2014年 06月 13日
道玄斎です、こんばんは。 ちょっとご無沙汰しております……。ここの所、色々忙しくて……。あっ、けど、ゲームに関係した作業は、チマチマやってますよ! そんな作業の中で感じた事なんかを書いて、今日はお茶を濁します。 ■校正って大変だよねぇ ゲームを実際に作る時って、個々人で作業の順番とかに違いはありそうですけど、「書いた文章をチェックして、誤字脱字を洗い出したり、或る表現を、より良い表現に置き換えたり、シナリオ上の矛盾を解消する」なんて作業はどこかで必ず入るハズです。 一般的に、「デバッグ」と云われる作業に、こうした文章校正が含まれている事が多いんですが、これが中々大変なんです。 そりゃ、15分ポッキリで読了出来る、くらいの作品規模なら、そこまででもないのですが、プレイ時間が一時間、二時間……と増えていくと、こうした校正の手間は劇的に増えてしまいます。 勿論、執筆者自身が、校正をするというフェーズもあるわけです。ちょっとカッコつけると著者校正って事になりましょうか。 でも、悲しい哉、そもそも著者は「変な文章を書こうと思って執筆しているわけではない」ので、自分の誤りに気付かないって事が多々あります。自分で読み返してみて、「あっ、こりゃ分かりにくいわ……」とか感じるならば、そこは最優先に修正すべきでしょう。 で、自分で自分の誤りに気付きにくい以上、第三者の力が必要になります。 そう、デバッガーの存在です。或る程度の大所帯でゲームを作っているのならば、他のメンバーが総出で、文章を読んでチェックして……ってやればいいんでしょうけど、「何もかも、手作りでやってます」なんて人は、こりゃ、協力してくれる人を探すしかないわけです。 自分の経験や、他の人のデバッグを手伝った経験から云わせて頂くと……やっぱり、「第三者に文章を見て貰う」っていうのは、とっても大事な事だと思います。 別に、「デバッグ」なんて大上段に構えなくても、知り合いに「ちょっと読んで、おかしいとこがあったら教えて」とか頼むだけでも、大分違うんじゃないかな。 しっかりと渡したシナリオを読み込んで、どんな小さな疑問点も漏らさず報告してくれる人……凄く貴重です……。耳に痛い事でもちゃんと云ってくれる人がいるならば、その人を大事にしてあげてください。「ディスられたぜ!」なんて怒らないで、指摘してくれた箇所を、ちゃんと検討すると良いと思うのです。 「俺ぁ、他人の意見なんざいらねぇ!」ってな姿勢も、意外にカッコ良かったりするんですけど、それで「完成度の高いテキスト」を作れちゃう人は、本当にまれなんじゃないかしら。 ここで云う、「完成度が高い」っていうのは、文章的に優れているとかではなく、「誤字脱字や、慣用句の誤り、様々なレベルでのシナリオ上の疑問や矛盾がキチンと解消されているテキスト」だと思って下さい。 文章の巧さとかは、その次のレベルの話ですからね。 そう云えば、作品名は挙げませんけど、「これは、推敲とか全くしていないのでは……?」という作品をプレイした事があります。 誤字脱字は当たり前、日本語としてかなり違和感の残る文章。主語と述語が一致しない……等々、挙げればキリはないんですが、一言で云うと、「表現能力が乏しい」というか。 しかも、その作品は「雰囲気で読ませるタイプ」の作品だったんですよね。 しっかりとしたエピソードが積み重なって、ラストに向かっていく、というのではなく、「全体の雰囲気で感動してくれ」みたいな。 私は、そういう作品ならば、尚更、「それを支える文章」が大事になるんじゃないかな、なんて思うわけです。 文章という土台がしっかりしていて、初めて、その世界観や全体の雰囲気が活きてくるんじゃないかと。ノベルゲームでは、「表現の手段としてのテキスト」が大きな役目を担っていますからね。 でも、それを作った方は、割と自信過剰というか、文章の推敲とかしないタイプでしてw 当然、誰かに文章を読んで貰って、修正箇所を探したり、なんて事はしないわけです。 そういうのは、ちょっと勿体ないよなぁ……なんて思うんですよねぇ……。 イエスマンじゃなくて、ちゃんと問題点を指摘してくれる人に、事前に文章を見て貰っていたならば、その作品も、もうちょっと化けたんじゃないかなぁ。 ■で、何すりゃいいのよ? またグダグダになってきましたけど、著者自らが校正を行う場合と、第三者がそれを手伝ってくれる場合、大きく分けて二つの校正の機会があるわけですが、「何でこれをやらないのかな?」と疑問に思う事があるんです。 何をやるのか、というと、ズバリ「音読」です。 書いた文章、書かれた文章を、実際に口に出して読んでみる。これだけで、不自然な日本語の大部分が追放出来るハズです。 もし、声を出せないような状況なら、「心の中で読んでみる」とか。 漫然と文章を眺めているだけでは気付かない、文章のリズムだとか、違和感なんかが、それによってあぶり出されてくるわけです。 第三者に校正をお願いする前に、著者が音読によって、文章を修正出来ていたならば、その後の校正もスムーズになりますし、誤字脱字みたいな細かな指摘ではなく、もっとシナリオに対して突っ込んだ指摘も出来るようになるかもしれません。 もう一個、文章校正の技を書くならば、「一度プリントアウトして、それを読んでみる」というものもあります。パソコンの画面上で文章を読むのと違い、プリントアウトしたものを読むと、結構色んな発見があるものです。 但し、シナリオ容量が大きいと、かなりのプリント枚数になっちゃうので、そこが難点と云えば難点ですね……。 プリントアウトすると、「紙に直接修正点を書き込める」というメリットもあります。 校正記号なんて知らなくってもいいんです。赤ペンを使って、分かりやすく直せばOK。これが、パソコンの画面上だと、「修正すべき文字列を一度消去し、新たな文章に差し替える」という作業になってしまいますし、「修正前の文章を見たい」という時に不便ですよね。消しちゃってるんですから。かといって、一々バックアップを取っておくのも面倒ですし。 なので、「シナリオ量によっては、プリントが大変」という問題を抱えてはいるものの、実際にプリントアウトして校正する、というのは、結構いい方法なんです。 実際、本とか雑誌とかに文章を載っけた事がある人なら分かると思いますけど、ゲラは、「紙媒体で送られてきます」よね? その後の第二稿、第三稿なども然り。 今の技術とかだったら、それこそ、PDFなり何なりで送ってしまえば、切手代は掛からないし、印刷代も掛からない。けど、今でもアナログな方法で多くの出版物は校正されている、という事を考えると、やっぱり、そこに何かメリットや、デジタルデータに勝るアドバンテージがあるんじゃないでしょうか。 今、ちょっと調べてみたら、PDFを利用した電子校正なんてのも、やっぱりあるみたいです。 けど、やっぱり、世の中の大多数の原稿は、アナログな紙媒体で校正されている、と思いますよ。 以上、校正にまつわる話をちょろちょろしてみました。 「音読する」なんてのは、すぐに使える技だと思うので、どうぞお役立て下さいまし。 それでは、今日はこの辺で。 あっ、あと、NMの方でも少し動きがあります。リニューアルのような大きな変更ではないのですが、使い勝手を向上させる為の、企画が動いている事、お伝え致します。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2014-06-13 21:11
| サウンドノベル
|
Comments(4)
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sorayuki
at 2014-06-17 22:38
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お久しぶりです。
私も一人で作って後からシナリオの矛盾とか、誤字脱字の散々たる 状況に直面したことがあるので……なるほどと思いました。 自分で繰り返し読んでも気づかない矛盾とか、第三者視点で気づかされる ことって沢山ありますよね。 誰かの協力を仰ぎたいと思えども誰か協力してくれる人って そもそもいるのかなと消極的に考えて、結果一人で作ってリリースしてしまう パターンが多いので見直さなければいけないかなと最近は思ってます。
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Low
at 2014-06-19 13:00
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文を書く人はたいへんだなあと 誤字見るたびに思います。
漢字ってむずかしいですよね。 ひらがな たようする わたしですが たまに漢字使おうとすると悩みます。 このあいだ 日記に ぎょうこうと書いて 漢字じゃないとまずいかなと変換したら行幸になって・・・・ なんかちがうなとあきらめて ちがう表現にしました^^; あ 閑話休題。 読んで きづいて 指摘というのも やりにくいですよねえ。すでに別の人からメールいってる場合もおおそうだし。 機会があれば校正作業のお手伝いしてみたいとも思いますが 一番の問題は 自分が間違いに 気づくかですね。
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s-kuzumi at 2014-06-19 19:42
>>Lowさん
漢字はホント難しいですね……。 「個人的には漢字じゃなくて、平仮名で表記した方がいい」と思っているものでも、作者さんの拘りで漢字表記にしてあったりするわけで……。 誤字脱字の指摘、くらいならそこまででもないのですが、ちょっと深く作品を見ていくと、「正しさの基準」が欲しくなりますw デバッグしてもらう時に、作者さんが、「どこに焦点を当ててデバッグして欲しいのか」とか「○○は誤りではなく、敢えてそうしている」とか、そういうデータも添付してくれると、随分違うと思いますけどねー。 変な漢字を多用する私ですが、「迷ったら平仮名で書く」くらいが、実は丁度良いと思っています。平仮名にしちゃうと、緊張感が無くなったりするものはダメですけどw
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s-kuzumi at 2014-06-19 19:46
>>sorayukiさん
お久しぶりです! ……といいつつ、NMの方ではいつもお世話になってます。素敵な素材、いつも有り難うございます! 自分一人……よりは、協力してくれる人がいた方が、「自分の中では自明だけど、他人から見るとそうでもない」事が明らかになったりもするので、結構お勧めです。 デバッグの募集とか、文章チェックの募集とか、やってみると、意外と応募がくるもんですよ。 例えば、ふりーむなんかには、そういう目的の為の掲示板もあったりしますし。 sorayukiさんの場合……そんなに矛盾があったり、誤字脱字が多かったりってイメージはないのですが……w |
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