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久住女中本舗

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2011年 10月 10日

フリーサウンドノベルレビュー 『ホームタウン』

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今日の副題 「多彩なエンドのサスペンス」

ジャンル:サスペンスホラー(?)
プレイ時間:一周1時間程度。
その他:選択肢多し。トゥルーエンドだけでなく色んなエンドを見る価値が。
システム:NScripter

制作年:2004/12/26
容量(圧縮時):2.50MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は少し懐かしい作品を持ってきました。七年くらい前の作品ですが、プレイしていく内に「ああ、こんな場面があったなぁ」と当時プレイした場面を思い出したりして。
というわけで、今回は「出窓のすなばこ」さんの『ホームタウン』です。
良かった点

・意外な結末が光る、ミステリー作品。

・圧倒的な低容量にも関わらず、再読性が高く、遊びでがある。


気になった点

・エンドリストがあるとコンプリートしやすい。

・分かりにくい選択肢。

ストーリーは作者さんのページから引用しておきましょう。
サイコ・サスペンス・ノベルゲーム。
どこでもあるような地方の町が舞台。
殺された兄の謎をとくため、主人公、平沢孝之はガールフレンドの沙希と、兄の残した家に行く計画を立てるが―

こんな感じです。

この街では、殺人事件が起こっており、犯人はいまだ見つからず。そんな中、幼くして生き別れた兄和之が刃物で滅多刺しにされて死亡してしまう。

と、結構過酷な状況から始まる本作ですが、「兄は何故殺されたのか?」を突き止める、という明確なベクトルが示されており、プレイのツカミは上々です。

ストーリーで書かれているように、ガールフレンドの沙希と、兄が建てた家に行き、兄が死亡する事となったその手掛かりを掴んでいく、というのが大まかな流れになります。
そこには、主人公孝之と沙希だけでなく、謎の女性やフリーのライターも加わって謎が謎を呼ぶ展開……或る意味誰もが怪しい状態が続くんですよね。

で、一時間程度のプレイで云えば、50分くらいはその兄の家の中での出来事を描くのですが、その閉鎖された空間での緊迫感がいいですよね。
サスペンス、というジャンルにピッタリな内容で、私なんかはこういうの楽しめちゃうタイプなんですが、飽くまでサスペンスであって、ホラーって感じでも無かったのが良かったのかな?

ともあれ、そんな状況の中、更に玄関の扉をノックする音が聞こえて……。
と、物語は佳境に入っていきますが、結末の意外さは群を抜いてましたね。しかも伏線がそれと分からないように、キッチリと張られており、そういう所凄いなぁ、と思います。

今回、私が最初にプレイした際、almost True Endとか表示されました。「ほぼトゥルーエンド」って事で、トゥルーエンドそのものではない、という事になります。
けど、それでも一応エンドロールが出てきたりして、ひとまず、事件の謎は分かります。トゥルーエンドを見ようとするとちょっと大変、かな?

ここは良かった点/気になった点、両方に関わる問題なのですが、選択肢が多く、多彩なエンドがある点は評価出来ます(エンドリストが実装されてればもっと良かった)。サスペンス、というジャンルから逸脱してしまうようなエンドもあるのですが、それはオマケ的な感じかな。
で、選択肢が分かりにくい、というのは若干気になりました。

以前から書いているように、選択肢には「分かりやすい選択肢」と「分かりにくい選択肢」の二つがあります。
恋愛モノに顕著なように、好みの女の子の機嫌をとっていけば、自ずとその娘のルートに入っていけますが、本作のように飯屋で「定食」を食べるか「冷やし中華」を食べるか、なんて選択肢が出てきてしまうと、どっちが正解だか分からないじゃないですかw

こういう「分からない選択肢」は割と昔のサスペンス・ホラー作品にはよくありがちで、代表的なものを挙げるとすれば、『1999ChristmasEve』とかね。「背負い投げ」と「ライダーキック」でどっちが効果的か、なんてやっぱり分かるハズもなくてw

けれども、かといって、超優しい選択肢ばかりだと選択肢の意味が凄く薄れてしまいます。
この手の作品は、適度に親切(バッドエンド後のフォローがあるとか、エンドリストがあるとか)で、適度に難しいのが理想的なあり方かなぁ? なんて思わなくもないですね。
やっぱりミステリー感を出すためには、それなりに選択肢が複雑だと良いスパイスになりますからね。


大体、こんな所でしょうか?
昔ながらの影絵でもって紡がれるミステリー。今だからこそ遊びでがあって、楽しめるんじゃないかと思います。衝撃の真相を是非是非ご覧あれ。



それでは、また。

by s-kuzumi | 2011-10-10 19:40 | サウンドノベル | Comments(0)
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