2008年 05月 23日
![]() 今日の副題 「ひとりじゃ寂しい、よ、ね?」 ※吟醸 ジャンル:幽霊同居型アドベンチャー(?) プレイ時間:1時間~1時間半程度 その他:選択肢有り。本レビューはver1.5にてプレイ システム:HyperNovelSystem 制作年:2003/11/28 容量(圧縮時):25.9MB 道玄斎です、こんばんは。 今回は、久々に懐かしのゲームを。有名な名作ですよね?ちょぴっと『ゆうとっぷ』に似てるところもあるかな?というわけで、「Studio Til」さんの『Moonlight Blue』です。 良かった点 ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。 しがない浪人生、氷野直之が引っ越してきた こんな感じのストーリーになっています。 いやぁ、懐かしいですねぇ。 昔プレイした時は、「まぁまぁだったな」と割と冷めた評価だったような気がしたのですが、今回プレイしてみたら、何か凄く素敵な良い作品でびっくりしました。 そう、「また改めてプレイしたい、昔の作品」とたまーに言っていたゲームとは、ずばりこの『Moonlight Blue』だったりします。 やっぱり、再度やりたい、と思ったわけで何かそこには引っかかりがあると気付いていたのでしょう。 ちょっぴり『ゆうとっぷ』に似ていますかね? まぁ、幽霊の女の子との生活ってあたりなんですけれども。 しかし、結末は全然違いますし、当然の事ながらエピソードやストーリーの展開も異なっています。重なって読めてしまう部分もある事はあるんですけれどもね。そこらへんは、強烈なネタバレになってしまいますから、敢えて黙して語らず、という事で。 ヒロインの彩音も可愛いですよね。 こういう言い方もどうかと思うのですが、一昔前の商業美少女ゲームのヒロインっぽい感じのイラストです。私、こういう雰囲気の絵好きですよ? 最近の主流の所謂「アニメ塗り」みたいのは、ちょっぴり情緒が乏しいように思えてしまう。。 うんと単純に纏めると、しがない浪人生と幽霊少女の同居生活、みたいな感じなんですが、本筋とは全く関係ない所で描写される日常シーンやら、はたまたギャグなんかがかなり面白いです。 「来年はコンバットにしろ!」は爆笑でしたw 最近、割と良く言っているのですが、日常シーンが冗長だとなんだかプレイする意欲がそがれてしまうんですよ。 実は平行して割と最近リリースされたゲーム(違う作者様、ですよ?)を落としてきて、プレイしているのですが、何となく前半で、 ■ヘンテコな夢を見て目が覚める。 ■幼なじみ的な女の子とお馬鹿な友人が登場。 ■女の子に結構辛辣にたしなめられたりする日常。 みたいなコンボが出てきて、ちょっとプレイを中断していますw オーソドックスである事、と日常の描写が冗長である事っていうのは全然別問題なんですよね。上に挙げたような設定であっても、魅力的な作品はどこかプレイヤーを惹きつけるものを持っています。それは何気ない言葉の遣い方だったり、テンポの良さだったり、或いはギャグの面白さだったり。 本作の場合ですと、先ず主人公が浪人生で、予備校に通うために上京してきている、という設定ですから「イカニモなスクールライフ」とは一線を画しています。 そういう設定が、とかく冗長になりやすい日常シーンを排除する役割を果たしている事は認めないといけないわけなのですが、それにしても日常シーンが面白いんですよねぇ。 さらっと流されてしまうような、予備校の描写が面白かったり、暇つぶしの為のゲームセンターでのゲームのシーンが意外にも力が入っていたり。 なかなか、昔のものでも今のものでも、「日常が面白い」ってものは少ないように思えます。 日常って、結局事件(=エピソード)への繋ぎである事が多いので、プレイヤーに「次」を期待させていくような役割を担っている事が多いように思えます。 だけれども、日常そのものが面白いって、普通にアリですよね。まぁ、その分少しテンポが若干速いような気もしたのですが、そこまで気にはならないかな? 私は、予備校って通った事がないので予備校の描写は、かなり楽しめました。 バリバリの予備校の授業ってあんな感じなんですか……?w 一度くらい体験すべきだったかもしれませんねぇw で、ちょっと気になったのが、全体的に一昔前のサウンドノベルの良さが詰まった良い作品なんですが、ヒロインがちょっと厭なヤツのような気が……。 というのも、彩音はですね、付き合ったいた男の子が居たんですよ。 で、幽霊になったけれども、その男の子の事を探すわけです、お人好しの主人公と一緒に! そして、主人公の獅子奮迅の活躍(?)によって、昔の彼氏の所在を突き止めるわけですが、そこで彩音は主人公と「お別れ」してしまうんですよ。 しかも主人公は彩音が大好きだっていうのに、彩音の為に頑張っちゃってさ。ほんと馬鹿みたい……。 で、問題はその後なんです。結局彩音は、昔の彼氏に会えた(幽霊として、だけれども)わけだけども、その男には既に別の女が居て……。 傷心の彩音は、人の良い主人公をまるで利用するかのように、主人公の元に戻っていくという。そして、「大好き」とか宣うようになってしまう……。 女はおっかねぇ……。女は信用ならねぇ……w ここだけ、本作で納得出来ませんでしたねぇ。 まぁ、現実世界では、自分が好きだった相手に既に新しい相手が居る、というのは男の側なんですけれども……。 私の被害妄想が酷いですか?w とはいえ、ラストはさすがにしっとりとした、良いエンドでした。 タイトルにもなっているMoonlight Blueという曲を奏でるオルゴールとか、ちょっとした小道具も出てきて、泣ける事請け合いです。 ただ、もうちょっとラストですから、じっくりじんわりと描写があっても良かったかな? 全体的にレベルの高い作品です。 ちょいとシステムが使いづらい所はあるのですが、基本的に一気に読める良作だと思いました。所々の選択肢は、まぁ常識的な選択をしていけば問題はないでしょう。 本作を改めてプレイして感じたのは、「再読性」の高い物語、だという事。 時々、そういう作品ってあるんですよ。ふとしたきっかけに「あれ?もう一度読んでみようかな?」と思えるような作品が。 一度だけでなく、暫く時間をおいてから、もう一度プレイしたくなる、そんな作品です。 そうそう、最後に。 どうやらこの作品、「完全版」がシェアとして存在しているっぽいんですよね。 本作でちらっと出てきた、スーパー浪人生とかの見せ場があるみたいですよ?ラストも変化しているようです。 サークル自体は活動が停止しているのかなぁ?ちょっと分からないのですが、機会があれば手に入れてみたいですね。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2008-05-23 20:16
| サウンドノベル
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