人気ブログランキング | 話題のタグを見る

久住女中本舗

kuzumi.exblog.jp
ブログトップ
2007年 07月 25日

フリーサウンドノベルレビュー 『雪花 -きら-』

フリーサウンドノベルレビュー 『雪花 -きら-』_b0110969_1823631.jpg

今日の副題「脆くも優しい日本の吸血鬼」


ジャンル:古都+女の子+吸血鬼
プレイ時間:30分程度
その他:18禁。18歳未満の方はプレイをお控え下さい。


道玄斎です、こんばんは。
今日は中編程度の大きさの作品です。しかも18禁。

さて、さっそくレビューへと移りましょう。
tinsmith」さんの『雪花 -きら-』です。


良かった点

・古都の町並みや、幻想的な雰囲気作りが巧みだった。
・立ち絵・一枚絵がなかなか可愛い。更に儚さもあって作品にマッチしていた。
・音楽(オリジナルなのかな?)が主張しすぎることなく、作品に合っていた。


気になった点

・既読文章を読み直せないのは良くない。ついクリックして先に文章を進めてしまうと非常に困る。
・ラストの演出があまりにも冗長。
・スタッフロールが終わると共にゲームが強制終了してしまう。これはバグか?
・釈然としないラスト。


では、詳しくみていきましょう。
本作は、吸血鬼モノの系譜に連なる作品、という事になるのでしょうか。
一人の青年が少女と出会い、「夜だけ友達」になり、仲を深めていく、というのが作品概要。

作品の雰囲気は非常に良いです。
古都を思わせる町並みや、関西弁の女の子。そしてそこにやってくる標準語を話す青年。
そして、「夜の間だけ」舞子と斗一は友達となり、公園で話しをするようになるという設定は、非常に面白いですし、興味をそそります。

しかし、何て言うか、公園での逢瀬(?)が殆ど描写されない為、話の展開がどうしても急に思えてしまいます。
吸血鬼である舞子の「夜の間だけ友達になって」という願いが込められている場面ですので、この夜の逢瀬に、もう少しスポットを当ててみても良かったのではないでしょうか。
二人の心の交流といいますか、そうしたものが描かれていない為に、18禁なシーンを含め、その後の二人の関係に感情移入が出来ませんでした。

又、ラストでは、舞子は朝日を浴びて自ら死んでしまうわけですが、その演出があまりにも冗長でした。一字一字ゆっくりと舞子のセリフが真っ白な画面に表れていく、という演出自体は良いのですが、いくらなんでもあのテンポは遅すぎです。
ラストのほんの数行分のセリフだけで3~5分くらい使っているような……。
そこが作品のクライマックスで、最後の見せ場なのは分かりますが、もう少し読者に配慮した演出があっても良かったのではないでしょうか?

恐らく、本作は、丁寧に二人の関係を描いていったらかなりの良作になったはずです。
夜の逢瀬が、その二人の関係やその進展具合を「読者に分からせる」良い装置でしたが、活かされていないのは残念でした。

ちょっと辛口になってしまったので、少しフォローをしますと、イラストがかなり可愛いです。
俺はこういうタイプの子好きですね。まぁ、『マリア様がみてる』の二条乃梨子みたいな感じですな。全体的に古式ゆかしい独特の雰囲気が出ている作品ですので、そういうのに興味を持った方はプレイしてみると良いかもしれません。

今回も、ちょっと「惜しい」タイプの作品でしたね。
雰囲気作りやイラストのクオリティ、テキストは高水準であるのに、実は作品のキモである部分を端折ってしまった為に、消化不良になってしまった、という感じです。

作者の「tinsmith」さんはかなり長い間、サークル活動を休止なさっているようですが、本作を越えるような次回作がリリースされる事を、期待しております。

by s-kuzumi | 2007-07-25 01:30 | サウンドノベル | Comments(2)
Commented by ゆき at 2011-01-09 00:47 x
こちらのゲームをプレイしたいのですが、DLのリンクがきれちゃっててDLできませんでしたll もしお持ちでしたらこぴーしてもらえませんでしょうか?
Commented by s-kuzumi at 2011-01-09 01:37
>>ゆきさん

えっと、私も今確認してみたのですが、確かにリンクが切れちゃってますね……。

ファイル自体は持っているのですが、流石に私が再配布する……というのはやり過ぎだと思いますw

ただ、サイトの方にはMail Formもありますので、そちらで作者さんにメールを送ってみてはいかがでしょうか?

あまりお役に立てずに申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
名前
URL
削除用パスワード


<< フリーサウンドノベルレビュー ...      フリーサウンドノベルレビュー ... >>