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久住女中本舗

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2007年 11月 05日

フリーサウンドノベルレビュー 『夢境迷宮』

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今日の副題 「優しいしんみり」


ジャンル:謎の世界での出来事(?)
プレイ時間:一時間~一時間半くらい
その他:選択肢なし。ただし四周しないとエンディングまでたどり着かない。


道玄斎です、こんばんは。
昨日は宣伝の延長線上で、非常に恥ずかしいものをお目に掛けてしまい、まだ反省しています。

割とプレイ時間が短く、尚かつちょっと変わった作品を、という事で探していたら見つけました。
EUNO'S PAGE」さんの『夢境迷宮』です。
作品の名前などは、今まで知らなかったのですが、これはもっと評価されてしかるべきだろう、と思うような、(少なくとも)私にとっては非常に興味深い作品でした。
プレイして、しばらくたって、もう一度プレイしたくなるような、そんな手触りの作品です。
良かった点

・謎の世界(?)や、「少女」の存在感が良い。

・思わず笑える所もあり、作品のトーンのバランスが良い。

・綺麗で余韻を残したエンド。


気になった点

・多少、冗長さを感じる部分もある(あまり気にならない人も多いとは思う)。

・吉里吉里/KAG3を使っているけれども、セーブ・ロードが多少やりづらい。

ストーリーは、私が軽く纏めておきましょう。
小学五年生のけんたが、目を覚ますと不思議な世界が広がっていた。
そして、少女が現れけんたを誘い、この世界を見て回ることに……。

こんな感じです。

面白かったです。
ただ、ちょっと人を選ぶかもしれませんねぇ。
謎の世界が中心になってストーリーが進んでいくわけですが、本当にカオスな世界でしてw しゃべる蛇、しゃべる植物、しゃべるお星様と怪しげなキャラクターが沢山出てきます。
キャラだけじゃなくて、背景も混沌としていて「謎の世界」という雰囲気を良く出していたように思えます。
最初は、ちょっとメルヘンなストーリーかと思うような感じです。少女のイラストもほんわりと優しいタッチでしたしね。

そうそう、キャラで忘れちゃいけないのは、「影絵」な人物が出てくるんです。
あの「伝説の教師」とか「女教師美喜」とかのアレです。ほんわかと優しげなイラストの中に急に影絵キャラが。しかもコミカルな動きを(ちょっとですが)見せてくれます。
なんだか、もやの掛かったような謎の世界で、読者も微妙にとらえどころのなさみたいのを感じるあたりで、こういうキャラで笑いをとり、謎の世界を演出しつつちょっとした息抜きにもなっている。中々バランス的な面も良いんじゃないかな、と。


合計で四周ほどしなければならないのですが、一周目・二周目は殆ど内容は一緒です。細部が微妙に違うくらいですかね。大体一周目をプレイするのに掛かった時間は20分くらいです。
こういう風にぐるぐると回っていくあたりは『ひとかた』にちょっと似ていますね。

三周目から、或る意味で物語の核心に迫っていきます。
二周目くらいから、うっすらとこの謎の世界がなんなのか、という事が分かってくるわけで、四周目を終えた時点(つまりラストまでプレイして)で、或る意味で予定調和的なエンドを迎えます。
だけれども、最後のシーンが良い余韻をもたらしてくれているように思えました。
プレイし終えて考えてみると、「綺麗な終わり方だったな」と感じます。
めでたしめでたし、で終わらずに、ちょっとだけしんみりしていながら、優しい気持ちが残るような。


さて、気になった点ですが、『ひとかた』タイプの作品では「ループ」していく構造が、冗長に感じる事があります。本作もそれに漏れず多少冗長かな、と思えなくもなかったわけです。
ただ、『ひとかた』ほど長い作品ではないですし、そこまで気にしなくてもいいのかな、とも。
寧ろ、セーブ・ロードといったシステム的な面で多少気になりました。

普通にセーブしようとすると、セーブファイルの生成画面が出てしまうんですよね。
いや、どのゲームでもセーブファイルを生成しているのですが、開いているスロットをクリックする、という直感的な操作じゃなくて、ファイル名を選択して保存する、という操作になってしまいます。
ただ、これも恐らく一気にプレイ出来る作品ですから、気にならない人も多いかもしれませんね。選択肢もありませんし。

あと一点付け加えると、「結局少女の名前は何だったのか?」「何故名前を隠しているのか?」「エンディングで出てきた女性と、少女との関係は?」などの疑問を残したエンドとなっていました。
作者様のページを見ると、お作りになられているゲームはどれも世界観が繋がっているとの事でしたので、もしかすると他の作品をプレイする事で繋がるものがあるのかもしれません。

まずは一周してみて下さい。
意外とハマれるんじゃないでしょうか?

by s-kuzumi | 2007-11-05 20:18 | サウンドノベル | Comments(0)
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