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久住女中本舗

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2007年 09月 26日

フリーサウンドノベルレビュー 『風雲相討学園フラット』 

フリーサウンドノベルレビュー 『風雲相討学園フラット』 _b0110969_1932083.jpg

今日の副題 「みんなで遊ぼう!サウンドノベル」

※今回から、大吟醸・吟醸・無印の三段階評価にしようと思います。
ただ、今後、この評価の名前を変更する可能性もありますので、ご了承下さい。一応、弁明しておくと、無印でもレビューとして取り上げる以上は「お勧め」の作品です。その中で、特に気に入ったものに関して大吟醸・吟醸としておきます。
ほら、別に吟醸酒じゃなくても、美味しい純米酒っていっぱいあるしね。無印は純米酒だと思って下されば。まぁ、長々書きましたが、そういうような観点で評価を付けている、と考えて貰えれば幸いです。


※大吟醸
ジャンル:学園ギャグ恋愛(?)
プレイ時間:一ルート一時間程度。
その他:ヒロインは六人。全員を攻略すると、番長シナリオがプレイ可能。番長シナリオもヒロインの数だけ、ルートがある。本レビューは「完全版」でプレイ。



道玄斎です、こんばんは。
結局、評価は考えた末に「大吟醸・吟醸・無印(純米)」の三段階にしました。最初は「推奨」とかも考えたのですが、それにしちゃうと「無印は推奨出来ねぇのかよ」とか思われちゃうと厭だったので、純米酒でも旨いものは旨い!という観点から、お酒の評価みたいにしちゃったわけですw

さて、今回は、「相討ネガティブギャング」さんの『風雲相討学園フラット』です。
これも以前にプレイした作品ですね。完全版が出る以前からプレイしていて、非常に楽しくプレイ出来た記憶があります。
良かった点

・抜群のテンポの良さ。一ルート一時間くらいだが、体感時間は遥かに短い。

・「たたみかけモード」のお陰でメリハリやゲーム性が確保されている。

・個性的なキャラクター達(個性的過ぎるかもw)。

・実はまともなストーリー。思わず感動出来る場面も。


気になった点

・多少、無茶な展開が(それが魅力ではあるのだけれども)。

・音楽などにもう少し拘りがあったも良かったかも。

・番長シナリオをプレイしなければ、少しヒロインとの交流が薄い、と感じるかも。

ストーリーも引用しておきましょう。
転校生「境 不可止」君となって
人格破綻者美少女ぞろいの相討学園で
学園生活を堪能してください。

こんなストーリーです。
兎に角、プレイヤーは境君になって、2年J組(通称:地獄組)に編入します。
この異常者揃いのクラスで、特定の女の子と仲良くなっていく、というのがメインの流れ。

まぁ、なんといってもテンポがいいですよね。
だらだらした文章がないので、気持ちよくゲームを進めていく事が出来ます。サクサクとお目当てのヒロインのルートにたどり着けるのも大きな魅力。
あんまり、ルートに入るのが難しいとダレてしまう事があるわけですが、どのキャラも比較的固有ルートに入りやすいので、軽快なプレイを妨げられる事はありません。


さて、本作品で特筆すべきなのは、やはり「たたみかけモード」でしょう。
女の子との会話中に「会話をたたみかける」事により、大幅な好感度アップが狙えます(失敗すると大幅ダウン)。
本作品の面白い所は、各ヒロインの主人公に対する「好感度」がばっちり表示されている点ですね。普通の恋愛シミュレーションゲームだと、こうした好感度は内部に蓄積されていくもので、プレイヤーの目に見えるものではありません。
それを敢えて表示した事で、選択肢を選んでいくというゲーム性が上手に表に出てきている、という印象です。
そうしたシステムに加えて「たたみかけモード」による会話のたたみかけ。自分の選んだ選択肢によって上下する、女の子の好感度を見て一喜一憂出来るゲーム性がそこにはあるのです。

本作を今回改めてプレイして思ったのは、「これ、一人で遊ぶんじゃなくて、友達なんかと遊んだら楽しいんじゃないかな?」という事。
こういうノベルタイプのゲームは、まぁ基本的には一人でパソコンに向かいつつ遊ぶのが王道(?)だと思うのですが、ゲーム性が多分に出ている作品なので(特に「たたみかけモード」の時に)、友達なんかと「ここは、この選択肢だろう?」なんて言いながらプレイしたりすると楽しいかも。
そうやってわいわいと遊んで、それでバッドエンドに行っちゃってもそれはそれで、いいじゃないか。バッドエンドに行ったとしても既読スキップがちゃんと付いているので、もう一度あれこれ相談しながらプレイしたり、ね。


システムを含めた楽しさに関してはこれくらいにして、次にキャラクターについても語らねばなりません。
ヒロインを含め、登場人物はみんな超個性的。名前からして「宮本キンバリー」とか「犬飼よしこまちこ」とかだったり……w
偽中国人の「田ノ中蘭蘭」や、その父「ラ・王」とか……。凄いテンションで披露されていく、キャラクター達。一種の突き抜けたエンターテイメント生というか、そういったものを感じます。
ただ、ちょっとアクの強さもあって、苦手な人は苦手かもしれませんね。

各ヒロインのシナリオは、実は意外とマトモ。
それぞれ抱えている悩みなどを「たたみかけ」て仲良くなっていき、最終的には恋人になるわけですが、意外と深刻なシナリオもあったり、バラエティに富んでいます。
個人的に好きなヒロインは、黒岩さんと辻斬さん、そして笹原さんかな。性格的には辻斬さんが一番好きで、ビジュアル的には笹原さんかも……。いや、黒岩さんも大好きですよ??

シナリオ自体では、意外と宮本キンバリーのシナリオが好きです。
ラストの辺りで、キンバリーが境君の下駄箱に入れる手紙。あれがいいですよねぇ。ああいうのに弱いんですよ……。ちょっと『ONE~輝く季節へ~』のみさき先輩シナリオに似てるかも。


イラストも美麗。
立ち絵と一枚絵が微妙に雰囲気が違うものの、非常にハイクオリティな絵が付いており物語を盛り上げてくれます。

本編をプレイして気になった点は、少しヒロインとあっさり恋人になりすぎなんじゃないかな?と。転校後三日だか四日くらいで恋人になってしまうので、違和感を覚える人もいるかもしれません。
その意味でもう少し、お互いがうち解けあっていくような描写が欲しいな、と思いました。

ただ、それは「番長シナリオ」にて解消されます。
全てのヒロインを攻略するとプレイする事が出来る「番長シナリオ」。
シナリオに入る前に、ヒロインを選択する事が出来、そこで選んだヒロインと境君の本編のアフターストーリー的なものと、番長のシナリオ(そして相討学園の秘密)が絡み合ったものがプレイ出来ます。
メインは番長なんですが、本編で足りなかった「本当にお互いがうち解け合い恋人になっていく」部分が、ここで補完されるわけです。

ただ、番長シナリオにて、番長をたたみかける際には、ある選択肢を選ばないといけないんですよね。番長の妹を選ぶか、或いは2-Jを選ぶか。
折角、本編などで番長との交流もあるので、どっちの選択肢を選んでもその後の選択次第でクリアー出来るようにして欲しかったな、と思いました。

全てのシナリオを見る為には、本編の六人のヒロインと、番長シナリオを見るわけで、6+6=12回プレイすることになります。
ただ、テンポが良いのと、既読スキップが常備されているので、本編でも番長シナリオでも、誰か一人攻略すれば次からは割とサクサクとプレイ出来ます。


兎に角、楽しい「ゲーム」だと思います。
テンポが良く、ゲーム性もあり、ヒロインも個性的で魅力的(?)ですので、色んな人に楽しんで貰える作品なのではないでしょうか。
是非、友達なんかとわいわいやりながらプレイして貰いたい作品です。

by s-kuzumi | 2007-09-26 19:07 | サウンドノベル | Comments(2)
Commented by NaGISA at 2007-09-27 00:50 x
こんばんは。日本酒は苦手だけど焼酎は大好きなNaGISAです(笑)。

この作品は、色んな方のお勧めでプレイしましたが、どうにも肌に合わないものでした。もちろん、その作り込みの見事さには舌を巻くばかりなのですが、「ついていけない」という感じでした。ヒロインも、「魅力ある」とは言い難く、どうも「個性」を勘違いしてる感じで……(この作品が好きな方、すみません)。

1人黙々とプレイするのでなく、友達数人とわいわいプレイするのであれば、また楽しさも違って来る気がしますね。

私はフリーノベルに「ゲーム性」は全く求めてないので(あればあるに越した事はないですが)、こう言った感想になるのかも知れません。
Commented by s-kuzumi at 2007-09-27 01:27
>>NaGISAさん

道玄斎です、こんばんは。
NaGISAさんは焼酎党でしたか!私も最近はちょこちょこと焼酎を飲んでいたりするのですが、『赤霧島』とか『魔王』とか『百年の孤独』とか割と俗っぽいものばかり呑んでいるので、是非通の方から美味しい焼酎を教えて頂きたく……。ちなみに最近は芋焼酎の『しま茜』なるものを呑んでいます。

で、この作品は「アクの強さ」みたいなものがやっぱりあるわけで、合わない人には合わないかもしれませんねぇ。
ただ、一人であのテンションについて行ける私のようなタイプの人間はともかくw あのノリについて行けない人は、やっぱり友達なんかとプレイしてほしいな、と思います。一人でプレイすると、どうしても少し冷めた目で見てしまうので。
ただ、意外とあのヒロイン達は、昔身近に居た人たちに似ていて、実はそこまで違和感は無かったんですよねぇ。 どういう環境で育ったんだって話ですけれどもw

パーティーゲームみたいに、みんなで馬鹿をやりながらわいわい楽しむとのには最適かな、と思い、尚かつ自分自身が結構ああいうノリが好きなタイプなので、自分の気持ちに正直に今回は「大吟醸」をつけてみました。
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