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久住女中本舗

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2010年 04月 06日

なんてことない日々之雑記vol.281

道玄斎です、こんばんは。
東京は櫻が見頃らしいのですが、実は散りかけくらいの方が美しいですよね。
これ、毎年毎年云ってますが、「花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは」って事です。
散って散って、葉桜の雰囲気がチラリと見えてくる辺り、そこらへんが個人的には一番見頃なんじゃないかと思ってます。



■喫茶店の妙味

皆さん、喫茶店はお好きでしょうか?
私は結構好きです。

喫茶店に求めるモノって多分、人それぞれだと思うんですが、某ノベルゲームにて「時間と空間を売るもの」という一つの答えが載ってましたね(そこの新作、只今プレイ中)。
ゆったりと過ごす時間を求めて喫茶店に行く人、或いは喫茶店独特の雰囲気の空間を味わいたい人、いるわけですが、「音楽を楽しむ」ための喫茶店も存在していて、名曲喫茶とか呼ばれたりします。

今日はそんな名曲喫茶のお話。
文学部か何かの大学生が憂鬱そうな顔をして、学校近くの古本屋で買ったと思しき少し汚れた文庫本を、隅っこの薄暗い席で読んでいる……そんなイメージが名曲喫茶にはあるんですが、これはちょっと偏見ですね……。

そんな偏見を払拭すべく、実際に名曲喫茶に行ってきました。
場所は渋谷。道玄坂の途中で右に折れ曲がり、ホテル街の入り口らへんに位置している「名曲喫茶ライオン」という名のお店です。
このお店の存在は、かなり前から知っています。「営業しているのかよ?」とか近くを通るたびに思っていましたが、ちゃんとやってましたw

今、手元にあるパンフレットを見てみると「真のHiFi立体音響」というのが、このお店のウリの一つだと思しいのですが、個人的には「1926年創業」という84年も営業している、というその歴史とか伝統の方が嬉しい感じがします。
実際、ステレオ装置は(私、あんまり詳しくないんで良く分からないのですが)凄いらしいですよ? パンフレットによれば「帝都随一を誇る」って書いてありますw
帝都ですよ! 何の衒いも無くさらっと「帝都」と記してある所に、このお店の伝統をヒシヒシと感じたり感じなかったり。

実物を見れば分かるんですが、少なくともあんなに大きなステレオ装置を私は見たことがありませんw
イメージが伝わる一助となればいいのですが(店内撮影禁止だ)、小さめの音楽ホールがあって、そこにパイプオルガンがしつらえてある。そのパイプオルガンの代わりにどでかいスピーカーが鎮座している。そういう感じなんです。

席だって普通の喫茶店のそれとは随分違います。
ほぼ全席、パイプオルガン――っとスピーカーですな――の方を向くように配置されているんです。だから、小机を挟んでソファが向かい合ったり、という事はなくて、学校の教室宜しく一方向にしか座れないんですw
「友達とおしゃべりをしに喫茶店に行く」という結構ありがちなシチュエーションからは、えらくかけ離れたコンセプトで成り立っているお店なのでした。

兎に角「音楽を聴く」というのが第一なんです。
リクエストとかも出来るみたいで、それに加えて定時にコンサートという名の秘蔵レコードを流す時間があるみたい。
最初、全部アナログ盤なのかな? と思っていたら普通にCDも掛けてましたw レコードって磨り減っちゃうもんね。

多分、一人でじっくり何か考え事をしたい、とか、ゆったりと音楽を聴きたいなんて時に来る、そういうお店ですね。ちなみに名曲喫茶の名曲はクラシックの名曲、という意味だと思われます。
まだ、一回行っただけなので、良く分からない部分もあるのですが、結構面白いですよ。店内の雰囲気とかも凄くシックでクラシカルでいいですねぇ……。まさに「帝都」って言葉を使いたくなるような、そういう雰囲気。
また今度、行ってみようと思っています(珈琲の味は個人的に今ひとつ、でしたが)。

場所がちょっとアレなんで、ご婦人方に手放しでお勧め出来ないのがネックですかねw
あっ、けど例の怪しい中華料理屋も、相当あれだよなぁ……。
中華料理屋は別に騒いだって大丈夫ですから、今度同好の士で行きましょう!



■クラシックな音楽と海外のレーベル

名曲喫茶の話が出たので、それにまつわる音楽のお話。
凄く変な事云いますけれども、自分の耳慣れた音源以外の音源を聴くと、妙な違和感って感じません?w
名曲喫茶で、そういう違和感を感じる事が何度かあったりしました。

「ちょっとテンポ早すぎだろ!」

みたいな。
曲を掛けるときとかけ終わった時に、店員さんが「誰の何て曲で、誰が演奏して誰が指揮をしているのか」みたいな情報を控えめなDJ宜しく、アナウンスしてくれるんですが、全然クラシックに詳しくない私でも知ってるような曲や演奏者のものが出てくる事もあるわけですよ。「バッハ、ゴールドベルク変奏曲、グレン・グールド演奏」とか。

で、私の持っているCD(しかも流す頻度が非常に高い)で、ゴールドベルク変奏曲をグールドが演奏しているものがあるんですが、手持ちのそれはもうちょっとダウンテンポ。ソニーのCDです。
今、アマゾンで多分81年録音のものですね。これはアナログ盤も持っているんですが、悲しい哉、アナログ盤を再生する機械が手元に今無い、という。。

で、そっちに慣れちゃっているので、早い演奏を聴くと、「もうちょっとゆっくり頼む!」と云いたくなるw っていうか、そのソニーのヤツより1.5倍くらい速くて、本当にびっくりしましたw
造詣の無い私でさえ、違和感を感じるわけですから、クラシック音楽ファンがいたとして、きっと「この曲だったら、これがマイベスト演奏」みたいな贔屓のCDなりレコードなりがあると思うんですよ。
そういう人たちって、例えば名曲喫茶に行って、自分の慣れ親しんだものと違う音源が出てきたら「イラっと」したりしないんでしょうかw 
あっ、いや、寧ろその差異を楽しむのがクラシックの楽しみ方なのか? ちょっと分からないですねぇ……。

名曲喫茶に行ったり、そんな事を考えていたら、無性にCDが買いたくなったのでレコード屋に。
モーツァルトのボックスセット(CD20枚くらい入ってる)が2000円くらいで売られている(勿論、新品ですよ? どう考えても安すぎると云わざるを得ない)、という珍事に出くわしたりしながら、鍵盤楽器の演奏のCDを見ていきます。

私は交響曲とかよりも、断然ピアノ曲の方が好きなので、そういうのを見ていくわけですが、値段設定がおかしいCDがあるんですよね……。より具体的に云えば、「安すぎ……」ってヤツが。
そういうのって大抵輸入盤なんですけれども(先のモーツァルトもそう)、例えばさ、そんなにクラシック音楽に詳しくねぇヤツが、行き当たりばったりで値段に釣られて悪い演奏のものを買っちゃうっていうのも、あまり良くないよねぇ……。

当然、そんなに詳しい訳じゃないから、演奏している人の名前とか分からないんだな。
で、海外っていうのは、日本国以外を全て海外と称するわけで、兎に角沢山の国があって、そうした沢山の国からCDが輸入されてきているので、その数は膨大なものになります。
しかも、超有名な作曲家の曲だと、色んな所で演奏されているから、やっぱり数は肥大する傾向に。

となると、海外版を買う時の基準ってどうしたらいいんだろう?
何か信頼出来るレーベルとか、レコード会社とかってあるのかな?
それとも、演奏者の名前で決め打ちしちゃうのかな?

兎に角、クラシックって一口に云っても、膨大な作曲家と演奏家が居て、大量の音源があって、という状況なので、このジャンルに斬り込む突破口が欲しいですよねぇ。指針っていうか。
あいつの曲ならこの会社から出ているCDがいい、とか、あいつの演奏なら間違いはない、とか。

自宅には、150枚くらいクラシックのCDがあるんですが、ほぼソニーのヤツですねぇ……。
まぁ、ソニーって名前が、ねw 日本人の悪い癖です。

あと一つ、困るのは、「その曲が演奏されている楽器が分からない」という事が屡々。
いや、ピアノの無い時代に作られた曲でも今は普通にピアノで弾いたりするじゃない? けれども、ピアノじゃなくてハープシコードの音源が欲しいんだ! って事があって、日本語版すらかつそれが分かりかねる、いはんや輸入盤をや。みたいな状況になってます。


で、実物を目にすると、あれこれ迷って結局何も買わずにレコード屋を出た、という意気地無しが私ですw
クラシカルな音楽について詳しい方、何か、「輸入盤のCDを買うときの鉄則」みたいなものってありますか? もしご存じでしたら是非ご教授下さいませ。


それでは、また。

by s-kuzumi | 2010-04-06 21:47 | 日々之雑記 | Comments(2)
Commented by NaGISA at 2010-04-07 19:34 x
輸入盤は、私もそうたくさん持っている訳じゃないですが、レーベルによって色が違いますし、所属アーティストも違います。

例えば、「アルヒーフ」は古楽器演奏に非常に強く、「テラーク」は少ないマイクでくっきり音を撮ります(だから大オーケストラには弱いが、室内楽には最適)。「デッカ」の録音の良さには定評があり、「テスタメント」は、埋もれていた良質なライブ・放送音源の発掘に力を入れています。

音源自体は全く同じでも、レーベルが違うとリマスタリングが天と地ほど違ったりする事があります。名前の通ったレーベルであれば、まず大間違いはないはずです。アルヒーフなんかは国内盤でも出てますし。

>「その曲が演奏されている楽器が分からない」という事が屡々。
演奏楽器は、必ず明記されているはずです。明記されてないCDがあったとしたら、それは買わない方がいいかと(ピアノなら「pf」なんて略語も使われる事があります)。

ちなみに、グールドのゴールドベルクは確かに名演ですが、ある意味で「変態」ですので、他の演奏もお聴きください(笑)。
Commented by s-kuzumi at 2010-04-09 01:20
>>NaGISAさん

こんばんは。
レーベルのご紹介、助かりました。早速手帳にメモしておいて購入の手引きにしようと思います!

こうした「買ってハズレは無いレーベル」の情報が圧倒的に不足していたので、これで何とか輸入盤に斬り込めそうですw

グールドのゴールドベルク、「変態」という話はしばしば耳にしますw そちらに慣れちゃってるという部分はあるのですが、他の演奏も是非聞いてみますね。

本当に助かりました。
貴重な情報有り難う御座いました!
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