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久住女中本舗

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2010年 07月 13日

フリーサウンドノベルレビュー 『SAKANA』

フリーサウンドノベルレビュー 『SAKANA』_b0110969_20361853.jpg

今日の副題 「かなり正統派、なんじゃないかと思ってます」

ジャンル:微ファンタジックヒューマンのベル(?)
プレイ時間:40分程度。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2006/05/27
容量(圧縮時):41.9MB



道玄斎です、こんばんは。
ちょっとまたぞろ忙しくなってきているのですが、プレイしてみたい作品は山積みなので、一つづつ。
今回は、「読もう読もうと思って積み上げたまま」になっていた作品なのですが、ちょっと流石に読んでおかないとマズイなぁ……と思ったので一念発起して読んでみたら、普通に良い作品だったというw
というわけで、今回は「P.o.l.c.」さんの『SAKANA』です。
もう、既に何度となく取り上げている作者さんですね。
良かった点

・作品のテーマが実はかなり真面目で、これぞ正統派のノベルゲームという感じ。

・すっきりと読み通せる尺


気になった点

・メグに関して、本文中でもうちょっと補足があっても良かったのでは?w

ストーリーは、サイトのストーリーのページへリンクを張っておきましょう。こちらからどうぞ。


というわけで、P.o.l.c.さんの作品です。
実は今だから告白しますけれども、リリースされた作品を全てプレイしている、訳では無かったんですね、私w 近い内に色々、このP.o.l.c.さんも巻き込んで(?)の企画もありますから、いくつか未読のものをプレイしておこう、と思ったのが、実はプレイの直接的なきっかけです。

いや、元々ダウンロード済みではあったんですよ?
けれども、デスクトップ積みゲー状態が続いていて……。
と、まぁ、私の事情はどうでもいいので、作品の中身に踏み込んでいきましょうか。

P.o.l.c.さんの作品、というとどういうイメージを持ちますでしょうか?
私なんかだと、『手紙』だとか『透明なやさしさ』とかの、何といいましょうか「押しつけがましくない感動」を体験させてくれるような、そういうイメージがあります。それこそ、少し淡く優しい手触りがある、みたいな。

で、そんな先入観で以て本作をプレイしてみると、意外と期待と違っている部分、或いは期待に答えてくれている部分があって、凄くおもしろかったですねぇ。
そもそも、主人公である所の誠が大学生男子って所が良かったです。毎度毎度高校二年生辺りが主人公だと流石に食傷気味になってしまいますw 
高校生が主役のノベルゲームは、言わばノベルゲームの世界では主流となっているわけですけれども、もう少しだけ年齢を上げて大学生とになると、ストーリーに幅も出てきますし、深みも出てくる事がままあります。

本作では、日々を無為に流れるままに過ごしている誠が主人公。
ある日、ひょんな事から、人語を解するさかな(私達がイメージする魚とはちょっと違うっぽいですけれども)が誠の精神に入り込んで、その「さかな」が誠として一日を過ごす……という感じのストーリーです。

何気ない大学生活の一シーンなんかは、意外なほどギャグっぽい文章が使われていたりして、最初若干戸惑いはあったものの、後半からの流れはP.o.l.c.さんのお得意の展開になっていきます。
簡単に云ってしまえば、「さかな」が誠として生きる事を通して、当の誠本人が、「今を生きる事」の大切さや、かけがえの無さに改めて気づいて行く、って感じでしょうか。

自分との誰かとの体/精神の入れ替え(?)というテーマは、それなりに目にするんですが、或る意味でフリーのノベルゲームらしい正統派のシナリオで好感が持てました。
テーマというかメッセージ性はあるものの、それが押しつけがましくなく伝わってくる所なんかも個人的に好きですね。
立ち絵があるとか、そういう意味での派手さはないものの、だからこそのノベルゲームらしさ、がある、そういう作品です。


さて、一方の気になった点ですが、それは登場人物の一人、メグに関して。
割と前半で、主人公とメグの会話のやり取りがあって、そこでどうやら、メグは何かちょっと複雑なバックグラウンドがあるらしい……と示唆されているのですが、それが明らかになるのは、本編終了後の「おまけ」ですw
そこは、やっぱり本編の中でストーリーと絡める形で語られても良かったかなぁ、と思います。
又、個人的にちょっとメグに対して「めんどくせぇ女だなぁ……」と思ったりしてw

キャラクターという事で云えば、ノベルゲームに付きものの「ちょっとお馬鹿な悪友」もちゃんと健在。
というか、ノリが私そっくりでちょっと……w 大体、昔ながらの友人達と会う時の私のポジションって本作に於けるザキの立ち位置ですからねぇ……w


割と前半はギャグが散りばめられた文章なんですが、最後までプレイすれば、良い意味でのフリーのノベルゲームの正統派作品である事に気づくと思います。
プレイ時間も、40~60分程度です。派手さこそないものの、こういう作品、いいですよね。


それでは、また。

by s-kuzumi | 2010-07-13 20:36 | サウンドノベル | Comments(0)
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