2007年 10月 07日
今日の副題 「個性と魅力」 道玄斎です、こんばんは。 休日な訳ですが、折角時間がとれたので溜まっていたお仕事を消化しています。 一年くらい前に作った一太郎ファイルを読み直したり、あれこれやっていると意外と面白いです。 俺って文章へたくそだよなぁ……、なんて思いながら。。 まだ詳細はお話し出来ないのですが、ノベルゲーム関係のお仕事もあって楽しく作業をしています。最近、恐いな、と思うのはマシンの調子ですかね……。2005年の正月くらいにマザーボードやCPU、HDDなんかを交換して作り替えたのですが、かなりハードにマシンを使うタイプなのでそろそろHDDが弱ってきているような気がしています。 それに今の時代にメモリが512Mってのも少なすぎですかね。 さて、昨日は久々にフリーのサウンドノベルのレビューを書きました。 そこでもちらっと触れたのですが、イラストの魅力なるものについて今回は書いてみようかと思います。 サウンドノベル、或いはノベルタイプゲーム、ビジュアルノベルなど様々な呼び名があると思うのですが、結局の所それらは「読んで」楽しむゲームです。 ただ、所謂小説と決定的に違っているのは、立ち絵だったり一枚絵だったりが付いている、或いはサウンド(BGMや主題歌)が付いている点。 サウンドという近代的な要因を除けば、実はこうした読書のあり方は日本に於いて伝統的なものだと思われます。 今から大体1000年くらい前、物語を読むお姫様は文章をお付きの女房に読ませつつ「絵=イラスト」を眺めて作品を鑑賞したりするケースがあったようです。 勿論、現代では、メイドさんやお側仕えの人に文章を読ませる人、なんてのは限られた人の特権であって、普通私たちは「自分で文書を読みつつ、同時に絵=イラストを鑑賞する」というスタイルでゲームをプレイします。 だけれども、文章とイラストが密接な関わりを持ちながら一つの作品を形成している、という観点からすれば、1000年前も今もそんなに変わらないような気もします。 証拠がないので分かりませんが、1000年くらい前に物語を書いていた人と、イラストを描いていた人は恐らく別人でしょう。イラストを外注するなんて行為があったんだと思われます。 或いは、作品を読む側の方が、「この作品に絵をつけてよ」とかイラストを独自に発注するケースもあったことでしょう(こっちの方が多いかしら?)。 当時のイラストの特徴は所謂「蟇目・鉤鼻」という奴です。 あの、細い目に、「くの字」の鼻。イラストの個性なんてものはあまりなくて、作品の中でどういった場面を切り出してイラストにするか、が主眼だったような気がします。 それから1000年ほどたって、イラストなるものは未曾有の進化を遂げます。 蟇目・鉤鼻なんかで書いたら全くヘンテコな絵になってしまうわけですw 写実的な絵を崩し、デフォルメを施して親しみやすいイラストを今の私たちは享受しています。 ただ、特に2000年過ぎくらいから、あまりに美少女イラストの技法が確立されてしまったが故に、個性が薄くなっているような気がしないでもないのです。 誤解を恐れずに言えば、美麗な絵と魅力ある絵は必ずしも一致しない気がしています。 自分自身が、サウンドノベル作品をプレイしていると、お世辞にも「洗練されている」とは思えないイラストに遭遇する事があります。だけれどもプレイし終わってみると、「この絵じゃなきゃ駄目だろう……」なんて思ったりする事も屡々です。 そういう作品の場合、作者様自らがイラストを描いているケースが多いのです。 作品を創った作者が描いたからこそ、そこには作者の考える人物像が(技術的な面という壁などがあるものの)限りなくイメージに近い形で表現出来ているのかもしれません。 つまり、作品とイラストのマッチングが秀逸、という事になりましょうか。 勿論、「作品は作者自らがイラストを付けなきゃいけない」なんて事を言いたいわけじゃなくて。 作品の個性を、或いはそれを表現出来る絵師さんの個性が出ているイラストがついていると、良いですね、と。 作品には各々独自の個性があると思います。そうした独自の個性を活かし、高めてくれるようなイラスト。そういう個性(=魅力)あるイラストが、何だか最近少なくなってるなぁ、と非常に素朴に感じてしまいます。 最近のゲームにはもう商業作品顔負け、なイラストが付いている事もあったりします。 確かに上手で洗練されていて、そんなイラストが付いていたらそれだけでプレイしたくなるのですが、何かもう一歩、そのイラストから個性が感じられたら、と思うわけです。 非常に暴論なんですが、それだったらもう商業作品を買えばいいじゃないか、とか考えてしまいます。同人だからこそ表現出来る個性的なアプローチがもっともっとフィーチャーされてもいいんじゃないかな、と。 非常に、説教がましく、亦、烏滸がましい事を書いてしまいました。 絵も描けないクセに何様だよ?と自分でも思いますw 一つ、はっきりさせておきたいのは、特定のサークルさんの作品や絵師さんを貶めたいとか、逆に特定の作品を持ち上げたいとかじゃなくて、作品にあったイラストというものがもっと考えられてもいいんじゃないか、という事だったりします。 勿論、私が先に述べたような「商業と見分けの付かない」ようなイラストも、作風にばっちり合う場合もあるでしょうし、特徴的なイラストでも逆に作風に合わないなんて事もありますしね。 相も変わらず、纏まりの無い文章で申し訳ないのですが、イラストを切り口に色々愚案してみました。 最近、有名所のゲーム紹介サイトさんの更新が滞っていたり、或いは、シェアばかりが載っていたりするので、新作のフリーのサウンドノベルが沢山プレイしたいなぁ、なんてぼやきつつ、今日はそろそろ作業に戻ります。
by s-kuzumi
| 2007-10-07 21:51
| サウンドノベル
|
Comments(7)
![]()
こちらではお初の描き込みでございます。
誰だかわかりますでしょうか? 一般にもてはやされないイラストばかり描いているもので今回の文章はなるほどなるほどと興味深く読ませていただきました。 個人的には味のあるイラストが好きなのですが、最近は上手いけどあまり引っかかりのないイラストが多いですね。 商業ベースにしろ、同人にしろ、「モテ」系イラストは失敗が少ないように見えるため、購買者が安心して買えるような気がします。 中身もいまいちかもしれないというリスクを冒してまで味のあるイラストものもを買うかどうか、と言う話になると、やはり安心感という点でモテ系より不利かな、と。 同人をつくると言う話になるとやはり多少は今売れ線のイラストを意識するんじゃないかな…と思います。 描いて世に問う以上は何らかの反応が欲しい、多くの人に見てもらいたいと思いますもんね。 絵を描いて稼げればそれはそれで夢のような生活だなあ~と夢想してみたりしますが、努力して時流を読むのが嫌いなので気の向くままやってます。モテ系でなくてもよい簡単な仕事でもあれば、お声掛けください(笑)
0
>>さくもさん
いつも本当にお世話になっております。 ここ、見ていらしたんですね?少し恥ずかしいのですが、素直に嬉しく思います。 さくもさんのイラスト、滅茶苦茶上手いっすよ……。そこには勿論オリジナリティもあるし、一つの理想型な気がします。 凄いのは色んなタイプ(スタイル?)の絵を描き分ける事が出来る所です。特にふんわりとしたタイプの絵は直球で私の好みですぜ。 一定以上のクオリティを維持する為に商業でも同人でも、或る意味でその時代で主流なイラストを選択する事が多いような気がするわけですが、リリースから例えば十年経った時に、十年前主流だった絵のタイプが果たして、読者の印象に残っているか、と考えるとそれはまた違うんだろうな、と。 私は割と長期的なスパンで見ていて、今回の「箸休め」でもそういう視座からイラストを語っている所が少なからずあります。そういう名作として語り継がれるような作品の1ピースとして、個性的なイラストが増えて欲しいな、と。。 本当は、さくもさんからイラストの描き方を教えて頂きたいんですけれどもねw 最近密かに練習しているもののなかなかに……。描き方のコツなども是非是非ご教授下されば幸いです。 ![]()
そのまま貼って良い物なのかどうかわかりませんが、
私はここのサイトさんでかなり勉強させていただきました。 特に体の書き方はわかりやすく目からうろこがぼろぼろ落ちます。 http://www.asahi-net.or.jp/~ZM5S-NKMR/index.html 顔に関しては、理想の顔を描くかたの模写をひたすらすると言う方法が一番手っ取り早いかと。私はこの方法です。 模写をしていてもどうしても自分のクセがでます。それがオリジナリティになるでしょう。たまに天才的な模写の能力を持った人がいますけどね。 多分絵を描き始めの方は、輪郭が定まらない、目鼻のバランスがわからない、自信がないので線が弱い、この三点で絵が上手く描けないのだとおもいます。 輪郭に関してはひたすらなぞって体に覚え込ませるのがいいと思います。
>>さくもさん
サイトの紹介ありがとうございます! 私も是非、参考にさせて頂きます。 模写がやはり一番ですか。なるほど……。やっぱり全ては模倣から始まるのですねぇ。 輪郭が定まらない、目鼻のバランスが分からない……まさにその通りで、どうにもこうにも試行錯誤しながらやっています……。 なぞり描きと模写、この二つで修練を積んでいこうと思います。 アドバイス本当に有り難うございました!
こんにちは!お久しぶりです!
あぁ、すっごい気持ちがわかります。 私も絵はへったくそですけど、自分の心象風景を一番忠実に再現できるのは、自分の絵なんだよな~とか思ったりします。 フリーゲームは、すごく絵が個性的だったり、文体が特徴的だったりするのに、最後にはこれじゃないとなんかだめ・・みたいなゲームがあるのがおもしろいです。そんなゲームに出会って、そして布教活動がしたいもんです。 それにつけても、HP再興滞ってます。道玄斎さんは毎日のように更新してらして、やっぱすげーよ、と思います。
>>ゆつきさん
どうも、お久しぶりです! やっぱり、ゲームを作ろうと志すと、シナリオは勿論、絵も自分で書きたくなってしまいますね。非常に大変ですが……w そういう意味でそれを実現されている方は本当に凄いな、と思います。 最近は、あまりフリーでの作品のリリースが少ない気がするのですが、楽しんでプレイしていきましょう。 HPは、意外とブログとかそういうのだけでも作っちゃうと良いかもしれませんよ?私みたいにHPをなかなか公開出来ないっていうのも困りものですがw 最近は流石に毎日更新がきつくなってますけれども、ブログなりなんなりだったら更新のしやすさはありますからねぇ。 |
アバウト
カレンダー
メモ帳。らしきもの。
■レビューリストを作りました。随時更新予定です。こちらからどうぞ。
■ノベルゲームのコミュニティと素材ポータル始めました 制作者の方とプレイヤーを繋ぐような、そんなコミュニティを作りました。 こちらからどうぞ。 そして、ゲーム制作に利用出来る素材ポータルサイトも作りました。 こちらからどうぞ。 どちらも、是非ご覧になってみて下さい。そして、ご参加/ご利用頂ければ幸いで御座います。 フリーのノベルゲーム/サウンドノベルをレビューをやっております。たまに私のどうでもいい日々之記録が入る事がありますが、ご了承下さいませ。 ・“引用”としてスクリーンショットやストーリーの概略などの文章を使わせていただいております。問題が御座いましたらご連絡下さい。対処いたします。 連絡先はkazenitsurenaki あっとまーく gmail.com です。 ・レビューは「甘口~中辛」くらいです。 ・評価は完全に私個人の主観に基づいています。評価は「大吟醸」「吟醸」「無印(=純米)」の三段階となっております。参考までに。 で、実は、 こちらが本館です。ブログは別館的な位置づけなのですが、何故かこちらがメインになってしまっています……。バナーなんかもあるので、リンクを張って下さる方はご利用下さいませ。 リンクに関しては、お好きにやっちゃって下さい。許可なんかは一切要りませんので。 本館の方では、謎の音楽制作などをやっております。こっそり更新している事もありますので、たまに見てやって下さると嬉しいです。 カテゴリ
以前の記事
2025年 02月 2024年 12月 2024年 11月 2024年 05月 2023年 07月 2020年 08月 2020年 05月 2020年 01月 2019年 12月 2018年 09月 2017年 09月 2016年 12月 2016年 06月 2016年 04月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 10月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||