2016年 01月 04日
今日の副題 「男性も楽しめる、ハイクオリティ女性向け恋愛ゲーム!」 ※吟醸 ジャンル:等身大の高校生の甘酸っぱい青春ストーリー プレイ時間:フルコンプで4時間程度 その他:選択肢により「S」ルート、「M」ルートに分岐後述)、いじめ描写アリ システム:自作エンジン 制作年:2015/11/28 容量(圧縮時):371 MB 道玄斎です、こんにちは。 今日は、昨年末あたりから気になっていた作品をプレイしたので、そのご紹介。 スクリーンショットをご覧いただければ、そのハイクオリティさの一端が十分伝わるんじゃないかな、と思います。 というわけで、今回は「アシナガおじさん」の『Sカレ、Mカレ』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。 良かった点 ストーリーは、少し長めですが、公式サイトのほうから引用しておきましょう。 「俺にもっと勇気があれば、彼女をあんなにも泣かせることはなかったのに……」 こんなストーリーになっています。 とってもハイクオリティな作品でびっくりしました。 これがフリーなんて信じられないくらいです。 リアル路線の美しい立ち絵は、「動き」を伴い、髪の毛が揺れたり、口パクもします。 さらに、素晴らしいボイスが作品を彩ります。 本作は、いわゆるフルボイス作品なんですが、声優さんの演技がまた凄くいいですよね。 ヒロインの咲希なんて、ビジュアルと声がぴったりハマっていて、その魅力を最大限に発揮していました。 割と重めのテーマを持っているのも確かなのですが、サクサクと読んでいくことが出来、なんだか「楽しい」感じがする、というのも見逃せないポイントです。 さて、本作の特徴について軽く説明しておきましょう。 タイトルが示すように、本作は選択肢の選び方で「Sカレルート」、「Mカレルート」に大きく分岐します。 主人公湊の性格というか性質が、早い段階で決定されるのです。 「Sカレルート」に進むと、湊はちょっと強気で、若干腹黒いヤツになります。 ヒロイン咲希に対しても、ちょっとグイグイ攻めていくような感じ。 一方「Mカレルート」では、湊はヘタレになり、色々と戸惑いながら咲希と向き合っていくことに。 これは私の感想ですが、個人的には「Mカレルート」の湊のほうが親近感が湧きまして、そちらのルートのほうから攻略していきました。 各ルート(Sカレ、Mカレルート)に入ってからも、選択肢は出てきます。 もちろん、その選び方でバッドエンドになってしまったり、ちょっと試行錯誤を余儀なくされる部分はあるのですが、プレイ中にいつでも見られる「フローチャート」があり、自分がいま、このチャプターのどこまで来ているのか? どの選択肢を選んだのか? そしてそれはバッドエンドへの選択肢なのか? といった情報が一目でわかるようになっています。 また、「トゥルールート」へ行くための選択肢を選ぶと、「音」がなります。 ですので、フローチャート、そして選択肢の「音」をたよりとすることで、プレイの難易度はグッと下がります。 とはいえ、「前のチャプター」で正しい選択肢を選ばないと、それ以上先に進めないということもあったので、場合によっては、かなり前の段階から選択肢を選び直さないといけない、ということもあると思います。 「詰まったら、それ以前のチャプターからやり直す」というのが、コンプリートのヒントになるかと。 ちなみに、私はMカレルートの、チャプター4で詰まってしまって、ずいぶんそこで時間を使ってしまいました。 さて、本作のいいところの1つは、「男性がプレイしても全然楽しめる」というところでしょう。 何しろ、主人公(つまり視点人物)は男の子なのです。 そして、ヒロイン咲希はとても美しい。 ストーリー的にも、湊が、咲希の不可解だったり、不思議な行動に頭を悩ませる様子がとてもリアル。 男の子が恋におちる、ってまさにこういう時ですよね。 「こいつ何考えてんだろう?」とか考えだしたらもうダメですねw 相手に対してイライラしたりする時もあるんだけど、相手のことを「知りたい」、「理解したい」と思ったら、もうその時には完全に恋におちてる、と言ってもいいでしょう! ま、それはともかく、そういう甘酸っぱい恋愛のフレーバーもしっかり効いていて、男性向けの恋愛ゲームとして楽しむことも十分可能だということです。 そうそう、Sカレルートでも、Mカレルートでもトゥルーエンドを見ると、「咲希視点」からも物語を見ていくことが出来るので、女性も安心してプレイしていただけます! この咲希視点では、クールで控えめな印象を持つ咲希のイメージがかなり変わります。意外と普通の女の子っぽいところがあったり、妄想癖があったり、ちゃっかりしてたり……。 けど、人間ってそんなもんで、そういう咲希もまた魅力的なのです。 もちろん、ただ甘酸っぱいだけの恋愛で終わらないところも、本作の大きな特徴でしょう。 たとえば、湊が「高校デビュー」であることをひた隠しにしている、という前提があって築いてきた交友関係とか、咲希の「過去」や、その過去によって現在も縛られている状況とか、恋愛の背後には、色々な文脈があり、物語に深みを与えています。 で、逆に気になった点の1つはそこにあります。 というのも、恋愛が成就すると、背後にあった文脈に対するフォローがあまりないまま、物語は終わってしまうのです。 咲希にしつこく言い寄ってくる男や、嫌がらせをしてきた女子、あるいは湊のバレてしまった「高校デビュー」など、二人を取り巻く問題はまだ残っているはずなのですが、そこはほとんど触れられないまま、物語が終わり、アフターストーリーでもフォローはあまりありません(ただ、いわゆる悪友ポジションの悟士は、以前と変わらず湊に接してくれていることはわかります)。 ほんの少し、その点フォローの文言があるだけで納得感が大幅に増したと思うので、そうした周囲の状況も含めた形でのハッピーエンドが見たかったかな、と。 一昨年辺りから、「最近、女性向けゲームが凄い」と、私は言い続けているんですけど、そういう女性向けゲームの凄さや、盛り上がりを体現してくれているような作品でした。 本当にクオリティの高い作品です。 一応、女性向け、乙女ゲームというくくりではあると思うのですが、男性がプレイしても楽しめること請け合い。 是非、遊んでみてください。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2016-01-04 14:13
| サウンドノベル
|
Comments(2)
Commented
by
Low
at 2016-01-04 16:33
x
いまだ「フローチャート」を見ておりません。
まあ もう読了後だし・・・ ビジュアル とても良かったです。女子って小柄でかわいいんもんだなあと 再認識しました。(バランスのいいLLな子も好きですが・・・)
0
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by
s-kuzumi at 2016-01-09 21:26
>>Lowさん
おお……。 私は逆に「フローチャート」を見ないと、コンプリート出来ませんでした……。 小柄で可愛い女子もいますけど……っていうか、本作に出てくる女子が素敵すぎる んだと思いますw 実際は、咲希のような人ってめったにいませんからねw 逆にだからこそ、こうし た恋愛要素のある作品が楽しめるってことでもあるんですがw |
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