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久住女中本舗

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2011年 07月 20日

フリーサウンドノベルレビュー 『なかない負け犬』

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今日の副題 「乙女、王族、メイドさん!」

ジャンル:乙女向き寄り短編ノベル作品
プレイ時間:コンプリートまで40分程度。
その他:選択肢有り。再度プレイすると選択肢が増えたりするので注意。
システム:NScripter

制作年:2011/6/23
容量(圧縮時):16.3MB



道玄斎です、こんばんは。
今回は、ちょっと目先を変えて、若干女性向け――所謂乙女向き――の作品をプレイしてみました。
ただ、飽くまで「微」乙女向きであって、男性であっても普通に楽しむ事が出来る作品だったと思いますよ。
というわけで、今回は「晴れ時々グラタン」さんの『なかない負け犬』です。
良かった点

・サックリプレイ出来、且つ一枚絵が豊富でゴージャスな作り。

・メイド要素など、個人的に好みなものが多い……。


気になった点

・本ルート、にもしかしたら気づかない人がいるかもしれない。

ストーリーはベクターの紹介文から引用してきましょう。
――父は王。母は乞食。
その間にできた子は、王族か。それとも負け犬だろうか。

例え、後者だったとしても――私はなかない。

乙女の王城復讐ADV(短編)。

※一部、暴力表現やインモラルな表現を含みます。苦手な方はご注意下さい。

こんな感じです。

※で注意書きが付くほど、暴力的でインモラルか、と云えばそんなでもありません。
こうした注意書きが無く、本作よりも遙かに暴力的な作品、一杯ありますしw

というわけで、昨年の夏でしょうか、『夏の雫』という作品を取り上げさせて頂きましたが、同じ作者さんの作品です。

一読して気づくのは、ビジュアルが綺麗、という点。
「ビジュアルにダマされちゃいかん!」といつも云っているんですけれども、勿論、中身やテーマの部分でも面白いものを持っていたので、取り上げる事に致しました。

主人公、という位置づけでいいのかな? リズのビジュアルが良かったですねぇ。
ちょっと冷めたクール系で、「これだよ、これ!」と思わず叫びたくなるくらい、直球のストライクでしたw

ストーリーを補足する形で、作品の内容に踏み込んでいきましょう。
王と乞食の女との間に生まれた主人公は、ある事件をきっかけに城から姿を消し、素性を隠しその日暮らしの生活を送っていたが、ある日、王城から「メイドとして雇いたい」との打診をされ、図らずも自身が育った城に戻る事になるのだった……。

って感じでしょうかね。
ここまで書けば、ストーリー紹介もわざわざ引用しなくても、そのまんま載せればいいじゃないか……という気はしますが、そこはあまり考えるのはやめましょうw

折に触れて、主人公リズの過去の記憶と現在が折り混ざって、状況が説明されるわけですが、その辺りに、インモラルな描写がある、って感じでしょうか。
性虐待とか近親相姦とか、ちょっぴりドロドロっとした部分が垣間見えます。

そして、愛すべき妹ヒルデガードの「今の姿」を目の当たりにし、そして、自身の父である所の王に憎しみを募らせていくリズだったが……。
と、ストーリーのテンポは上々です。結構な数のエンド(七つ)がありますが、既読スキップもちゃんと効きますから、コンプリートも比較的容易だと思います。

随所随所に出てくる一枚絵が豪華でいいですよね。
短編……って云って良いような作品ですが、一枚絵の数は長編作品と並べても遜色ない程多く、作品の一つのウリになってたんじゃないかな、っと。
一番好きな一枚絵は……黄色い薔薇の最後の一枚絵(コンプリートすれば意味が分かるハズ!)ですね。リズの何とも云えない表情が最高ですね……。


さて、「微」乙女向き、と云っておきながら、まだ乙女的な要素について触れていないのですが、実は、そっち(本編?)に入る為には、再度プレイし直す、という作業が必要になります。

最初の段階で見ることが出来るエンドは限られていて、あまりストーリーの核心に迫らないものだったり、バッドエンド風味だったりするわけですが、その段階で、最初からプレイし直すと、ある箇所で選択肢が増えます。そこでやっと「乙女向き」の要素も出てきます。

選択肢捌きも比較的容易なのも、好印象でした。
あまりに難しいと、プレイする気力も萎えちゃいますからね……。
多分……これも順番で、彼と彼のエンドを見た後じゃないと、彼のエンドに行くことが出来ないんじゃないかな? と思います。ちょっとややこしく、またボカして書いてますけれども。

最初の二つくらいのエンドを見た時点で、プレイを止めないように。
是非、また最初からやり直して、作品の全貌を見てみて下さいませ。
やはり、コンプリートする事で、引っかかっていた部分が解明されたり、といった事があるので、そういう意味でも各ルート共に良く練られていたのではないかと。

反面、もう少し、何かしらのインパクトがあっても良かったかな……と思わないでもないので、今回は無印で。


私も、時々、こうした女性向け(本作は“微”ですけれども)の作品をプレイする事があります。
で、女性向けという事は、恐らく作者さんが女性なのでしょう。傾向……ってほどじゃないんですが、女性向けの作品には男性作者の作品には無い「凄み」がたまにあったりして面白いですよね。

本作だと、ラスト間際のリズの台詞だったり心中思惟だったりが、やっぱり「凄み」を感じさせるものになっていました。タイトルからして、結構強烈ですしね。
たまに、女性向けの作品をやってみる、というのもいいものですねぇ。


というわけで、今日はこの辺りで。



それでは、また。

by s-kuzumi | 2011-07-20 18:43 | Comments(0)
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