2011年 11月 18日
道玄斎です、こんばんは。 なんだか、またこのエキサイトブログの使い勝手が変わって、何だか日増しに使いにくくなっているような……。 それは兎も角、最近又更新ペースが落ちていますが、ちょっと面白い、というかどこか心温まる作品を見つけたのでご紹介。 というわけで、今回は「晴れ時々グラタン」さんの『おとぎ話屋』です。 多分、コンプリートまで20分~くらいなので、今回は番外編ですね。 ゲームを起動すると、最初に二つの物語を選択し、見る事になります。 それぞれのお話だけでは、「?」となってしまうかもしれません。あれだけで終わってしまっていたら、私も吃驚しますw その二つの……云うなればプレストーリーを見た後、本編に入っていく、という流れですね。 「殺し屋」さんと「コニー」の二人が、ガラクタで作ったサーカス団で巡業をしながら世界を旅していく、というもの。 脱線しますけれども、私、この作者さんの描く女性の絵が凄い好きなんですよね。 特に目、目元! 『なかない負け犬』のちょっと冷めた風なリズのイラストは最高に美味しく頂きました。 本作のコニーは、リズよりも大分おっとり(?)した性格のようで、クリッとした目になっている所も多かったのですけれども、それでもやっぱり、あの目がいいんですよねぇ……。 本作、ザックリとした線で、しかも塗りが無い状態でイラストが出てくるんですが、その素朴な感じも又、「おとぎ話」風でいい感じでしたよ。グッドなエンドを見ると、フルカラーの一枚絵が出てきますけれどもね。 本作の面白い設定は、コニーが「打ち捨てられた石」という病気に罹っている、という点です。 この病気に罹ると、「落ちているものを拾わないと生きていけない」という所謂奇病です。 この病気は、コニーの昔の生育環境……に由来するわけですが、この病の設定が、物語冒頭に活きていて、且つ中盤、後半までシッカリと存在し続けた点、良い感じですね。 何か単発で「ほい、病気です」って出されちゃっても困るわけで、本作は、ちゃんとその病気を巡っての因果関係を描いてあり、良い作りになっていたはずです。 舞台は、明言されませんが、昔のヨーロッパのどこか、くらいのイメージでしょうか? 何しろ「おとぎ話」ですからね。そこに「打ち捨てられた石」、或いはガラクタで作られたサーカス団員なんて、少しファンタジックな設定が入り込んで独特な世界を作っています。 で、「そういうお話」と読めると同時に、最後の方までプレイすれば、一種の寓話というか、そういう趣もあるんじゃないかなぁ……なんて思いました。 現代を生きる我が身に擬えてみても、何となく分かる感覚や感触、それを「おとぎ話」に仮託して表現しているような、そういう感じですね。 そういえば、これ面白いのが、バッドエンド直行の選択肢を選ぶと、バッドエンドを見た上で「誰か」から、物語の「書き直し」を命ぜられ(?)ます。 これ、どう考えたらいいんでしょうね。本作品は『おとぎ話屋』ですから、当然、「おとぎ話」が提供されるかと思いきや、バッドエンドに行くと、「書き直し」になる。 論理的に考えると……プレイヤーが「おとぎ話屋」なんじゃないかと。素材はそこにあって、選択肢を紡ぐ事で、「おとぎ話」を「おとぎ話」たらしめる、みたいなね。 バッドエンドは何種類かあるけれども、グッドなエンドは二種類、かな? バッドエンドを見たりすれば、選択肢が増えていたりする箇所があるので、色々試してみて下さい。 こんな寒い日に、少し心が温かくなるような、短編童話風(?)ストーリーでした。 物理的にも……精神的にも寒い人は是非どうぞw それでは、また。
by s-kuzumi
| 2011-11-18 20:57
| サウンドノベル
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