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久住女中本舗

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2007年 10月 14日

フリーサウンドノベルレビュー 『あの空の向こう側に --past memory--』

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今日の副題 「ある女の子の記録」


ジャンル:一人の女の子の生き様(?)
プレイ時間:一時間半くらい
その他:選択肢無し、一本道。『あの空の向こう側に』の補完作品?


道玄斎です、こんばんは。
今日も頑張って更新です。
最近少しづつ、「女の子視点」のゲームに興味が湧いてきている今日この頃なのですが、今回はそんな女の子視点の作品、「空想村落」さんの『あの空の向こう側に --past memory--』です。
良かった点

・女の子視点からみた学園生活は新鮮さがあり、面白い。

・女の子の持つ業の深さw が遺憾なく発揮されている。辛いものはあるがリアリティがある。

・脇役で、主人公奈央の親友たる結衣が良い味を出している。


気になった点

・後半部、物語が一気に加速していく際に、何かしら結衣に活躍して貰いたかった。

・不幸の連鎖が続くのでプレイ後の読了感は良いとは言えない。

ストーリーは、サイトから引用しておきましょう。
高校生になって2ヶ月とちょっと……
入学当初の慌ただしさが収まり始めていた頃。
……気になる人がいた。
うんん、もうすでにその人のことが好きだって気がついてる。
でも、中々踏み出せないでいる私。
そんなとき、私たちのクラスに一人の転校生がやって来た。
………
動き始める。
私を取り巻く……何かが………。

こんな感じです。
いや、てっきりお気楽な学園モノかと思いきや、後半部から意外な展開を迎え結構楽しんでしまいました。
途中途中で、既読感みたいのがあったのですが、それはレビューは書いていない『あの空の向こう側に』という前作を補完するような作品だったからでした。
勿論、本作は単独でも楽しめますよ?ただ、二つ合わせてプレイして欲しいですね。


さて、最近、女の子視点のゲームが妙に気になっています。
昨日書いたレビューでは、男子高校生の学園ライフみたいな、そういうノリがあったわけですが、視点人物が女性になるだけで、がらりと世界は変わって見えてきます。
一言で言ってしまうと「新鮮」なんですよね。
又、女子高生が視点になる事で、主人公の同性の友人のポジションなんかも変わってきますよね。もっと主人公に密接に繋がってくるというか、悩み事なんかも話せるいつも一緒のお友達、みたいなそういう立ち位置になるわけで、やっぱり新鮮で面白いなぁ、と。

本作では、友人の結衣がもの凄く良い味を出していたと思います。
主人公奈央に対して、いつも親身に接してくれる「良い奴」なんです。脇役としてかなり光っていたと思いますね。
親友同士の密接な関わり方、こういうのも女の子視点のゲームの醍醐味の一つでしょうね。

物語は、転校生がやってくる事で動き始めていきます。
理奈です。
おしとやかで、優しくて女性らしい子なんですが、ちょっとした奈央との行き違いから絶縁状態になり、理奈は不良グループの男の子達とつるむようになって……。
なんていうか、妙なリアリティがありますよね。「まさかあの子が」っていう子が、不良とつきあい始めてそれまでの面影を失い、ビッチ道をばく進していくw みたいのは結構私も自分の体験として見てきています。
そんな理奈を評して「不良とつきあうなんて最低だ」と清々しく言ってのける結衣は、本当に凄い奴で、本作(の前半部)に於ける一服の清涼剤の役割を担っていたといっても過言ではないんじゃないかと。

ちょっとした行き違いから、理奈と奈央が絶縁状態になり、物語は急展開を迎えます。
この辺り、単なるストーリー上のギミックというよりも、私は断然にリアリティのある展開と描写だと思います。
詳しくは述べませんが、本当にこういう事ってあるんですよ……。しかも表沙汰にならないだけで日々、こういう事って起きてるんじゃないかな、と。

ここまでくると、理奈はすっかり悪役になってしまっています。
そして、奈央を次々と襲う不幸の連鎖に居たたまれなくなってきます。
ここからラストに向けてもの凄い勢いで、話が進んでいくのですが、この所、もう少し丁寧に描写して欲しかったですね。
ちょっと性急すぎる運びだったと思います。
或る意味で、作品のキモの部分(そして前作と繋がってくる部分)だったので、もうちょっと時間を掛けてそれぞれの感情や、キャラクターを活かしながら描写して欲しいと思いました。
是非、ここで何かしらのアクションを結衣が見せて欲しかったのですが……。


本作の副題「past memory」が示すように、前作『あの空の向こう側に』の過去の記録が、本作という事になります。
私は、前作はレビューとして書いてはいないのですがプレイ済みです。
やっぱり、前作と本作、合わせてプレイして欲しいな、という気がしますね。多分、順番は発表順(つまり『あの空の向こう側に』→『あの空の向こう側に --past memory--』)にプレイするのが良いんじゃないかと思います。

正直、読後感はあまり良くありません。
ちょっとプレイしていて辛いな、と感じる部分が(特に後半に)多いんですよ。
けれども、ここまで壮絶な物語を描くっていうのは、もの凄い大変だったと思うのです。
後味の悪さを除けば、文章もなかなか読みやすいですし、テンポも悪くない。ストーリーも練れている。もっともっと万人受けするような作品を作る力量は十分にあったと思います。
しかし、それでもこういう作品をリリースした、という所に何か意味があるような気がしています。明るい学園モノの裏側にあるダークストーリーみたいな、「裏側の世界」みたいなものを描いたという点は、面白いですよね。

出来れば、もう少し明るい結末の作品も読んでみたい所なんですけれどもねw

by s-kuzumi | 2007-10-14 00:16 | サウンドノベル | Comments(1)
Commented by 夢幻ゲームショップ at 2007-10-14 12:06 x
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