2010年 06月 13日
今日の副題 「地味だけど滋味に溢れる短編ノベル」 ※大吟醸 ジャンル:青春恋愛アドベンチャー(?) プレイ時間:1ルート30分程度。コンプリートは2時間くらい。 その他:選択肢アリ。結構多いです。 システム:NScripter 制作年:2004/7/19(現在プレイ出来るヴァージョンは2005/8/13のもの) 容量(圧縮時):11.3MB 道玄斎です、こんばんは。 今日は久々のゲームのレビュー。そして大吟醸。 なんだか、今更な感じもする名作ですけれども、改めてプレイし直してみました。丁度季節にも合ってますし、爽やかな気分になれること請け合いです。 というわけで、今回は「Fly me to the sky」さんの『BEYOND THE SUMMER』です。 良かった点 ストーリーはサイトの方から引用しておきましょう。 梅雨の合間に訪れた夏の予告篇のような朝。 こんな感じ。 懐かしい作品です。何故今までレビューしなかったんだ? と不思議に思ってしまうくらい良い作品でしたねぇ。多分、作者様である所の、あいはらまひろさんのノベルゲーム処女作ですよね。 私も、相当前にプレイしています。 んが、実はコンプリートはしていなかったんですよw 折角なので今回はコンプリートを目指して頑張ってみました。 ちなみに、今では割と珍しい(?)主人公の名前を「入力」するタイプの作品です。 私の場合、「道玄 斎」君と相成りましたw これは「どうげん いつき」君と呼んでやって下さいw さて、先ずは大雑把な説明から。 本作は、基本、四つのルートに別れます。まぁ、バッドエンドも二種類あったりするわけですが、基本のルートとしては四つ。 何となく物憂い梅雨の頃。 いつもは躊躇いなく降りる高校の最寄り駅。そこで主人公はふと、学校をサボッてそのまま電車に乗って……。 主人公は固定ですけれども、その後主人公が、どこで降りるのか? どこまで行くのか? という選択で出会う事が出来る女の子が変化します。 そしてその女の子が4人居るわけですね。 主人公は固定ですけれども、どこか「オムニバス」的な雰囲気を感じさせる作品で、やっぱり今でも色あせる事ない名作だと思いますよ。 コンプリートのコツも、この四つのルートへの分岐点を先ず押さえる事、だと思います。 かなり序盤で入る事が出来るルートが決定してきますので、こまめにセーブするといいかな? 実は、私コンプリートは初めて、と先に書きましたが、「選択肢の多さ」に惑わされてしまっていたんですよね。 何しろ「18個のエンディング」があって、かなりの頻度で選択肢が出てきますから、そういう部分で尻込みしてしまう人もいるかも? だけれども、基本のルートは4つ、という事が分かれば意外と気分も楽になるんじゃないでしょうか? ルートによっては20分くらいでエンド1(これが所謂トゥルーエンドに相当します)を見る事も出来ますし、「一つも選択肢を間違えたら到達出来ない!」なんてシビアな事もありません。 要所要所で押さえるべきポイントがあって、そこさえ上手くやれば大丈夫。選択肢音痴の私でも全4ルートのうち3ルートは今回、一発でエンド1を見れていますしw そうなんです。 実は選択肢捌きはそこまでシビアじゃなくて、常識的に「ストーリーが展開するように」選んでいけば自ずとトゥルーエンドへの道が開けるんです。 もし、選択肢を間違えて、エンド1以外のエンドを見てしまっても、作者様からの一言メッセージというか、ちょっとした攻略のヒントが出てきますので、ビビらずプレイすれば必ずコンプリートが可能です。こういう「バッドエンド時」の処理って大事ですよね。 特に本作の様にエンド数が多いと、ヒントも何も出てこないんじゃ「めんどくせー」ってなっちゃいますからw 適度なヒントを出して「よし、じゃあもう一回!」とプレイする意欲をかき立ててくれる仕組みは評価したい所です。 ちなみに、今回、ジャンルを書く時に「青春恋愛アドベンチャー」とか何とか書いたのですが、普段だったら「恋愛青春アドベンチャー」にしていた所だったんです。 だけれども、本作は恋愛……という部分よりも、それを含めた「青春」の一ページを描いていて、「こりゃ青春が先に出てこなきゃ駄目だわ……」と思い、そのように致しました。 文章が五月蠅くない、というのもポイントです。 所謂、ラノベ的な文章だと、何かを説明する際に、何かを引き合いには出さずに居られない、みたいなそういう傾向ってありますよね?w それはそれで、作品とのマッチという事で考えれば効果的だったりするわけですが、本作にはやっぱり、このくらいの五月蠅くない、自然と流れていく様な文章が合っていて好印象でした。 君子の交わりは淡きこと水の如し、なんて言葉がありますが、まさにその文章の淡さ(五月蠅く無さ)が、本作を特徴付けるのに一役も二役も買っていた印象。 大体、どのルートでも中盤くらいから、ちょっぴりプレイしていて恥ずかしいくらいの恋愛描写が出てきて、ずっと胸が疼きっぱなしでしたw きゅんきゅんしちゃうんですよねw けれども、同時に「清涼感」というか、爽やかさもちゃんと確保されていて、その二つが上手に両立していて、そこが何より本作の良い所かもしれませんね。 又、ルート毎に比重が違いすぎる、というような事もなくて、これも先に書きましたが、何となくの私のイメージとして「オムバス」っぽいなぁ、と思いましたよ。 どのルートのエンドでも、本当に綺麗に纏まっていて、タイトルとのリンクもバッチリなんです。或る意味では、ボイスや立ち絵などが存在しない地味な作品ではあるのですが、それでもキラリと光るものがあって、プレイしていて楽しかったです。文句なしの大吟醸。 どのルートも非常に楽しめる……んですが、強いてお気に入りを挙げるならば悠里のルートなんかいい雰囲気出ていて好きですねぇ。あとは初回プレイ時に強烈な印象を残した渚さんのルートとかも。 まさに正統派の「直球青春ノベル」です。 作中の季節と今の季節は重なっていますから、未プレイの方は勿論、既にプレイされた方も是非プレイし直してみて下さい。これからの憂鬱な季節、もしかしたら爽やかに過ごせるかもしれません。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2010-06-13 22:31
| サウンドノベル
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Comments(4)
はじめまして!
すごく懐かしい作品がレビューされていて嬉しくなったので思わずコメント残してしまいます。 あいはらまひろさんの作品は読み終えたあとのさわやかな気持ちになれるんですよね…。こころに風が吹くようなイメージでしょうかw時期も時期ですし3年ぶりにもう一度プレイしてみようかなと思います。 レビューいつも参考にさせていただいてます。これからもがんばってください。応援しております。失礼します。
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s-kuzumi at 2010-06-15 00:22
>>ぱたやさん
こんばんは、はじめまして。 そうなんです、今更ながら懐かしい作品をw たまに既にプレイした作品をやり直す事があって、製作年を見てびっくりする事も多いのですが、やっぱり良い作品は色あせないですよね。 本当に後味が良い作品ですから、再度プレイはお勧めですw ブログの方見て下さっているとの事、嬉しく思います。ここんとこずっとマイペース更新ですが、たまに見てやって下されば幸いで御座います。 それでは、失礼致します。
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ごりがね
at 2010-06-17 22:49
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s-kuzumi at 2010-06-18 01:34
>>ごりがね
ねー。 俺も本当にそう思うわ……。 立ち絵が無い事での最大のメリットは、やっぱりその「想像力」の喚起だったりするもんね。 季節的に今がぴったりなので、是非プレイし直してみて下さいな。 『ひとかた』も忘れずにw |
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