2007年 10月 02日
道玄斎です、こんばんは。 いい歳になっても、こういうライトなノベルを読むのは止められません。 しかも本来は、少女向けの作品ですしねw まぁ、文化っていうのは大体、こういう「ライト」なものから始まってくるもんなんですよ。 一番簡単な例だと『源氏物語』ってあれ、同人誌だよね? サークル名「紫式部」の代表でメインライターの紫式部さんが作った本です、みたいな。 いや、『源氏』を書いたから紫式部って呼ばれるようになったわけで、ちょっと違うか。 けれども、『源氏物語』は決して「高級志向の純文学」を目指して書かれたわけじゃないので、まぁ思い切って言っちゃえばライトノベルって事でいいだろう、というのが私の見解。 けれども1000年(来年で丁度千年)も残り続けているわけですな。 当時、正統派な文学っていうのは、漢文学なわけですよね。で、和歌なんてものが段々とライトな趣味から公的な性格も持つようになってきて、「六百番歌合」にて俊成が「源氏見ざる歌詠みは遺恨の事なり」とかなんとか言って、『源氏』という作品に、権威みたいなものも生まれてくる。 実際、あれだけの長編であれだけの面白さを持った古典は珍しい、というか皆無ですよね。 忘れ去られつつあるけれども2000円札に載ったりしながら今も生きている、と。 もっと言っちゃえば、能や歌舞伎だなんだって、元々は割とライトな芸能ですよね。 能や狂言なんて元々は野外とかでみんなでわいわいやりながら見たりする。当然下ネタなんかも含まれていたり、ね。 けど、世阿弥なる天才が出てきて、能の地位を一気に変えちゃうわけで、今に残る「伝統芸能」の一つとなっているのでありました。 こうして考えてみると、元々、日本の伝統的な文化っていうのは、出発点はライトなものなんですよね。ライトな芸能にライトな文学。 そこに、天才的な人間が強烈な一撃をライトなものにぶち込み、長い間それが生き続けると、それは文化になり、伝統的な権威のあるものになる。 だから、ライトノベルをいい歳こいて読んでいるっていうのは、恥ずかしい事じゃなくて、寧ろ新しい文化の創造を最前線で楽しむ行為なのです。 と、自己弁護したいが為にこんなに訳の分からない事を書いてしまいましたねw 血迷って書いてるだけですから、本気にしちゃだめですよ?w で、読了しました。「薔薇の花かんむり」。 ネタバレもありますので、まだお読みになっていない方は要注意です。 えっ?誰も読んでいない??そうですか……。 本作で、何冊目かしら?文庫版のイラスト集も含めてカウントすると、31巻目ですか。 で、まぁ、ここまでよくも引っ張ってくれたな、と。 「妹オーディション」あたりから、瞳子が妹になるらしい……と判明してからずぅっとずぅっとお預けを喰らっておりました。 次こそは進展が!と期待して新刊を買うも毎回がっかり。前作もかなり期待していたのですが、短編集だったんですよね。まぁ、良作だったのでそれはそれでいいのですが。 とにかく、祐巳ちゃんと瞳子が姉妹になる、というその場面の為に「妹オーディション」から(イラスト集を抜いて)10冊も待たされてしまったと。 前向きに、すっごい感動的なシーンを出してくるんだろうなぁ……。なんて思っていたら、意外とあっさりロザリオの授受が終了。 寧ろ、二人が姉妹になった事に感極まって泣く、乃梨子の方にぐっと来てしまうわけで……。 いや、勿論ロザリオの授受や二人が姉妹になる場面は、感動出来るものなんです。けれども、二人の姉妹宣言と祥子様の挙動不審が重なって描写されているので、どうにも感情を思いっきり入れて読むことが出来なかったんですよね。祥子の方に気が逸れてしまったというか。 で、肝心の姉妹になっても、甘い描写は殆どゼロに近かったと。 せいぜい、瞳子が祐巳ちゃんを「お姉さま」と呼び、祐巳ちゃんが瞳子を「瞳子」と呼び捨てにする、くらいなもんで、なんだかなぁ?という感じです。 もう少し、姉妹になったその実感を読者にも伝えて欲しいと思うのですが、物語は無情にも(今までの遅延を取り戻すように)進んでいきます。 もう少し、時間を掛けると思っていたイベント「三年生を送る会」も無事終了というわけで、次の巻くらいでボチボチ三年生は卒業していきそうです。 初期の『マリみて』がもっていた、あの甘いときめきはどこに行ってしまったんだ……。 確かに、文章自体はどんどん読みやすくなっているし、質も向上しているように思えます。けれども、文章の上手いヘタを越えた、魅力みたいなものが段々乏しくなってきているような気がするのです。 んな事を書きつつも、『マリみて』は大好きなので終了までちゃんと見届ける積もりですよ? ※10/2午後十一時四十分頃、一応釈明の文章を追加w
by s-kuzumi
| 2007-10-02 22:25
| 読書 ライトなノベル
|
Comments(2)
Commented
by
TAKER
at 2007-10-03 06:21
x
ごきげんよう、TAKERですw
朝になり、ようやく読了いたしました。 道玄斎さんはずいぶんと早い読了ですね。 確かにここまで10冊近く引っ張ってきたロザリオの授受は何ともあっさりした描写でしたね。 そして同じように乃梨子の感涙の方が感動的でした。 さて、しっかり者の一年生二人の隠し芸ですが、 これもきっと『親切なサンタさん』の入れ知恵と読んでいますが、 道玄斎さんはいかがでしょう? というか、絶対最後にネタばらしがあると思ったんですが…。
0
Commented
by
s-kuzumi at 2007-10-03 07:02
>>TAKERさん
ごきげんよう、 リリアン女学園(のモデル校の一つ。特に所在地。寧ろ花寺のモデルか?)に通っていた女性と昔お付き合いした事のある道玄斎ですw そうなんですよ!ロザリオの授受がもう圧倒的にあっさりし過ぎて、あれだけ引っ張っておきながら、これはねぇだろう?と。 で、隠し芸はもう絶対にで『親切なサンタさん』の仕業ですよねw 一方で、私は逆に「ネタばらし」は無いだろう、と踏んでいたクチです。 理由。 聖様が出てくるにしては、描写もゼロで異常なまでに地味だった。 これは恐らく、この一年生二人と聖様とのやりとりを、例の短編に仕立て上げる積もりだな、と。 そして、今回の謎である「祥子は何をやってるんだ?」という読者の疑問や期待を裏切るように次回は短編。その中でこっそり、今回の裏ストーリーが描かれるのでは?と、かなり穿った見方をしていたからですw |
アバウト
カレンダー
メモ帳。らしきもの。
■レビューリストを作りました。随時更新予定です。こちらからどうぞ。
■ノベルゲームのコミュニティと素材ポータル始めました 制作者の方とプレイヤーを繋ぐような、そんなコミュニティを作りました。 こちらからどうぞ。 そして、ゲーム制作に利用出来る素材ポータルサイトも作りました。 こちらからどうぞ。 どちらも、是非ご覧になってみて下さい。そして、ご参加/ご利用頂ければ幸いで御座います。 フリーのノベルゲーム/サウンドノベルをレビューをやっております。たまに私のどうでもいい日々之記録が入る事がありますが、ご了承下さいませ。 ・“引用”としてスクリーンショットやストーリーの概略などの文章を使わせていただいております。問題が御座いましたらご連絡下さい。対処いたします。 連絡先はkazenitsurenaki あっとまーく gmail.com です。 ・レビューは「甘口~中辛」くらいです。 ・評価は完全に私個人の主観に基づいています。評価は「大吟醸」「吟醸」「無印(=純米)」の三段階となっております。参考までに。 で、実は、 こちらが本館です。ブログは別館的な位置づけなのですが、何故かこちらがメインになってしまっています……。バナーなんかもあるので、リンクを張って下さる方はご利用下さいませ。 リンクに関しては、お好きにやっちゃって下さい。許可なんかは一切要りませんので。 本館の方では、謎の音楽制作などをやっております。こっそり更新している事もありますので、たまに見てやって下さると嬉しいです。 カテゴリ
以前の記事
2024年 05月 2023年 07月 2020年 08月 2020年 05月 2020年 01月 2019年 12月 2018年 09月 2017年 09月 2016年 12月 2016年 06月 2016年 04月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 10月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||