2010年 04月 28日
今日の副題 「王道故のフレッシュ感」 ジャンル:恋愛ノベル(?) プレイ時間:30分程度。 その他:選択肢無し、一本道。 システム:吉里吉里/KAG 制作年:2010/4/26 容量(圧縮時):25.4MB 道玄斎です、こんばんは。 昨日と違って今日は、軽快で爽やかな恋愛ものをプレイしました。王道中の王道、という感じではあるのですが、昨日も書きましたように、「王道」って私好きなんですw それに王道が王道である理由っていうのもあるわけですからね。 というわけで、今回は「糸音ブログ」さんの『恋するナガレボシ』です。 良かった点 ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。 同じ名前の同級生、しかも同じクラスで同じ委員長だった。 こんな感じ。 音だけ見れば(聞けば?)同姓同名の二人の「しみずゆうき」が、主人公であり、ヒロインでもある、という感じ。のっけから興味深い設定が出てきたので、思わずプレイしてしまいました。 下の名前だけ一緒、とかはまぁ、想定出来ますよね。 例えば「あきら」とか、男でも女でもアリな名前です。ところが、字面は違えど名字まで音が一緒の主人公&ヒロインというのは、私は初めてみましたw そういえば、いつも気になってるんですが、結婚式ってありますよね。 たまにお呼ばれして式場に行くと、両方の家名が会場の扉を挟むようにして置いてあったりします。 鈴 [ 扉 ] 佐 木 藤 家 家 とか、こういう感じで。 だけれども、例えば上に出したように「鈴木さん」とか「佐藤さん」とか極めて同じ名字が多い人同士が、結婚するってケースも、ありますよね。多分。 その場合でも、扉を挟んで「佐藤家」「佐藤家」って書かれた紙が出てくるんだろうか……w 一個、どーんと「佐藤家」と書けば済むような気もするしなぁw っと、軌道修正。 文字は違えど、音は同じの二人の淡い恋愛話って感じでしょうか。 ストーリー自体は、この手のノベルゲームではお馴染みの王道的なものです。 一緒に学級委員を務めていて、周りから見ればコンビ状態、ヘタをすると付き合っていると思われている。だけれども、当の本人達(というか、主人公=男の方だね)にその気は無し。 だけれども、ひょんな事から、主人公はクラスメイトの美空ちゃんと付き合う事になってしまって……。 きっと、一度や二度くらいこの手のストーリーを持った作品、プレイした事があるんじゃないでしょうか。 勿論、だからといって悪いとか、そういう事はないんですよね。 問題は料理の仕方というか、その素材の切り方というか。 先ず、先ほどから何度も書いているように「名字も名前も音通する」主人公とヒロインという設定が、ちょっと新しくて目を引きます。 加えて、タイトルも何となくゆかしい感じしませんか? タイトルと作品の内容の合致という事でしたら、結構いい線行ってるんじゃないかな、と思いました(ちょっと偉そうでゴメンナサイ)。 多分、本作が処女作だと思しいのですが、単なる王道、に留まらず、一工夫入れようとしているのが分かります。王道的な設定があるからこそ、そうしたオリジナリティが浮き彫りになるわけですね。 実は結構、凝っている部分もあるんです。 例えば、長目のセリフでは、途中でクリック待ちを入れたりしていて、意外と見落としちゃうようなポイントも押さえてありますし、一枚絵も効果的に使用されていたのではないかと。 気になった点、としては、かなり早い段階から「ラストが読め」ちゃう、という所があるのですが、それは今回は置いておく事にしましょう。 一番気になったのは、「主人公の心の動き」がちょっと乏しかったかな、という点です。 結局、ラストまで見てみると、主人公は殆ど何もしていませんw 何となく状況に流されて……という感じがあるんですよね。もうちょっと、自分自身の本当の想いに気がつく、そのプロセスを描写して欲しかったな、と。 又、音通する名前という美味しい設定もあるので、それもシナリオの中でどこかしら活きていたら、よりグッとくるものになったんじゃないかしら。 私だったら……そうですねぇ……。 例えばよ? 「ゆうき」と呼びかけられても、自分とはつゆ思わず、いつももう一人の「ゆうき=優希」の事だと思ってしまって、「え? 清水? どこどこ?」みたいなw そういう描写が特に主人公と美空ちゃんとの関係の中で積み重なっていけば、「起承転結」で云う所の「転」の部分で説得力や納得感が出てくるような……。 そういや、微妙に気になった部分なんですが、長音ってありますよね。 いわゆる「超だりー」とか云う時の「ー」ですw 本作では、この「ー」(長音記号)が「―」(ダッシュ)になっていたんじゃないかな? 気にならない人にとっては全く気にならない事だと思うのですが、私はちょっと引っかかりましたねぇ。 こういうのって、ら抜き言葉、みたいな感じなのかなぁ。一応、文語で文章を綴るときには「ら」を入れるように気にしたりはするんですが、普段喋っている時は私も結構「ら抜き」をしていると思いますw 気になる人には気になるけれども、慣れちゃうと「ま、それはそれで」と思えちゃうわけです。 脱線ですが、一応、個人的な「ら抜き」の見解を述べておくと、「文語で綴らないといけない文章」では「ら」を入れて、会話文やノベルゲームの「 」で括られる台詞なんかでは「ら抜き」にしちゃってもいいんじゃないかな、と考えます。 日本語の変化って云う事を考えると、「ら抜き」が起きるケースは「可能」の意味に限定されているので、それも一つの日本語の変化だよね、と。ほら、昔古文で「れる・られる」ってやりませんでした? 意味がいくつもあるんですよね、尊敬とか可能とか、受け身とか尊敬とか。 日本語学については、実はそこまで詳しくないんですけれども、語学的に均斉の取れた体系となっていればいいハズなので「可能の意味の時に“ら”を抜く」という規則があれば、それは許容されるのかな、と思うんです。 普通の文語の文章とか、テレビのアナウンサーとかがそれをやると違和感はあるのですが(そういうシチュエーションで使われる言葉を「文体が高い」と云います。優劣じゃなくてですけれど)、「文体の低い」会話文とかならまぁ……何とか何とか。このブログも文体が引くいので、もし「ら抜き言葉」を見つけても、生暖かい目で見守ってあげて下さいw ちょっと今日は辛口でしたね……。それに脱線も多めだ……w 色々書いてしまったのですが、何よりフレッシュさがありますし、王道的な設定の中にオリジナリティをちゃんと盛り込もうとしている所など、中々意欲的な作品だったのではないでしょうか。 あっ、ちなみに、イラストは『想いよ届け! 校内放送にのせて――』の方と一緒かな? 本作が処女作、という事なので、次回作への期待が高まりますね。 多分、二作目、三作目あたりで大化けするような作品が出てきそうな気がしています。 是非、頑張って次作を作って欲しいな、というのが一プレイヤーとしての私の意見と、今日のまとめ、ですね。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2010-04-28 01:25
| サウンドノベル
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