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久住女中本舗

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2014年 09月 17日

フリーサウンドノベルレビュー 『雨恋のキセツ』

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今日の副題 「雰囲気抜群、しっとりノベル」

ジャンル:雨の降り続く街を舞台にしたラブストーリー(?)
プレイ時間:コンプリートで、一時間ちょい。
その他:選択肢アリ、エンド分岐アリ。またオマケシナリオ(?)も。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2014/7/7(ふりーむ公開日)
容量(圧縮時):108MB




道玄斎です、こんばんは。
またしても、積んであった作品があったので、プレイしてみたら凡そ一時間という所。
しかも、後で載せるストーリーを見て貰えれば分かるように、なんか物凄くゆかしいものを持っている……こりゃ取り上げるしかなかろうってんで、取り上げる事に致しました。
というわけで、今回は「追及探偵事務所」さんの『雨恋のキセツ』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・舞台や、その設定に物凄くゆかしいものがある。

・イラストは美麗。ヒロイン二人はどちらもとても魅力的。


気になった点

・実は、メインシナリオでは、主人公の問題は解決せず、シナリオが恋愛に流れてしまったような部分が。

・エンドロールのムービーがあると思しいが、再生されない。

ストーリーは、ふりーむから引用しておきましょう。
神が宿る街。神宿。
神宿には雨にまつわる神がいる。所謂、土地神というものだ。
その神は、雨を降らすことも、止ませることも自由自在。
しかし、5月の半ばから降り出した雨は一か月もの間、止むことなく降り続け、もはや神は宿るこ とのない街と詠われた。
この街には、それでも人が大勢押し寄せ、いつものように仕事をし、
買い物をし、遊び、離れていく。 

ここは終着点ではなく、交差点みたいな街。

※雨が長く続く街を舞台にしたADVです。

こういうお話です。


さて、本作は所謂「VIP系」です。
オリジナルのBGM、美麗なイラストなど、VIP系が強い分野はしっかり抑えてあり、更に、魅力的な舞台設定があり、非常に興味をそそります。

雨が降り続ける街、しかも「交差点みたいな街」なんですよ。
これだけで、しっとりとした、何かドラマが生まれそうな……そんな気がしませんか?
明朗ハイスクールコメディにはない、深みがそこには感じられるはずです。


肝心の物語の方なんですが、主人公は記憶喪失です。
そして、なし崩し的に探偵事務所の居候(探偵助手の下っ端)となり、自身の記憶と、この街に降り続く雨の原因(=雨を降らす神様の動向)を探る、というのが、物語の端的な纏めになりましょうか。

主人公の回りには、探偵事務所の所長である真実(まみ。いい歳だけど、見た目ロリ)、雨降りの神様を祀っている神社の巫女さん亜紀、そして図書館で出会う少女れま、と、魅力的な女の子キャラクターが一杯です。

先にも書きましたが、女の子のビジュアルはとっても素敵。
雨ならではのシチュエーションもあったりしますw スクリーンショットはそこからとってきましたw

ところで、ストーリーの概略はプレイ前に目を通しているんですが、てっきり巫女服姿の亜紀が、「雨を降らす神様」だと思っていました。
ちょっと偏見かもしれませんが、こういう美少女系の神様って多くありません?w

ちょっと脱線しますけれども、大体、土地神、或いは地方の神様、みたいな存在は、「大地を司る神様」とか「戦争の神様」とかメジャーな神様と比較すると、かなりパワー自体は落ちるんですよ。
ある限定的な地域で、更に特殊分野に於いてのみ、力を振るえるっていう造型ですよね。けど、例えば、その出自が「元々、その土地で暮らしていた住民で、悲劇的な死を遂げた」なんてものだった場合、やっぱり、神様としての性質もローカルなものになるんです。

だからこそ、物語に登場させやすいんです。
それが、パワフルな神様だと、力が強力なものですから、大抵の無理は効いちゃうし、主人公、或いはヒロインがどうこう出来る余地が少なくなっちゃうんですよねぇ。
でも、ローカルな性質の神様だと、人間と同じように悩みを持っていたりして、その悩み事を主人公達が解決してやったり、或いは、主人公達の抱える問題と、神様の方の問題が重なってきたり……とかね、物語に無理なく、自然に超自然的なものを組み込む事が出来るんです。

だから、大抵の「神様」が出てくるような作品は、そうしたパワー抑えめの、ローカルな性質を持っているハズですよ。


さて、ド派手に脱線しましたけど、巫女さんの亜紀は、全然神様とは関係がなかったんですw
誤解を恐れず云うと、「ヒロインの一人」という位置づけですよね。まぁ、そういう意味では、れまもそうなんですが。

で、本作で一番気になった所が、まさにそこなんです。
舞台や設定はバッチリ、ヒロインも可愛い、しかし、そうした街や神様を巡る謎、そしてそれに密接に絡んでくるであろう主人公の失われた記憶……がスポッと抜けてしまって、各ヒロインとの恋愛に、いつの間にか焦点がシフトしちゃっていた、という点です。

折角、魅力的な舞台があるにも関わらず、主人公は、探偵事務所から神社に行くか図書館に行くか、くらいしか動かないわけで、もう少し、街の色んな場所に移動してみたり、そうした街や自身の謎を解く過程で、ヒロインとの恋愛も副次的に描かれる、みたいな感じの方が、個人的には納得度は高かったかな、と思います。


そうそう、亜紀とれま、それぞれのルートを見ると、タイトル画面から、第三のルートとも云うべきシナリオを読む事が出来ます。そこで、やっと、主人公や街を巡る謎が解ける、という仕組みです。
やっぱり、そのルートを、各ヒロインのルートに上手く接合させてやった方が良かったかなぁ、とw
けど、真実が好きな方にはたまらないルートにはなっているハズですw 個人的には、やっぱり、れまが一番好きですがw


今日はちょっと辛口なんですが、雰囲気はいい作品なんですよ。
だからこそ、自分の願望を押しつけたくなっちゃうのかもしれませんね。
作品の雰囲気を十全に味わう為に、是非雨の日を狙ってプレイしてみて下さい。



それでは、また。



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by s-kuzumi | 2014-09-17 21:04 | サウンドノベル | Comments(1)
Commented by Low at 2014-09-17 22:13 x
あっ  透けてると言う言葉に 細い目を見開いた作品だ~

ああ 見えたかどうかは おぼえてない・・・
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