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久住女中本舗

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2007年 12月 06日

フリーサウンドノベルレビュー 『それから 枯れ落ちた木の葉は』

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今日の副題 「二つの指輪は二人の絆」


ジャンル:幼なじみの少女との日々(?)
プレイ時間:一時間くらい
その他:選択肢無し、一本道。システムは、吉里吉里/KAG。


道玄斎です、こんばんは。
何とか今日は更新出来ました。昨日ちらっと書いた「缶のお汁粉」ですが今日は発見出来ず。しょうがないからドクターペッパーを買って飲みました。
さて、今日はオーソドックスな恋愛ストーリーを描く作品を取り上げようと思います。
というわけで、今回は「CRAVE」さんの『それから 枯れ落ちた木の葉は』です。
良かった点

・究極のオーソドックス。この手のゲームの初心者にお勧め。プレイ時間も短くノベルゲームの雰囲気をつかみやすい。

・背景や音楽のチョイスは中々のものが。


気になった点

・或る程度色々な作品をプレイしていると物足りなさを覚えるかも。

・サイトにて情報が公開されていない(?)

ストーリーは、サイトの方にて情報が公開されていないようなので、私が軽く纏めておきます。
高校生の京太郎は、幼なじみの咲と今や恋人同士の関係に。
毎朝、京太郎を起こしにきてくれる咲との関係も上々。しかし、京太郎は咲から聞かされていた。彼女の抱える病の事を……。

こんな感じでしょうか。
相変わらず、文章がへたくそなのは大目にみてやって下さい。

さてさて、一言で纏めると「究極のオーソドックス」という感じですかね。
いや、勿論悪い意味で使っているんじゃないですよ?こうしたノベルゲームが過去に積み上げてきたエッセンスを存分に出している作品だと思います。

ノベルゲームの初心者に「ノベルゲームってこういう感じなんだぜ」と布教するのに適しているかもしれません。プレイ時間が短めなのも布教用にぴったりな気が。
所謂、「名作」と呼ばれているものをプレイさせても良いのですが、こういうエッセンスの詰まった作品をプレイさせて、ノベルゲームの愛好家仲間を作るというのもアリなんじゃないかとw

そういえば、readme.txtに当たる文章では、背景や音楽に関してのクレジットなどがありませんでした。これはサークル様のオリジナルという事なんでしょうかね。
だとするならば、かなり高レベルの背景や音楽がついているという事になります。
背景なんて、本当に職人技だよなぁ、といつも思います。絶対に自分じゃ描けないや……。音楽だって、まだまだ全然私は出来ませんしね(ついにDTMマガジンを購入しました)。

ストーリーの概略は先に纏めた通りなのですが、もうちょっと詳しくみていこうかと。
幼なじみにして彼女である咲は、心臓の病を抱えています。
それで、平穏な日常が続くはずが、病状が悪化して入院、そして手術を行う事になってしまうわけで。
ちなみに、咲が特殊な血液型だという記述が見られ、それ故に輸血が集まらないと描写されていました。RH-なんでしょうかね。まぁそれは兎も角、唐突に、手術があっさり決定してしまい「あれ?輸血が集まらないから手術が出来ないんじゃなかったの?」と多少の不意打ちを喰らいます。
察するに輸血が集まったと思しいのですが、そういう点もちょっと記述して欲しかったなと。何となく消化不良感が残ってしまうんですよね。


気になって点は、やはり長所でもある「オーソドックス」であるという点でしょうね。
この手のゲームをそれなりの数プレイしている人が見れば、「またこのパターンか」と思わないでもない。或る意味で既に飽和状態にあるシナリオだと言う事も出来るかもしれません。
文章は読みにくくなく、素直に読んでいけますし、素材そのものも悪くない。けれどももう一ひねりあったらな、と思いました。

そうですねぇ、例えばですよ?
先に書きました輸血の問題なんかを絡めて、もうちょっと深いドラマを演出する事が出来たんじゃないかと。
病状が悪化するなかでなかなか集まらない血液。日々弱っていく咲と接する京太郎の苦悩や、二人の絆みたいなものが、まだまだ描けたような気がしています。
そういった意味で、既存の枠組みをぶちこわすインパクトがちょっと欠けていたのが残念です。

そうはいっても、ラストのシーンなんて中々好きです。
O・ヘンリーの『最後の一葉』を引用し、更にそれをずらす事で、感動的なエンドを迎えます。
指輪の演出も見ていてちょっとにやにやしてしまいましたw


/* 蛇足なんですが、ペアリングってどうかなぁ?と私は思います。
いや、物語じゃなくてリアルな世界で、ですけれども。
大抵の場合、ペアリングっていつの間にか、「自分だけ」が付けてるという状態になりませんか?なりませんか……。そうですか……。
以上、蛇足でした。 */


そういえば、サイトに本作の情報が見られないのはどうしてなんでしょうかね。
もしかして、私が単純に見落としているだけかもしれません。
出来たら、作品の情報を纏めたページがあり、尚かつアクセスしやすいと良かったな、と思いました。

ちょっと厳しく書きすぎた感もあるのですが、今までノベルゲームが積み上げてきたエッセンスがギュッと詰まっている作品です。そういう正の意味を込めて敢えて「究極のベーシック」と呼びたい作品です。
あまり多くの作品をプレイしてない方は、ノベルゲームのとっかかりとして、そして既に沢山ノベルゲームをプレイされている方は、初心者の布教用に如何でしょうか?w

by s-kuzumi | 2007-12-06 22:42 | サウンドノベル | Comments(0)
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