2012年 12月 21日
今日の副題 「美少女達と夢の四重奏」 ジャンル:学園恋愛ADV プレイ時間:一ルート1時間半くらい。コンプリートまで三時間くらい。 その他:選択肢アリ。初回はルートが限定される。 システム:吉里吉里/KAG 制作年:2012/12/15(Ver.1.01) 容量(圧縮時):47.0 MB 道玄斎です、こんばんは。 大分ご無沙汰してしまいました。色々と忙しかったりで、中々ゲームプレイの時間が取れなかったのですが、何とか、久々一本作品をプレイ致しました。 というわけで、今回は「ノンリニア」さんの『Subito Quartet』です。音楽が一つの主題になっている、少し珍しいタイプの作品かもしれません。 良かった点 ストーリーは、フリーゲーム夢現から引用しておきましょう。 ―――ねぇ、知ってる? こんな感じのストーリーになっています。 久々にそれなりの尺を持った作品をプレイしたわけですが、意外な程オーソドックスな作品だな、というのが第一印象です。イントロ部分で、ヒロインの一人花音から、「四重奏をやろう!」と持ちかけられる下りなんかは、独自性があって上々の出だしだとは思うのですが、読み進めていくと、割とありがちなとこに落ち着いちゃってるのかな? という印象が。 ただ、女の子(ヒロイン)と音楽という二つの方向性がちゃんと絡み合っているので、意外な程テンポ良く楽しく読めるのも事実です。 そう、多くの恋愛ノベルゲームがそうであるように、本作も亦、ヒロイン一人一人が抱えている問題、があるわけです。そしてそれが、四重奏をやる上で避けて通れないような、「音楽絡み」の問題を抱えているという点、オーソドックスながらも、基本を踏まえた作りで安心感を持ってプレイ出来ます。 ヒロインの女の子も、一番ヒロイン然としているチェロ担当の花音、男の子口調の元気少女でヴィオラ担当の由美、ツンデレ生徒会長にしてヴァイオリン担当の凜と、定番の布陣ですが、中々ヴァリエーション豊かで、掛け合いのシーンなんかも割と賑やかで良い雰囲気です。 個人的に好きなのは、由美のシナリオかな? 彼女のルートが、一番「音楽と自分」みたいな部分での葛藤が描かれていて、作品のテーマに沿っていた印象があります。 勿論、主人公奏は、彼女達に寄り添うようにして、問題を解決してやって、無事四重奏を成功させるべく頑張るわけですけれども、そこまで強烈な事件が起こらないので、何て言うか、奏が云い方は悪いですけれども、口車の乗せて、ちょっと女の子達の後押しをしてやる、みたいな、そのくらいの役割で留まっていました。もう少し、各女の子の問題を解決していく中で、奏も成長していくような、そんな事件があっても良かったかな? という気はします。恋愛の甘さは凄く良く伝わるんですけれども、そっちに重心が傾き過ぎちゃったかな、という感じ。 ちなみに、どうやら初回は、花音ルートしか入れないようです。 花音ルートを見た後は、選択肢が増えて、由美や凜のルートに入っていく事が可能になります。それぞれのルートは、一応、グッドエンド、ノーマルエンド(但しバッドエンド寄り)、バッドエンドといった種類があるようです(その他、みたいなルートもありますが)。 歴戦のノベルゲーマーならば、ルートに入るのも、そしてグッドエンドを見るのもお手の物だと思います。選択肢がそれほど難しく無い、というのも一つ評価できるポイントかもしれません。 一方で、ノーマル(?)、バッドのエンドの方は、後味悪い感じでしたw 逆に、ノーマル、バッドは無くてもいいんじゃ? という気は少ししますねぇ……。綺麗にルートに別れる、くらいでも、全然アリだったのではないかと。 ルートの問題に触れたので、少し補足しておくと、多分、ヒロイン三人のグッドエンドを見ると、選択肢が更に増えます。そして、もう一度ストーリーを御覧頂きたいのですが、ちょっと意味深な言葉が書かれてますよね? それを補足するような第四のルートに入る事も出来ます。 が、これが、意外や意外、淡泊だったんですよね。一応、他のヒロインでは曲がりなりにも事件は起きるのですが、この意味深なルートでは、事件も特に起きず、割とサラッと流れて、「え?」とちょっと置いてけぼりを食らってしまいましたw 大体、こういう裏ヒロインっていうんでしょうか? そういうキャラのルートって、作品の真相や、主人公の内面に大きく踏み込んでいくようなルートが多いんですけれども、そういう感じでも無かったので、そこはちょっと残念でした。 奇を衒わないタイプの、シンプルな学園恋愛ノベルゲームですが、時にはこうした作品もちょっとホッと出来ていいですよね。音楽という要素が、上手くプレイヤーを物語に引き込む為の装置になっている点も良かったですよね。 若干、各女の子のルートの中で発生する事件については、薄味なものの、逆に、凝りに凝った、ややもせば疲れてしまうような(憂鬱になっちゃったりとかね)、そういう事件や出来事が発生する昨今のゲーム事情を勘案すると、意外と貴重な作品なのかもしれません。 そういう意味で、テンポも良いですし、遊びやすいと思うので、是非、気軽にプレイしてみて下さい。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2012-12-21 18:25
| サウンドノベル
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