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久住女中本舗

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2007年 07月 10日

『武家の女性』 山川菊栄著 岩波文庫

こんにちは、久住です。

『武家の女性』の読了記録です。
またしても岩波文庫ですね。岩波文庫の青色シリーズは意外と面白いものが多いんですよ。


さて、『武家の女性』ですが、著者の母君である千世の思い出を著者が纏めて執筆した、という趣の本です。
幕末の水戸藩の武家の日常生活などを知ることが出来ます。
当サークルのもう一人のメンバーの母方の先祖が、水戸藩の礼儀作法指南を行っていた家柄だそうで、彼もこの本に興味を持ったみたいです。


『武家の女性』と銘打ってあるのですが、けっして「女性」という切り口だけに留まらず、「武家の生活」全体を描いているかんじです。家は女性が支えていたのですから、女性を切り口にすれば、必然的に武家の生活そのものを描くことになるわけです。

第一章の「お塾の朝夕」は特に興味深く読みました。
藩士の中には自宅で塾を開き、藩士の師弟たちを教育する場があったそうです。
子供達は、朝まだき寒いさなかに塾に、我先にと訪れて漢文の素読や習字の稽古をしたらしいのですが、子が多い家庭では武士とはいえ、懐具合が寂しいもので、なかなか下の子達までに教育をおこなう事が出来ない状況があったようです。
しかし、塾の先生は、そういう家庭には文房具を贈り、塾に通わせるように説得したとのこと。

こういう描写をみると、とても当時の日本は教育への意識が高かったことがわかりますね。
子供達は、この塾が終わると、今度は剣の稽古へと向かうわけで、今の学校と同じくらいの時間、勉強や体育をおこなっていることがわかります。

師弟間の絆も深く、互いに信頼関係を築いていたこともわかります。
こうした師弟のあり方は、今の教育現場には足りないものなのかもしれませんね。

武家の生活とはいえ、幕末の水戸藩ですから、きな臭い事件についても描写されていました。例の天狗党とかですね。幕末に関心のある人にもお勧めできる本です。

日常生活の中での武家の生活が描かれているため、本当の武家の姿がよくわかります。
江戸時代の入門書として読んでも面白いかもしれませんね。

by s-kuzumi | 2007-07-10 11:04 | 読書 一般図書 | Comments(0)
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