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久住女中本舗

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2010年 05月 27日

フリーサウンドノベルレビュー 『se・きらら』

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今日の副題 「いい時代になったもんだ……」

※吟醸
ジャンル:純愛アドベンチャーゲーム(?)
プレイ時間:一般的な商業ゲームと同程度。
その他:選択肢アリ。バッドエンドも含めて複数。攻略ヒロインは5人。※18禁なので注意。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2010/3/26(無料ダウンロード開始)
容量(圧縮時):1.39GB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、ここ何日かずっとプレイしていた作品のご紹介。普段は、フリーのノベルゲームということで、どちらかと云えば「同人」指向の強い作品をプレイしているわけですが、今回のはもう、商業作品、という事でいいのかな? と思います。
というわけで、今回は「se・きららプロジェクト / Maxfactory 」さんの『se・きらら』です。
良かった点

・アニメーションやイラスト、ボリュームなどは流石のハイクオリティ。

・きっちりと「商品としての作品」になっている。


気になった点

・割と……アレに近いかな……という気が……。

ストーリーは、サイトのページへリンクを張っておきましょう。こちらからどうぞ。


というわけで、ギガ越えのゲームは本作で二本目。
そう、容量は驚きの1.39GB。規模からして商業のゲームですよねぇ……。今、自分のマシンにインストールしてある商業のゲームを見ると、最近では3GBとか4GBとか平気で存在しているわけですが、それにしてもこれだけのモノをフリーで配布して下さっている、というのは有り難いことです。
いや、本当にいい時代になりましたねぇ……。

どこかのサークルさんが、大規模なゲームを作って無料配布している、というのではなく、会社があって、プロジェクトとして制作した作品ですので、8800円とか対価を払う必要がないとは云え、これは商業ゲーム、という位置づけでいいんじゃないかと思います。

どうやら、この作品を無償配布する事で、関連する商品(フィギュアなど)を展開していく……という事みたいですねぇ。シナリオを書いていらっしゃる方々は完全にプロですし、声優さんなども一度ならず目にしたことのある(或いは耳にした事のある?)著名な方が参加なさっています。
そういや、本作は主人公以外フルボイス、という豪華仕様。


作品に関してのザックリとした印象は、「所謂商業美少女ゲーム」という感じです。
この手の作品、きっと商業や、いつもここで取り扱うようなフリーの作品でも何度も目にしているハズです。

主人公がいて、悪友が居て、幼なじみが居て、お姉ちゃん的存在の上級生が居て、お嬢様が居て、ちょっとツンな感じの子が居て、不思議系の少女が居て……とまさにてんこ盛り状態。
こういうヒロインの布陣を見ると、「いつものパターン」という気はしないでもないのですが、キッチリと一本の作品としてソツなく纏まっていて、流石プロだな……と素直に感じる部分があります。

名指しはしませんけれども、ちょっと前に某電気街のお店で何となく手にとってみた商業ゲームが、結構酷くて。いつもお話している「内容」と「シナリオ」が相互的に結びついて一本の「作品」……となっていない、というか。「内容」で広げた大風呂敷をたためずに尻すぼみで終わってしまっている、というか、まぁ、そういう感じでした。
本作は、そういう商業作品としての土台というか、最低限クリアすべきだろう、と思われるような部分、そこはきっちりと押さえてあって、危なげなくプレイ出来ました。独特の癖(この独特の癖が、フリーのノベルゲームの醍醐味の一つです)や新味、には乏しいものの、プロだよな……というのが良く分かります。
OPのムービーはアニメーションだったりと、やっぱり個人制作では中々難しい事もやってのけてます。曲数も36曲かな? 主題歌のアレンジが何曲かあるわけですが、やっぱり数が多いですよね。

今回、プレイ時間を微妙にはぐらかしてますけれども、それは2~3時間とか5時間とかで終わらずに、本当にコンプリートしようとすると、普通のお金を出して買うのと同じくらいのボリュームがあります、という事ですw
参考までに、少しだけ記録しておいたデータを見ると、ヒロインの一人で幼なじみの優は、共通ルートを含めて、凡そ2.5時間くらいでした。
ただ、割と……この優のルートは短かった気はしますねぇ。ちょっと他のヒロインでどれだけ時間が掛かるのか、を計るのが面倒だったので、今回は詳細なデータは勘弁して下さいw

今も軽く触れましたが、作品の作りとしては、共通ルートがあり、所々の選択肢の結果で個別のルートに入っていく、というもの。
多分……選択肢選びは難しい事はないと思います。素直に、お目当ての女の子の高感度が高くなるようにしていけば、先ず迷う事はないはず。
勿論、全部が全部、単純な恋愛モノかって云われれば、そうではなくて、普通の(?)恋愛モノもあれば、伝奇っぽいテイストになるルートがあったりと多彩さもあります。私は、普通の純愛路線のヤツがやっぱり一番好き、ですけれどもw
あっ、エンディングという事ならば、ツン系の女の子(真奈)のルートがちょっぴり熱い展開があって、面白かったですねぇ。

そういえば、一つ面白いな、と思った点があって、それは「メッセージウインドウ」に付いてくる「ボタン」です。
「Auto」と「Skip」の二つのみ。セーブやロードは右クリックから行うわけですが、このシンプルさがいいですね。Autoを使う事はあまりなくても、Skipは共通ルートでは大活躍しますし、逆に言えば、このくらいのシンプルさで丁度いいだろ、と思っていた部分でもあったので、私は凄く気に入りました。


そして、全てのヒロインを攻略すると、タイトル画面から、グランドフィナーレというか、「本当のラスト」に向けての物語が始まる、という。
途中、ある人物の一枚絵が埋まらない! と思ってあれこれ試行錯誤したのですが、実はこのルートでそれは回収出来たのでした。


さて、気になった点、ですが、やはり商業のそれと殆ど違いがない為か、フリー版を落としてきても、インストールを要求されます。
これまた不思議なもんでして、自分で箱ごと買ってきたゲームだと躊躇無くインストール作業をしちゃうんですが、フリーでダウンロードしてきたものにインストーラーが付いていると、ちょっとだけイラッとしません?w 感覚の問題でもあるんでしょうけれども、私は何故か、フリーの作品でインストーラーが付いていると、少し尻込みしてしまいます。

けれども、実は「インストール作業」を行わなくても本作はプレイ可能です(私はそうしました)。
ダウンロードしてきたファイルを解凍すると、「sekirara_v1.2」なるディレクトリが出来ます。その中にsetup.exeというインストーラーが入っているのですが、同時に「se・きらら」というディレクトリも存在しているので、その中に入ります。
そこには「se・きらら.exe」という実行ファイルがあるので、これを普通にクリックしてやれば、インストールせずともプレイが可能。ちゃんとセーブ/ロードも出来るのでご心配無く。

別にこの作品に限った事じゃなくて、他のインストールを要求するタイプの作品でも、同じやり方でインストールせずに遊ぶ事が可能ですので、興味を持たれた方は是非おためしあれ。

で、もう一点。
大凡、例の不思議系少女のルートに入った時から気になっていたのですが、俗に「葉鍵系」と云われるような、そういう感触がヒシヒシと。。誤解を恐れず云えば、「鍵」の方に近いですw それも相当。
個別ルートじゃなくても、日常のギャグなんかも、割とそれっぽい感じがする……んですがどうでしょうかね?
そして、例のヒロイン全て攻略後に出てくる、「最後のストーリー」で、その鍵っぽさは頂点に達しますw

あるルートがかなり「説明不足」で終わっている事と、この「最後のストーリー」は密接に関わっているのですけれども、何となく見たことがあるような気がして……。しかも割と……狙ってやってる感があって。。
これを気になった点として挙げるのはどうかなぁ? という気はしないでもないんですけれども、ま、一応、という事で。


兎にも角にも、大容量・ハイクオリティで、普通に8800円くらい出して買ってくるゲームと遜色ない出来映えでした。
良くあるシナリオ、良く目にするストーリー、であっても実はそれをきっちりと纏める、というのは中々に難しいもの。そうした部分で云えば、本作は凄い満足感がありますよ。
オーソドックスながらも、プロらしいキッチリとした仕上がりで、フリーのノベルゲーマーだけでなく、商業ゲーマーも納得出来る出来、だと思います。
ホント、これがただで遊べるんだから、凄い時代ですよねぇ……。18禁作品に抵抗がなければ、是非プレイしてみて下さい。


それでは、また。

by s-kuzumi | 2010-05-27 21:49 | サウンドノベル | Comments(4)
Commented by Re:Se・きらら at 2010-05-31 02:56 x
Nobelers' cafe でも出現したRe:と申します。
私もSe・きららをプレイしました。
葉鍵系はあまりやったことがないので、
なんとも言えないのですが、
ありがちといえばありがちですよね(苦笑)

なんでも元々は商用で開発をしていたんだとかって話を聞いてますよ。
ですが、最近は手に取ってくれる人が少ない(?)らしく、
フリーで広められたらなぁ みたいな感じのことを言ってたような・・・。
OPソング、挿入歌2曲、EDソングとかなり豪華ですしねw
歌は結構気に入ってたりします・・・w
OPはアニメーションムービーで、
普通にアニメのOPとしても通用しそうな気がしてます。
そのうちアニメ化とかになりそうな・・・・・・・。
Commented by s-kuzumi at 2010-06-06 20:55
>>Se・きららさん

お返事が遅くなって申し訳ありません!!

あっ、元々商業で、という事だったんですか?
確かに、ありがちっちゃありがちな設定ではあるんですけれども、それでもやっぱり、満足度は高いですよね。

歌もお金が掛かるのに、計4曲ですか、入っていて凄い豪華な作品でした。
私は、OPの歌が好きですw やっぱり、この手のゲームにありがちな曲調、ではあるんですけれどもねw

アニメ化……されるのかな?
そうなれば、フリーで遊べるノベルゲームに、今以上に人の目が向いてくれて、ハッピーなんだけれどもなぁ……。
Commented by Re: at 2010-06-11 22:04 x
どうも遅くなりました。
ちなみに正式名はRe:です、紛らわしい名前で申し訳ない・・・OTL

フリーノベル、というわけにはいきませんが、
PSPなどにもノベルゲームが徐々に増えつつありますよね。
そこからフリーに来るって人も結構出てくるのではないかと
思っていますけどw
Commented by s-kuzumi at 2010-06-13 22:33
>>Re:さん

こんばんは。
いえいえ、こちらこそレスが遅くなってしまって申し訳ありませんでした。

そうですね、PSPとかにもノベルゲームが進出していて、頼もしい限りです。
フリーの作品ならではの、面白さや独特なクセが、一度嵌ると中々抜け出せないので、そういう世界も是非、色んな方に体験して貰いたいです。

そういえば、iPadのゲームが出てきたり、或いは過去フリーとしてリリースされた作品が、携帯電話のアプリになって公開(有料になっちゃってますが)されたり、と色々と動きがあって、そういう動向を追っているだけでも楽しいですよねー。
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