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久住女中本舗

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2007年 07月 03日

『マリア様がみてる』「フレーム オブ マインド」雑感

久住です。

いまさらですが、『マリみて』の新刊、「フレームオブマインド」の感想というか、そういうものでも書いてみよう、とおもいます。


前の巻(「あなたを探しに」)までは、瞳子ちゃんと祐巳ちゃんが、全然姉妹宣言をしないまま、ズルズルと何やらやっていました。
正直、かなりじれったくて早く姉妹宣言なり、なんなりをして欲しいと切に願っていたのです。

そして、新刊発売のニュースが。
「今度こそやっと、瞳子と祐巳ちゃんの間に決着が!」と期待していたのですが……。

何と、短編集だったんです。

もう発売されてますから、みなさんご存知ですよね?
けれども、新刊が短編だった、ということで、もう失望を通り越して怒りまで覚えていたのです。


「なぜ、瞳子と祐巳ちゃんの問題をここまでズルズルと延ばすのか?」
「なぜ、このタイミングで短編集なのか?」
「もっと、姉妹同士の甘やかな関係がみたい!」


と、そんなことを考えて怒っていました。
ただ、朗報もまたあったのです。

表紙に武嶋蔦子さんが出る、というのです。
彼女は『マリみて』の世界では所謂一つの「脇役」なのですが、高校生とは思えない程に老成していて、とても素敵で、味のある良いキャラなのです。
「フレームオブマインド」の「フレーム」が示す通り、写真部のエースたる蔦子さんにスポットを当てた一冊(実際には短編の「のりしろ」部分での、メインキャストといった所ですね)、という事で、激昂したわたしの気持ちも少し落ち着いてきました。

それでもやはり、少し「本編の方が進んで欲しい」という気持ちがあった事は事実です。

しかし、「フレームオブマインド」読了後、わたしは自分の浅はかさを呪うのでした。
これは凄く良い短編集だったのです。

特に良かったのは、

「三つ葉のクローバー」
「不器用姫」

の二作品。
本編でのメインキャラは全然出てこないのですが、

「女の子の数だけドラマがある」

というものを、まざまざと見せつけてくれた、作品です。
敢えて、選ぶならやはり「不器用姫」が一番好きですね。

こういう事っていうのは、意外とあるものです。
もちろん、女の子同士でなくても、男女間でもありますよね。
最初に読んだときは、ちょっと志摩子さんが押しつけがましい感じがしたのですが、ラストの伏線になっていたんですね。

決してハッピーエンドではないけれども、妙に心に残る、そんな作品でした。
最後の最後での蔦子さんのセリフは最高です。

さて、次こそは本編ですね。
こんどこそ、瞳子と祐巳ちゃんの仲が、ちゃんと落ち着きますように。

by s-kuzumi | 2007-07-03 11:23 | 読書 ライトなノベル | Comments(0)
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