2007年 08月 19日
今日の副題 「君がいれば僕は幸せ」 ジャンル:神戸を舞台にした、地域振興型純愛AVG プレイ時間:30~40分程度 その他:選択肢アリ、かなり到達が難しいハッピーエンドも。 システム:1.27MB 製作年:?/?/? 容量(圧縮時):1.27MB 道玄斎です。こんばんは。 ここ数日、例の『Bye』をプレイしてへとへとなんですが、今日もだめ押しにもう一本。 いや、最近ですね、アクセス数を見ると随分増えたなぁ、と。まだブログという形式でレビューを始めて一月も経っていないのですが、頑張ってプレイしてレビューを書けば書くほどにアクセス数が上がるのは、大きな励みになっています。 さて、今回はいままでとある個人的事情からずぅっとプレイしなかった「JAM工房」さんの『ハーバーランドでつかまえて』です。 良かった点 ・短い作品だが、良くまとまっている。 ・最近では選択肢の無い一本道の作品が多いが、小粒で尚かつ選択肢が沢山ある、古き良き時代(?)の初期衝動みたいなものを思い出させてくれる。 ・思わず引き込まれるタイトル 気になった点 ・やっぱりCGw 味わいのある絵柄なんだけれども…… ・ハッピーエンドに辿り着く為には「神戸への理解」を示していかなければならないw ・場面が切り替わる際に、ウェイトが掛かってしまう。 ご存知の方も多いかと思いますが、本作は、フリーサウンドノベルの中では古典的な名作ですね。レビューをお書きになっている方のサイトを見れば大抵、この作品のレビューを目にするはずで、それだけ多くの人に親しまれている作品と言えます。 しかし、私はどうしても今日に至るまで、本作をプレイしよう、という気にはなりませんでした。 非常に個人的な事情で恐縮なのですが、私自身あまり神戸に対して良い印象が無いからなのです。本作の主人公売人さんは「関西」「関西弁」が駄目なタイプでしたが、私はピンポイントに「神戸」が駄目なんです。 話せば長くなるので、あっさりと話しますとまぁ、神戸出身者で非常に嫌いな人がいるというか、そいつによって人生設計を狂わされたというか。まぁ大げさに話しているわけですが……。 だから、プレイした後に、神戸がちょっと好きになるかもしれない、という宣伝文句の本作に対して、「俺は神戸なんて好きにならねぇぞ……」と意固地な気持ちでプレイを拒絶しつづけてきたわけです。 しかし、フリーサウンドノベルに関して野望を持っているw 私としては、ここらで食わず嫌いを無くしてみようと珍しくも前向きな気持ちで、プレイしたみたのでした。 ストーリーを、サイトの方から転載しておきます。 異常なまでに関西弁が嫌いな主人公・沢村亮人 しかし彼は仕事が認められ本社に栄転・・ その本社は彼の嫌いな関西弁が横行する神戸だったのだ!! しかし転勤初日、彼は一人の少女と出会う・・・ 短い作品なので、特に凝った設定やストーリーラインがあるわけではありません。 が、やはり丁寧に作られていると思います。 作品全体から、ちょっとあか抜け無さを感じさせるのですが、そこが又本作の魅力なんですよねぇ。 決して否定する訳じゃないのですが、今のフリーサウンドノベルは洗練されすぎてしまっていて、初めてフリーのサウンドノベル作品をプレイした時のような、作者も読者も手探りのあの感触が薄れてしまっているのも事実です。 昔、フリーのサウンドノベルは、ホラー系がやはり多かった気がします。そうすると選択肢が凄く多いんですよね。ちょっとした選択のミスがバッドエンドに直行したりと、あの冷や冷や感も醍醐味の一つでした。 私が、特に気に入っていた作品は『柵の淵』という作品でして、最近チェックしたら作者さんのサイトが消失していました。ベクターの方ではまだダウンロード出来るので、是非機会があればこちらの方も。 ちょっと脱線してしまいましたね。 本作は、小粒ながらも選択肢が多く、昔の(と言ってもせいぜい5~6年前)ゲームの感触を今に伝える作品となっています。 今プレイしたからこそ、本作でそうした「懐かしい手触り」を感じる事が出来ました。 先程も書きましたように、洗練されすぎて、「プロなんじゃねぇ?」ってな作品も多いですし、実際にプロのライターの方が作品を創ったり、という事もあります。 けれども、本作には古式ゆかしい「手作り感」が息づいていて、とても懐かしい感じがしました。 正直な感想を述べれば、もっと早くプレイしなくて良かったなぁ、と。 今の自分が読む事で楽しめる要素が多かったわけです。色んなフリーのサウンドノベルをプレイした今だからこそ、この作品の真価が分かる気がします。 作品は、普通に面白いんです。 「関西嫌い」が関西で生活する、なんてアイデアもいいですし、サリンジャーをもじったタイトルもなかなかのモノです。 意外と、タイトルって重要だと思いませんか?上手なタイトルを付ければ、「取り敢えずプレイしてみようかな?」って気になったり、或いはその逆もありますよね。 そういう意味でも、本作が「初期フリーサウンドノベルの秀作」として有名なのが分かる気がします。 ただ、選択肢ではやっぱり「神戸寄り」の回答をしていかないと、ハッピーエンドにはたどり着けないという多少の理不尽さは感じます。私の性格が悪いだけですか?w ちなみにCG……。 正直、あまり上手な絵柄とは言い難く……w いや言い訳がましいけれども、味わい深い絵柄なんですけどもね。頭から国旗が生えちゃってる「取引先の人」とかかなり面白いのですが。 ヒロインであるトモのキャラクターや、会社の同僚や上司も絵柄はともかく、嫌味がなくて良いキャラクターメイキングだと思います。 今から見ると、あか抜け無さが気になるかもしれませんが、本作が、初期のフリーサウンドノベルに於いて、「これより面白い作品」とか「これよりつまらない作品」とか、一つの基準となっていた事は事実です。 新作のゲームをプレイする合間に遊んでみて、忘れかけたあのころの記憶を取り戻してみては如何でしょう? え?プレイして神戸が好きになったかって? んー、何とも言えないですねぇ。けれども、食わず嫌いは良くないな、ってのと、「好きな人の居る場所なら好きなれる」って思いましたよ? ちなみに、HPの方はもう六年ほど更新されていないみたいです。 Vectorや、HPにファイルが置いてあるのですが、いつなくなるか分からないので、ダウンロードはお早めに。 又、HPを見ると書いてあるのですが、Windows2000でプレイすると(恐らくXPでも)エンディングのスタッフロールでエラーが出る事があるようです。 私自身、2000でプレイしていてエラーが出ました。修正ファイルがHPの方からダウンロード出来ますので、そちらも併せてダウンロードしておくと良いでしょう。
by s-kuzumi
| 2007-08-19 03:39
| サウンドノベル
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