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久住女中本舗

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2007年 10月 31日

フリーサウンドノベルレビュー 『シリアルコーン DAYs +172』

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今日の副題 「踏み出していく世界」


ジャンル:終末モノ(?)
プレイ時間:30分~40分程度
その他:選択肢あり。一カ所バッドエンドに分岐する選択がある。それ以外の選択肢はCGのヴァリエーション。ちなみにグロいイラスト、描写が若干ながらある。苦手な人は注意。



道玄斎です、こんばんは。
今日も頑張って更新しましょう。昨日ちょっと話題にした本は、まだ読んでいます。何とか今日中には読みたいところです。
さて、今回は「グリーンティミルク。」さんの『シリアルコーン DAYs +172』です。
どうやら「すろ~ふ~ど」さんという所の、吉里吉里関係の企画で制作された作品のようです。

非常におおざっぱに言ってしまうと、終末モノという事になります。だけれども伝奇っぽい要素(ヨモツヒラサカとかそっち系)も入っている作品ですね。
終末モノではあるのですが、読後感はなかなかのもので興味深くプレイ致しました。
良かった点

・良くまとまった短編。シリアルコーンを良い小道具にしている。

・終末モノにありがちな暗い読後感は無く、前向きなエンドを迎える事が出来る。

・ストーリーのテンポも良く、テキストも読みやすい。


気になった点

・ヒロイン、キリエ絡みで色々な設定(伝奇っぽい設定)が出ているのだが、それらが回収されなかったのが気になるといえば気になる。

・ちょっとグロいイラストや描写がある。苦手な人は注意。

ストーリーはサイトの方から引用しておきましょう。
引きこもり生活をしていた「僕」は、毎日シリアルコーンをつまみながらマンションのベランダから望遠鏡で外を覗いていた。
食料も、文鳥のピィの餌も尽きようとしているけど、外に出ようとは思わない。
なぜなら、死んだはずの者たちが起きあがり、生者を襲うバケモノ……ゾンビとなって闊歩しているからだ。
世界はめちゃくちゃになり、僕はマンションに引きこもり続けている。
そんなある日、僕はゾンビに襲われている女の子を見つけて……。

こんな感じです。

面白かったです。
短編作品の良さが出ている作品でしたね。
引きこもりの主人公が、最終的に「外に出て行く」事を選択する、という前向きなテーマがとかく暗くなりがちな終末モノに、明るさと爽やかな読後感を与えてくれています。

作中世界では、ゾンビがうろうろしているわけですが、主人公自体も引きこもりを続ける「生ける屍」となっているんですよね。そういう化け物としてのゾンビと、活きる屍的な意味でのゾンビをリンクさせながら描写している点も上手だと思いました。

ちょびっと伝奇的な要素があって、日本刀を持った女の子が出てくるという点は、もうお約束でしょうw なんで女の子に日本刀ってあんなに合うんでしょうね?日本刀自体が優美な女性的な姿をしているからなんでしょうかね。

どうでもいいんですが、日本刀を買おうとしても中々良いサイズのものってないんですよね。特にお手頃価格のものだと。私は身長が割と高めなので刃渡り80センチオーバーくらいのものが望ましいのですが、なかなか見つかりません。
80センチ以上のものでなくとも構わないので、誰か日本刀をお持ちの方で譲って下さる方いらっしゃいません?w 

本題に戻りましょう。
全体的に見ると、テンポも良く非常にプレイしやすい作品だと思います。
先に述べた通りにテーマみたいなものも上手く描けていて、短編としてかなり良いレベルにあるんじゃないかなと感じました。
はシリアルコーンなどの設定を巧みに使っている点も評価出来る所です。

謎を残したままの終わり方、というのは短編作品の一つの手法だと思いますので、そこまで実際は気にならないのですが、やはりキリエ絡みの設定が少しだけ気になりますね。
敢えていうならば、本作は連作の第一話みたいな、そういう印象です。古事記・日本書紀的な伝奇部分が少し浮いていたかもしれませんね。或いはそういう伝奇っぽい設定を取り払っても良かったのかも。

その後、キリエと主人公はどうやってこの世を渡っていくのか?この世の終わりを食い止める事が出来るのか?そういう部分が未処理のまま作品が終了してしまうので、「もっと読みたい」という好奇心を刺激されます。敢えて未処理のまま物語を終える、という手法、なかなかいいですねぇ。

あと、これも先に述べているのですが、ちょっとだけグロいイラストや描写が出てきます。
そこまでリアリティのあるイラストとかではないので、多分、どなたでもプレイ出来ると思うのですが、そういうのが苦手な方はちょっとだけ警戒しつつプレイしてみて下さい。

たまにはこういう作品もいいな、と思いました。
テンポが良く、プレイ時間も短いですから、ちょっとした時間の合間にプレイしてみて下さい。

by s-kuzumi | 2007-10-31 20:32 | サウンドノベル | Comments(0)
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