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久住女中本舗

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2007年 08月 03日

頼政射怪鳥事

道玄斎です。こんばんは。

今日は、某都心部のデパートの古書市に寄ってきました。
で、あの鵺退治で有名な「源頼政」別名「源三位頼政」が書いた古筆切を購入。

尤も、「伝頼政筆」なので、信憑性はアレなんですが……。
お値段は、これがもし本物の頼政筆であったら、大変お値打ち価格でした。

ちなみに書かれている和歌は『古今集』の仮名序の黒主の和歌です。

気になる点が何点かあります。



①気になったので、Googleで調べて他の「伝頼政筆」のものと見比べてみたのですが、どうにも他の「伝頼政筆」のものと書体が違う気がする。

②和歌の下に作者を示す「志賀黒主」という書き込みがある。
調べてみると、鴨長明の『無明抄』にて、黒主が「志賀で没した」という記事が見え、中世期に流布した伝説の類である事が分かり、それに準拠する形で「志賀黒主」と書かれているものと推測される。
しかし、『無名抄』が書かれたのが1212年の『方丈記』と同時期である事から、1180年に没した頼政がこの伝説を知っていたのか疑わしい。

③古本市は、今日で二日目である。一日目に専門家が押し寄せてめぼしいものは購入している筈なので、二日目にあの「頼政」のものが残っている、というのは、専門家からみて頼政真筆でない可能性の方が高い、と判断されたからではないか。



考えれば考える程に、偽物の気配が……。
いや、けれどもこういうのは正体を見極めずに「伝頼政筆」という夢を大事にした方がいいのかな、なんて思ったり思わなかったり……。

ま、深く考えずにコレクションとして持っておこうっと。
画像を載せてもいいのだけれども、詳しい人が「偽物だ!」って言ってくるとちょっときまりが悪いので、敢えて載せずに。
気が向いたら、画像をアップロードするかもしれません。

by s-kuzumi | 2007-08-03 20:57 | 日々之雑記 | Comments(0)
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