2011年 11月 08日
![]() 今日の副題 「脇役だって主人公!」 ※吟醸 ジャンル:脇役が主役の座を奪い取るアドベンチャーゲーム(?) プレイ時間:コンプリートまで小一時間程度。 その他:選択肢アリ。バッドエンド、トゥルーエンドに分岐。二周目ではグッドエンドも。 システム:Yuuki! Novel 制作年:2011/10/19 容量(圧縮時):12.9MB 道玄斎です、こんばんは。 バカみたいに大笑い出来る作品を見つけたのでご紹介。ノベルゲームやラノベ、或いはアニメなんかに親しんでいればいる程笑えます。 というわけで、今回は「がっかり亭」さんの『無理やり主人公』です。 良かった点 ストーリーは、ふりーむから引用しておきましょう。 ごく普通のオタク、脇山雑太は、ある時漫画かアニメとしか思えない こんな感じ。 いや、これ、面白いよ! こんなレビューを見ているヒマがあったら、さっさとダウンロードして起動してみて欲しいです。 先ず、最初に出てくるタイトル画面。んもう、無茶苦茶(勿論良い意味で)バカゲーな雰囲気を出しています。これだけで、期待しちゃいますよね。あとはアタリかハズレか……なんですが、自信を持って断言出来ます。これはアタリです。 又いつものように、ストーリーを補完しつつ、話を進めていきましょう。 私は割と、プレイした作品の主人公乃至ヒロインの名前を忘れてしまう事が多いのですが、今回ばかりはシッカリ覚えました。何しろ、名前が脇山雑太なんていう、脇役且つ雑多なモブキャラ、みたいなネーミングだからですw それは兎も角、フリーターの主人公は、バイトの面接に行く途中で、オーロラのような閉鎖された空間に閉じこめられてしまいます。 所謂、超自然的な現象……というか、良く伝奇モノの作品なんかで目にするアレです。マンガやラノベでもそうした閉鎖空間が生み出されるものありますよね? パッと思いつく限りですと、CLAMPの『X』とか、ラノベだったら『灼眼のシャナ』とか。 所謂、一種の結界を作るわけですが、普通のノベルゲームの主人公だったら、ここで…… 主人公「えっ!? こ、これは……一体どうなってるんだ!」 なんて、叫ぶ場面です。 けど、本作の主人公は一味違います。何しろ彼はオタクです。私が先に挙げたような知識をどっちゃり保有しているのです。ですので、そんな謎の結界が突如現れても、寧ろ、 「来たな! 閉鎖空間だ!」 といった感じで、あたかも待ち受けていたかの如く、極々自然にその現象を受け止めてしまうのですw こういう、主人公が通常であれば戸惑うであろう状況を、限りなくナチュラルに受け止めてしまう、という造型はかなり私の好みだったりしますw 『Dear∽Life』の主人公なんかも、その系統ですよね。 で、その結界の中には、お決まりの化け物がいます。 しかし主人公は「こいつは下級の化け物で、すぐに超常的な力を秘めたヒロインが討伐しにやってくるハズだ」と判断し、こともあろうに「主人公」を探しだそうとします。 何故ならば、結界が発動し、化け物が登場し、恐らくそれを討伐しに来るであろうヒロインが居る以上、その結界の中には、その物語の主人公たる男性が居る、のがお決まりのパターンだからです。 その設定を逆手に取り、ヒロインよりも先にその「主人公」を探し出し、舞台から消えて貰う。それが本作の主人公の目論みです。 そして本来の「主人公」の代わりに、本来、脇役であるハズの本作の主人公が、「主人公」に成り代わってしまうのです! ってちょっと分かりにくいねw 「 」付きのは記号としての主人公で、ただの主人公、というのは「本作の主人公」です。 で、セオリー通りならば、そのヒロインは、近くの高校に転校してきて、本来の「主人公」と出会うハズなので、主人公(もう以下、雑太と呼びましょうw)は、用務員としてその学校に潜り込んでしまいます。 そして、「主人公」とヒロインの出会いを阻止していくなかで、雑太はヒロインと接触し、彼女を取り巻く戦いに身を投じていくことに……。 しかし、ヒロイン六角(又ややこしい特殊な名前も、この手のセオリーだ)と、謎の組織との戦いも、みな「お約束」で成り立っているので、雑太は、敵が出現するタイミング、弱点などを既にして理解しているのですw 為に、ヒロインを助ける、まさに「主人公」的なポジションをゲットしていく……という感じです。 文字にしちゃうと面白さが、半減しちゃうけれども、その雑太の心中の思惟が滅茶苦茶面白いんだw 良く分からない専門用語(クチク級など)等もガンガン出てくるんですが、そこらへんはサラッとスルーしてOK。そこは「お約束」のルールでしかないのですからw 飽くまで、ヒロインが属している側の組織があり、それに対抗する悪の勢力があって、力のランクに応じて階級付けが為されている、程度の把握で全然OKです。 ある状況が目の前で展開された時、「これは○○だ!」と瞬時に(オタク知識から)判断し、行動に移す主人公。 もう、彼は明らかに脇役ではなく「主人公」になっています。 「主人公」に無理やり割り込む一般人。それが雑太なのです! ちょっと話がわき道に逸れますが、スクリーンショットを撮ってくる場合、いつも話しているように「最初の一枚絵」を利用します。その「最初の一枚絵」が妙にギャグっぽかったり、デフォルメされていたりすると(或いはパンツ全開とか)「次の一枚絵」を取ってきたりするわけです。 他に、一枚絵が無い作品ですと、立ち絵的に賑やかな場面でネタバレにならないような場面をチョイスして持ってきたり。或いはタイトル画面を使ったり、ね。 本作もちゃんと、一枚絵付いているんです。 けれども、今回は敢えて、一枚絵じゃなくて立ち絵の方にしてみました。 何故なら、一枚絵だと「カッコよすぎる」からです! ちょっとズッコケた面白さの感触や、主人公のセリフが表示されている方が、よりダイレクトに本作の味が分かるのではないかと思って。 で、随所随所でバカみたいに笑ってしまう楽しい作品なんですけれども、ヒロインとの関わりの中で、「お決まりのヒロイン」ではなく、「今目の前に居る女の子」の姿を見るようになる、なんてちょっとイイ場面もあったりしますよ。 一応、所々に出てくる選択肢を上手く回避すれば、難なくトゥルーエンドに到達出来ます。 選択肢でセーブ、は常識ですよね? その上で敢えてバッドエンドも見てみる、のも又一興ですw で、二周目からは、トゥルーエンドだけではなくグッドエンドも見ることが可能に。 またね、二周目以降も面白いのよ。とあるシーンで、本当に飲んでいたミネラルウォーター吹きましたからねw 一方で気になった点もあります。 まぁ、Yuuki! Novelなので、操作性がイマイチ……という部分ですね。二周目以降もプレイしやすいように配慮してくれていたのですが、それでもやっぱりちょっと使い勝手が悪いですよね。 あっ、ただ、逆に本作の場合Yuuki! Novelが似合ってる気もしますw 逆に吉里吉里/KAGとかNScripterとかでガッチガチに綺麗に、そしてシステマチックに作られたインターフェイスだと合わないような……。 もう一点挙げるとすれば、後半の展開がやや急だった、という点でしょう。 プレイヤーとしては、もっともっと雑太がオタク知識をフル活用して、ヒロインを助け、「主人公」に割って入るのを見たいはずです。そこは滅茶苦茶に笑える所なのですから。 しかし、意外な程急に、最終章に突入してしまって、一気にラストまでストーリーは突っ走ってしまいます。 もう一個二個……雑太とヒロイン、そして悪の組織との戦い(オタク知識を駆使しての)が描かれていたら……もっともっと楽しめたんじゃないかな? と個人的に思いました。 大体こんなところかな? 兎に角、爆笑請け合いのノベルゲームです。 こうしたノベルゲームのお約束、を逆手に取った作品には『Merry X'mas you, for your closed world, and you...』というものもありますが、本作はそれとは又違うベクトルで、何だかフォロワー的な作品が今後、出てきそうな予感すらあります。 プレイ時間も短めなので、是非プレイして大いに笑って下さい。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2011-11-08 01:02
| サウンドノベル
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