2007年 07月 10日
俺です。 最近のマイブームは、久住と大量の本を読むのを競い合う事です。 何の為かって?勿論、ブログを更新する為ですよ! 同人サークル(活動実体はゼロ。このブログのみ)のクセに、何をやってんだい、って感じなんだけれども、それはしょうがない。お互い絵が描けないし、本は好きだし……。まぁ、雌伏の時って事で一つ宜しくお願いします。 俺達は結構本を読んでいます。 そもそもお互い、一般の人に比べても少し、本を買う頻度=読む頻度が高いと思われるので、本気を出すと、一日一冊じゃたりなくて一日二冊とか、三冊とかになってしまいそうで、ちょっと恐いです。いや、今の所は一日一冊ペースくらいかなぁ? 久住は、最近妙に「岩波文庫の青シリーズ」に凝っていて、それっぽい本を毎日買っているようです。彼女がそういう真面目傾向の本で行くのなら、俺はライトノベルを! そう思ったんだけどもね、岩波文庫の青シリーズは過去刊行分のストックが沢山あるのよ。けど、ライトノベルは岩波文庫ほど歴史がないわけで、ストックの絶対量が少ない。 つまり、自分が興味を持って読む事の出来るブツが、必然的にかなり限定的になってくるってわけです。 で、今日は俺の大好きな「小林めぐみ」先生の新刊が出たので、早速本屋に行って仕入れてきました。 小林めぐみ先生と俺について、少し語らせて下さい。 以前、小学校の読書感想文で、ただ一人ライトノベル(『ロードス島戦記』)で感想文を書いた俺は、当然の様にスニーカー文庫だけじゃなくて、富士見ファンタジア文庫にも手を伸ばしていたものです。そうさねぇ、当時流行っていたのは、例の『スレイヤーズ』とかかなぁ? 当時の俺は、本を手にとって、表紙を見て、後書きを見て、著者紹介を見て、自分に合う/合わないを判断する、なんて高等技術が無かったんだわ。 だから、兎に角買う。買う。買う。 勿論、父上様の百円玉を溜め込んだ洋酒の瓶から、五枚乃至六枚百円玉を失敬して、ですが。だって、当時お小遣いって月に1000円とか1500円とかだったしね。 確か、デフォルトで1000円。家事手伝いを勤勉に一月の間行うと500円追加されて、1500円だった。 だけども、その1500円を丸々、本(ライトノベル)に注ぎ込むことが出来るかってーとそれは又違って、1000円は「スーファミソフト購入費」として積み立てて、残りの500円を日常生活で使う、というスタイルでした。つまり一年経ってやっとスーファミソフトが一本購入出来るって計算ですな。勿論500円だけだと、本を一冊買う事も出来ないわけですから、父上様の洋酒の瓶にご登場願おうって事です。 そんな折りに、富士見ファンタジア文庫にて、小林めぐみ先生の本を購入。 一気にはまりましたわ。何て謂うか今まで読んできたファンタジーとは明かに異質な手触り。ファンタジックな世界で在りながら、非常にリアリティのある文章・描写。 兎に角、雰囲気が凄く好きだったんですな。当時の俺からしてみれば妙に「オトナっぽい」感じだったのです。 けどもね、当時の小林先生のご年齢はまだ10代だったり20代前半だったりして……。 今、俺は小林先生の既刊本は殆ど持っているのだけども、どうしても入手出来ない初期の富士見ファンタジア文庫のものとかもあるんだよねぇ。 いや、昔持っていたんだ。だけれどもどこかに消失してしまった。きっと母上様が、「部屋を整理する」という名目の下で、勝手に俺の部屋に闖入し挙げ句、目に付いたライトノベルの類を始末してしまったものと思われる。何て非道いんだ。 っと、そんな事はどうでもいいんだった。 兎に角、俺は幼少の砌から小林めぐみで育ってきたってわけだ。 小林先生は、富士見ファンタジア以外に、角川スニーカー文庫でも執筆をしていたわけだが、俺は個人的には、角川でリリースされる作品よりも富士見で出版される作品の方が好きなんだよなぁ。ま、尤も元々富士見は角川の子会社で、近年完全に合併しちゃってるわけで。 んで、小林作品の中で、俺が近年まれに見る程、嵌っていたのが、今回紹介する『食卓にビールを』シリーズ。 ちなみに富士見ミステリー文庫ですよ。ちなみに富士見ミステリーだと他に『GOSICK』なんかが面白いですな。いや作家は違うけれども……。 この『GOSICK』も一巻が出た時点から、目を付けているのですが、もうちょっとしたら絶対に流行ると思うんだよなぁ。内容自体は、まぁ良くありがちな感じなんだけども、何故か惹かれるものがあります。自慢なんだが、俺が「何か」を感じる作品は大抵流行るんだよ。特にライトなノベルの方では。けど、「何か」があるって、やっぱりみんなが思うから、流行るんだろうなぁ……。 また大幅に脱線してるので、話を戻すと『食卓にビールを』は実は今回の六巻目で最終巻となってしまいました。 非常に残念。俺はもの凄くレンジの狭いSF好きでもあるので、小林先生のバックグランドが遺憾なく発揮されているこういうSF作品(?)は大大大好きなのですよ。 『食卓にビールを』シリーズは、別名「幼妻シリーズ」と申しまして、女子高生にして26歳の夫を持つ、我らが主人公が、日常生活の中で宇宙人やら不思議な現象やらにさり気なく巻き込まれていく。というのが筋立て。 ポイントは「さり気なく」です。超常現象が起きようが、ブラックホールが生成されようが、我らが主人公は「のんびり」「まったり」しつつ、事件をズバッと解決してくれます。 日常生活が、いつの間にか超常的な世界にすり替わってしまい、大量の正確な科学知識が活かされているというのはアーサー・C・クラークの短編に近い感じですね。『白鹿亭奇譚』とかね。 俺は、『食卓にビールを』シリーズは、現代日本の『白鹿亭奇譚』だと思っているのですよ。 けど、ハリーは出てこないし、アーサーだって出てこない。出てくるのは幼妻たる主人公と、主人公の夫。あとは主人公の所属する文芸部とかの面々が、所謂レギュラー要因で、後は一回ぽっきりのゲスト宇宙人とか。イラストも可愛いしね。 『白鹿亭奇譚』のオイシイ所を取って、現代日本のライトノベルのオイシイ所を組み合わせると、『食卓にビールを』になると俺は思うね。 まぁ、最終巻とは言え、今回も飛ばしてますよ。 宇宙の大王の正体が「宇宙マイクロ波背景輻射」だったり、こういう科学知識が最高のスパイスになっていますな。 読者の距離っていうのかな?そういうのがまた巧みでさ、物語の中に読者がどっぷり浸かり込むっていう感じじゃなくて、ちょっと離れたところから観客として見ている感じ。 それが、一見荒唐無稽なSFコメディにぴったりなのです。 科学知識が使われてるからって、別に予備知識としてそういうのを持っていなくちゃ駄目って事じゃないよ。俺も全然わかんないもん。文系ですし! ちょっと面白くて、センスのあるSFを読みたい人は、是非是非読んでみて下さいな。自信を持って推薦します。 一応1~6巻まであるから、結構な時間楽しめるんじゃないかな! そうそう、最後に一つ。 表紙がね、微妙にパンチラが……。
by s-kuzumi
| 2007-07-10 19:08
| 読書 ライトなノベル
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