2007年 09月 19日
道玄斎です、こんにちは。 ちょっと今、本ブログを「提出」しております。 つい先程、提出致しました。 だからと言って別にブログが無くなるとかそういう事ではないので、ご安心下さい。 さて、先日『甲骨文字の読み方』なる新書を読みました。 非常に面白い本でしたね。 漢字の成り立ち、なんてものは小学生の頃にちらほら勉強した記憶はあるのですが、漢字の元祖である「甲骨文字」から現代の漢字を見ていく、という視点はやはり面白いものがあります。 大きく姿が変わってしまったもの、或いは殆ど姿が変わらないもの、様々な漢字の変遷があるわけです。 現代中国では簡体字がメインとなっている為に、実はオリジナルに近い「漢字」は我々の使っているモノだったりします。 特に興味深いと思ったのは、「書き順」に関してです。 良く書き順で話題となる「右」「左」というのは、本を正せば、「右手」「左手」を表したものだそうで、親指と小指を表す線を先に書く、というのが甲骨文字のルールという事でした。 因って、「右」という漢字では、甲骨文字の親指と小指を示す線が「ノ」の部分である為に、これを第一画目とし、「左」では「一」なので、これを第一画とするようです。 意外とこういう所から、学んだ方が書き順は忘れなくて良いかもしれませんね。 尤も、小学生には難しいのかもしれませんが。 余談なのですが、漢字絡みで思い出した事があって、もうちょっと書かせて下さい。 昔、中国から来た留学生とコミュニケーションを取らなければいけない事があったんですね。 向こうは日本語が上手くしゃべれない。こちらは中国語がしゃべれない。 こういう状況だったのですが、私は「漢文」を使う事で何とかコミュニケーションを取ることが出来ました。 漢文は昔随分勉強して、『大漢和辞典』なんて購入してしまったくらいなので、それなりに私は書く事が出来たんですね。 そうは言っても『史記』だ『論語』だっていうのは、非常に難しく(漢文を教えて下さった先生が言うには『論語』の漢文は「方言」なので難しいと)、「読める」と胸を張って言えないのが、ちょっと悲しいのですが、基本的な文法や熟語を覚えておけば取り敢えず「筆談」する事は出来るみたいです。 単純な漢文でも、色々な話題が出て非常に面白かった記憶があります。 確か、『三国志』の話になって、その留学生が曹操の読んだ詩が非常に好きだ、との事でその詩を書いてくれたんですよね。そのくらいの詩ですと意味は分かりますので、会話(筆談)が弾むわけです。 我亦以為其曹操ノ詩大秀。 とか、書いたりしてw これが完全に正しい漢文かどうかは分からないのですが、ちゃんと伝わって、なんだか凄く嬉しかったですねぇ。 そういえば、漢文といえば高校とかで、半ば無理矢理「訓み方」を強制させられるわけですが、漢文は、結局の所「中国語を日本語で読む技術」に他ならないわけで、実は「訓み方」(読み方)は或程度自由が効くそうです。 明治期に、各流派が集まってスタンダードな訓み方を定めたとの事ですが、独自の読み方も許容されており、そういうちょっとスタンダードから外れた訓み方をすると、格好いいんですよね。 それはさておき、その留学生が丸々一年くらい日本に居て、日本語が上達した後で言われた事は「最初にあなたが書いた文章は、古代人が書いた文章みたいで変な気分になった」と。 それもその筈で、漢文は「中国古典語」なんですよね。 だから、例えば、アメリカ人でもイギリス人でも誰か他の国の人と筆談した時に、その外国人がおもむろに「曹操が文はいとおかし」とか書くのと同じだった、という事でした。 あんまり、漢文なんて日常生活には訳に立たないけれども、知っていて損はないし、こういう事も起こるのでちょっと面白いですよね。 『甲骨文字の読み方』には、漢文の読み方なんかの講座もついているので、興味のある方は是非お手にとってみて下さい(新書ですから、気軽に買えますよ?)。
by s-kuzumi
| 2007-09-19 14:28
| 日々之雑記
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