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久住女中本舗

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2008年 03月 19日

フリーサウンドノベルレビュー 『~俺が死ぬということ、君が生きるということ~』

フリーサウンドノベルレビュー 『~俺が死ぬということ、君が生きるということ~』_b0110969_7483656.jpg

今日の副題 「タイトルに妙味アリ」


ジャンル:ダークな青春ノベル(?)
プレイ時間:大体1時間ちょいくらい。
その他:選択肢アリ。一枚絵無し。
システム:NScripter

制作年:?(詳しい方教えて下さい)
容量(圧縮時):6.44MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は少し懐かしいゲームを。意外とプレイした事のある人、多いのではないでしょうか?
私自身、結構前にプレイした記憶があるのですが、readmeに制作年が書いていなかった為、いつ発表された作品だか分かりませんでした。
ただ、何となく妙に引っかかりを感じていた作品でしたので、今回取り上げる事にしました。
というわけで今回は、「マナの部屋」さんの『~俺が死ぬということ、君が生きるということ~』です。作者様のサイトが分からなかった為、「ふりーむ」のリンクを張っておきます。こちらからどうぞ。
良かった点

・意外と凝った展開を見せる物語。

・悪女(?)に妙なリアリティがw


気になった点

・下手人の動機や主人公の行動原理がなんだか弱い気が。

・後味はあまり良くない。

ストーリーは、ふりーむの紹介文から引用しておきましょう。
主人公小林結城が学園ですごす物語。
長さは1時間程度です。
あなたの心に響くものがあれば幸いです。

こんな感じです。
って、これじゃ分からないような気もしますが、半分ミステリーみたいな要素もあるので、敢えて補足する事はしません。

妙に引っかかっている作品というのが、私の中にあって、本作も「滅茶苦茶オススメ!」ってわけじゃないのですが、何となく心に引っかかっている作品ですね。
物覚えの悪い私は、割と一度プレイしてしまうとゲームの内容を忘れてしまったり、なんて事がたまにあるのですが、本作に関してはばっちりオチの部分を覚えていました。

今回は二度目のプレイ、そしてちゃんとストーリーを覚えていた為にあまり感じなかったのですが、一回目のプレイの時に意外にも凝った仕掛けに「やられたぜ……」と思ったのを覚えています。

実はこの作品『ひとかた』テイストの作品です。
一回だけですが、ループがあります。最初はどう頑張ってもバッドエンドになってしまって、そのままゲームを止めてしまった人もいるかもしれませんね。ただ、バッドエンド画面でフランス語にて「repetez le jour」と表示されるので何とか「もう一周しないと駄目なのか?」という事に気付けるかも。
尤もこのフランス語が正しいのかどうかは兎も角として(私だったら「repetez les jours」にします。一応私は大学でフランス語を取っていて、先生は『プチロワイヤル』というフランス語辞書で最も有名なものを執筆した(している)先生でした。けれども自分のフランス語スキルは甚だ疑問ですが)、一応「ひとかた」テイストだと分かるんじゃないかな。
ただ、注意点としては一週目でバッドエンドを迎えたら、もう一回スタート画面から始めないと物語が進展しません。プレイ上の注意はこんなものです。

ジャンルとしては実はミステリーみたいな、そういう感じがありますね。
淡々と描写される文章も中々作品にマッチしていたと思います。謎の部分は敢えて語りませんが、意外に小技が効いている作品ではないかな、と。

事件を或る意味俯瞰的な立場で眺めている、亜矢というキャラがいいですね。
こいつは、オイシイ所をとっていきますが、脇役という位置づけでしょう。こういう重要な脇役(ちょっと矛盾しているみたいだけども)が出てくる作品は個人的に凄く好きです。物語を支えるのは主人公やヒロインだけでなく、実は脇役が物語世界を実は根底で支えていたりするのです。ですので、脇役がしっかりとしている作品は「当たり」が多い気がしています。
ただ、亜矢もそうなのですが、女性キャラに明確な属性が付けにくい(例えばヒロインとか)ので、亜矢を脇役と言い切ってしまうとどうかな?というのは確かに少しあります。
尤も、女性キャラの「明確な役割分担が無い」という所が、本作のキモの部分でしょうね。

立ち絵はこれ、素材かな……?豪腕ハリーさんの所の素材のような。
見たことのあるような立ち絵だったので、少し物足りなさも覚えます。
しかし、作品そのものに関しては「ひとかた」テイストで、更に小技が効いているという。
実は、私は本作は「名作」になれた作品なんじゃないかと思っています(勿論、本作が駄作ってんじゃないよ?)。
アイデアは良かったし、意外とミスディレクションがあったりと楽しませてくれます。ただ、事件の下手人(ぼやかして書いてます)や、或いは主人公の行動理念といったものが、あまり明白でなく、プレイ後に少し後味の悪さを感じたり、物足りなさみたいなものを覚えてしまうのでうs。

割と短い作品でしたので、もう少しだjけ分量を増やして、下手人及び主人公の行動原理や、「何故下手人になったのか」というような部分をもう少し描写しても良いような気がします。
その点、大変惜しいですね。もう少しすっきりと纏まっていたら、相当な作品になったかもしれません。

けれども、妙に引っかかる「何か」を持った作品だったのではないかと愚案する次第。
意外なミスディレクションが活きていますし、脇役が物語を頑張って支えている(支えようとしている?)印象。ヒロインは誰だ?みたいな話になると、誰がヒロインなんだか分かりづらいのですが、それも作品の特徴と表裏一体です。


今日はとても眠たいので、短めのレビューです。
兎に角短時間でプレイ出来ますので、是非一度プレイしてもらいたい作品ですね。
『ひとかた』が好きな人は意外とハマれるんじゃないでしょうか?

※もしかしたら、後でレビューを書き直すかも……?
では、お酒を呑んでフラフラなので今日はこのへんで。。

※昨日半分眠りながら書いた為か、ちゃんと投稿出来ていませんでした……。というわけで、今さっさと投稿し直しておきます。

by s-kuzumi | 2008-03-19 07:51 | サウンドノベル | Comments(2)
Commented by マナ at 2008-06-02 01:06 x
まさか…こんな古い作品を手にとってもらえ、しかも1時間程度の作品にここまで長い感想をいただけるなんてww
これは2003年の夏に投下した作品だった気がします。
当時は十代だったので勢いで作ったのをよく覚えています。

とにもかくにも作品をプレイしていただき誠にありがとうございました。また何か機会があればそのときは…

※削除パス0000
Commented by s-kuzumi at 2008-06-02 18:36
>>マナさん

こんばんは。
こちらこそ、興味深い作品をリリースして下さって感謝の言葉もありません。加えて、このようにコメントまで頂けて、感激の至りです。

やはり、実際のプレイ時間、というよりもその中にどれほどの「中身」が詰まっているのか、というあたりでレビューの長さが変化します。基本的に長目のレビューを書く、というスタンスなんですが、本作の場合、語るべき内容というか、「プレイしてみて欲しいなぁ」という気持ちで、あれこれ(時には蛇足かもしれない)内容まで書いてしまいました。

どうぞ、またお気軽に書き込みなどして下されば、幸いです。
それでは、失礼致します。
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