
というわけで「ANSoft」さんの『あざみ 1986』です。


で、今回もクリアしてみたら10分程度だったので、番外編でお送りいたします。
先ず、最初にお断りしておかなければならないのは、画面の問題。
スクリーンショットでは表示されていませんが、ちゃんとメッセージウインドウが出ています。メッセージは別窓表示になっているので(Alt+Tabで確認してみると一目瞭然)画像の方をとりましたw

懐かしい手触り満点且つ、手作り感溢れる作品でしたね。
画像も、あまり美麗とか上手いとか云えないわけですが、そこはそれ、逆に味わいがあって作品には合っていたような気がしますよ。
ちなみに、このサークル(?)さん、なんとフリーソフトウェア制作歴25年という超強者……というか最古参の一人と云っても過言ではないでしょう。そこまで来ちゃうともう笑うしかないんですけれども、そうやって25年も前からコツコツとフリーウェアを制作して下さった方が居たからこそ、2010年の今、フリーウェアというものが存在し、一定以上の地位を得られているのかもしれませんね。
流石に私も80年代ではコンピュータなんて触った事なかったですからねぇ……。90年代前半で初めてちらりと触る機会があって……という感じ。

本作、どうやら2010年にコンパイルし直した作品、という事なので、実は結構以前から存在しているソフトなのかも?
ま、それはさておき、作品の中身に踏み込んでいきましょう。

時は1986年、14歳の少年がふとした事から2010年にタイムスリップしてしまいます。彼はその未来で、何を見て、何をしたのか? 
と、簡単に纏めるとこんな感じのストーリー。いや、もう、昭和人間には懐かしのネタがどっちゃり詰まっていまして、80年代を経験している人はそれだけで感動してしまう事間違いない。

個人的に「をを! そういえば!」と思い出して感慨に耽ったのは「ウォークマン」です。
今、携帯用音楽プレイヤーっていうとiPodというのが恐らく一番メジャーで、私自身も使っていたりします。その昔(って云っても体感としてそこまで昔に思えない)、音楽は「カセットテープ」に録音していました。多分、まだその当時は普通にレコードとかが現役だったと思います。
子供向けの本とか買うとね、ソノシートっていう薄いカラフルなレコードが付いてきたりしてね。

で、そんな今からみれば相当古めかしい機器が現役で動いていたのですが、音楽を持ち歩く、という発想そのものは2010年の今になっても変化はしていない事に驚いたりもします。
そういえば、当時のウォークマンは、1時間再生が持たなかったんじゃなかったかな……。いや、ホントに。電池を大量に持ち歩いてこまめに交換しながら使用していた記憶が。
その後、劇的に再生時間が増えたり、或いはCDが普及しだしたり、と色々変化はあったのですが、結構80年代っていい時代でしたね。

1986年の私は、2010年の三月に電子タバコを吸いながらこんなブログなるものを書いているなんて、予想だにしていませんでしたw
地面から15センチくらい浮き上がって動く車は、まだ実現していませんけれどもね。

っと、今日も脱線成分が多めですね。
話を戻すと、途中途中で選択肢があるんですが、セーブ/ロードといった機能は多分搭載されていませんw ただ、それが直ちに短所かっていうとそうでもなくて、何となくアナログでのんびりとした感じ、本作にピッタリじゃありませんか。いくつかの選択肢を試行錯誤しながらエンドまで到達して10分ですし、そこはあまり気にしない方向で。

時に、世の中が便利になりすぎてしまって、感覚が麻痺してしまう事があります。
ノベルゲームだって、フリーのものだったら、好きなときに好きなモノをダウンロードして好きなように好きなだけプレイ出来るわけで、本当に有り難い事ですよ。
作中に出てきますが、携帯電話っていうのも凄い発明ですよねぇ。24年前の人が、電車の車内で一様に携帯電話を弄くる現代人を見たら、奇怪な事この上ないだろうなぁ、とw

そうそう、携帯電話と云えば、着信があった訳でもないのに、「ん? 今携帯震えた?」とポケットに入れた電話に手を伸ばした経験、ありませんか? 私はほぼ毎日ですw
携帯の振動の錯覚が起きている、というこれも一種の現代病ですかね。こういう状態になっちゃうと、凄く便利になった反面、微妙に怖くなる事があったりしますが、皆様は如何でしょう?

ああ、また脱線しちゃったよ。
兎に角、主人公が、24年後に行ってそこで知り合い(勿論24年分歳をとってますが)の後を尾行していく、という感じですね。で、随所随所選択肢があって、間違った選択肢を選ぶとバッドエンドというシンプルな作り。
短いですし、独特な雰囲気の絵柄ですからアレですけれども、オーソドックスながらも意外と捻ったシナリオでした。タイトルやプレイ前の予備知識では予想もしないような所に着地していました。


今日はかなり脱線してしまったのですが、「懐かしさ」がゲームそのものにもありますし、中身でもそれを感じさせてくれて、侮れない作品になっていました。
80年代を知らない方でも、用語解説ボタンとかがあるので、是非、そういうのを見ながらプレイしてみて下さい。逆に80年代を知っている方は「そういえば、こんなのあったな!」なんて微かな感傷に身を浸しつつ……。


それでは、また。

by s-kuzumi | 2010-03-05 22:34 | サウンドノベル | Comments(5)
Commented by ansoft at 2012-03-17 22:17
はじめまして!エイエヌソフト 永田氏こと、「あざみ1986」の作者、永田昭人です。
超!いまさらですが、このような素敵なレビューを頂き、とても感激しています。
私は時々、自分のソフト名をいくつかググって、このようなレビューをどなたか書いてくださっていないか、探すのですが、なぜか今までこちらがヒットしませんでした。
何の気なしにさっき、ググってみたら…。
いやいや、ホント、気持ちを共感してくださる方がいらっしゃるだけで嬉しいかぎりです。
この作品は
、700以上作成した私の作品の中でも思い入れがあるひとつで、つい先日、Androidにも移植しました。(もちろん新ネタも入れました)。

エイエヌソフトはサークル…というより、私個人のブランドです。(TM-Revolutionみたいなもの、とよく言っています(笑))
従って、700幾つの作品は、すべて私一人で作りました。
プログラミングが本業の趣味(?)ですので、CGのクオリティはご勘弁を…。ただ、音楽は自信があります。ぜひ、MIDI音源で聞いていただければと思います。
長々と失礼いたしました。ホームページのURLも変わっております。ぜひ、その後の作品たちも見ていただければ幸いです。
Commented by s-kuzumi at 2012-03-19 20:47
>>永田さん

こんばんは、初めまして。
メールをいただいているようなので、そちらの方にて、お返事差し上げますね。

書き込みとメール、ありがとうございました!!
Commented by Low at 2013-11-26 12:56 x
懐かしさ 抜群でした。 

プレイ後エイエヌソフトさんのHP読ませてもらったら MZ1200の話とか載ってて たまらなく懐かしくなり 永田さんにメールまで送ってしまいました。

80年代知ってる人には たまらないですねえ^^
Commented by s-kuzumi at 2013-11-26 20:26
>>lowさん

これは、ちょっとイロモノっぽいですけど、凄い懐かしさを刺激してくれる作品で、思わず取り上げてしまった記憶があります。

80年代は遠くなりにけり……ってヤツですね……(遠い目
Commented by Low at 2013-11-26 23:46 x
同意・・・・・・・・・・・・・(とーい め
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