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久住女中本舗

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2008年 08月 01日

フリーサウンドノベルレビュー 『Twin Love』

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今日の副題「いづれが“あやめ”か“かきつばた”」

ジャンル:王道恋愛アドベンチャー
プレイ時間:1ルート小一時間くらい。
その他:選択肢多し。全部で5つのルートがある。
システム:NScripter

制作年:2006/4/13(ver.1リリース)
容量(圧縮時):9.44MB



道玄斎です、こんばんは。
なんだか今日も体調不良。妙に胃が痛くて何とも何とも。軽く夕飯を食べたのですが、少し気持ち悪い。もしかして軽い夏風邪にでもかかったのかしら?
とはいへ、ゲームをする気力は十分にあるので、今日も一本ご紹介。「QUADRIENNALE」さんの『Twin Love』です。オーソドックスな恋愛モノですが、そこが却って魅力となっている作品だったように思います。
そういえば、もう三回くらい取り上げさせていただいている作者様ですね。
良かった点

・シンプルな恋愛モノの良さが出ている作品。

・選択肢こそ多いものの、割とさくさくと進める事が可能。


気になった点

・意外と全てのルートを見るのは骨が折れるかも。

・主人公と両親の問題にもう少し踏み込んでも良かったかも。

ストーリーは、ベクターの紹介文から引用しておきましょう。
転校生の双子姉妹、橘あやめ・ゆきめと約10日間を過ごす恋愛アドベンチャーゲームです。
エンディングはノーマルを含め5種類。好感度によって「あやめルート」「ゆきめルート」「双子選択ルート」のいずれかに分岐します。
気が強いけど、明るく笑顔を絶やさないあやめ。
大人しいけど、心優しく親切なゆきめ。
あなたが選ぶのはどっちの女の子ですか?

こんなストーリーになっています。


いやぁ、のっけから超王道を突っ走るお話でした。
何しろ、朝、登校中に女の子とぶつかって、しかもその女の子が転校生として登場する、というちょっと恥ずかしいくらいの王道設定なのですから。
しかしながら、そこには妙な衒いみたいなものはなくて、素直に描写されるので、意外とすんなりと読むことが可能なんじゃないかと思います。恐らく、ウケ狙い的な文章を省いたりしているわけで、スッと文章が頭の中に入ってくるような、素直で好感の持てる文章だったと思います。

王道の恋愛モノとはいえ、タイトルが示唆しているように、ヒロインは「双子」です。二人の内、一人を選んでエンディングを迎える事になります。このヒロインが双子、という部分はちょっと新鮮だったかもしれませんね。

選択肢の数は尺の長さに比べるとかなり多いのですが、大抵ヒロインである「あやめ」と「ゆきめ」の好感度を上げる(つまり「あやめ」の好感度を上げると、「ゆきめ」の好感度は上がらない)仕組みですから、お目当てのキャラを攻略するのは意外と簡単です。
更に一度どのルートでもクリアすれば、既読スキップが結構使えますので、さくさくと。
ただ、ノーマルエンド(実質バッドエンド?)と、双子選択ルートに入るのには少し苦労するかもしれません。簡単なヒントを述べておくと、ノーマルエンドルートに入るには、あやめ、ゆきめそれぞれの好感度が低い状態を保つ事でルートに入る事が出来ます。又、双子選択エンドはこの逆で二人の好感度を共に高い状態(片方だけ高いと、その子のルートに入ってしまいます)を保てばOKです。
大体、「今の選択肢であやめ寄りの選択をしたから、次はゆきめの好感度を上げよう」なんていう風に少し考えつつプレイしていけば、問題なく入れるかと思います。

この双子選択ルートでエンドを見ることで、それぞれのエピローグが見れるので、是非このルートを最終的には目指してみて下さい。

ヒロインのキャラクターも直球でして「おしとやか系」か「活発系」という布陣です。
恋愛モノのノベルゲームをプレイした事のある人にとっては、もうお馴染みのキャラクターメイキングですが、本当に素直に厭味が無く描かれているので、すんなりと受け止めながら読んでいくことが可能です。
あやめとゆきめ、どっちが好みかなぁ? なんて自分でも考えながらプレイしていたのですが、やっぱり甲乙付けがたいですねw どちらかといえばおしとやか系のゆきめに多少よろめいたりしているわけですが。
そういえば、イラストも中々可愛らしくて良かったと思います。何となくですが、パステルな感じのイラストって言えばいいのかしら? 

実は作中での時間経過は10日です。
そんな期間で出会って、恋して、告白して、お付き合いしてが可能なのか? という疑問があったりなかったりw まぁ、人間って一目見た瞬間で「恋愛対象に出来るか否か」を判断しているといいますから、そういうのもアリでしょうw それにしてもスピード恋愛のような気はやっぱりするのですが。
10日といっても、充実の10日間であることもまた事実。
体育祭はあるわ、夏祭りはあるわで短いながらもギュッとエピソードが詰まっていますよ。


さてさて、気になった点ですが、王道過ぎる恋愛部分に関しては、それが却って好感の持てるものになっているからそれはそれとして(実際にプレイしてみていただければ納得して貰えるハズです)、主人公とその両親の問題がもう少し深く掘り下げられていて、それぞれの恋愛と絡めて存在していたら良かったなぁ、と。

作品を読み進めていくと、主人公の両親は離婚寸前、という有様でして、それがときたま見せる主人公の暗い影の部分になっています。
主人公の性格形成というか、そういうものを担う部分でもあるので、学園での恋愛とすっぱりと分ける事無く、どこかで上手く繋がるように表現されたらもう少し、作品に奥行きが出たかもしれません。


シンプルにして王道の、恋愛の良さを全面的に出した作品です。
王道過ぎてちょっぴり恥ずかしい所もあるのですが、素直な描写で意外なほど楽しめます。
尺も短めですから、気軽にプレイしてみて下さい。

by s-kuzumi | 2008-08-01 21:17 | サウンドノベル | Comments(0)
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