2008年 09月 29日
道玄斎です、こんばんは。 今日も寒かったですねぇ。この二日の間で、急に寒くなってきました。初冬くらいの寒さがあるんじゃないかしら? 今、ついに耐えられなくなってエアコンで暖房を掛けています。 ■アレな証人がやってきた。 先日、アレな証人の方がやってきました。 しょうにんって言っても、marchantじゃなくて、witnessのほうです。 私が在宅で、ごにょごにょ作業(しかも微妙に煮詰まっていた)をしていたら、インターフォンが。 「どちら様でしょう?」と出てみたら、「聖書についてお話をさせて下さい」、と。 いや、まぁ、聖書、読んでますし、知り合いでその宗教に入信していらっしゃる方もいるので、大体の事は分かってるし、とっとと追っ払おう、と思ったわけですが、妙に若い感じの声だったんですよ。殆どの場合、結構なおばちゃんがやってくるのですが、その日は違ったようです。 で、ついつい、のこのこと門の所まで出て行ってしまいましたw 行ってみてびっくり。楚々として綺麗なお嬢さん(とおばちゃん。おばちゃんは別に楚々としていたわけではない。念のため)だったんですねぇ。二十代半ばくらいでしょうか? けばけばしさは無いし、一言で言ってしまえば清純な空気漂うお嬢さんだったわけで、私としても勢いを削がれた形になってしまいました。 で、そのお嬢さんが私に向かっていいます。 お嬢さん「何か悩みとかありませんか? 悩みを解決するため聖書を学びませんか?」 と。 そりゃぁ、人間生きてりゃ悩みの一つや二つくらいあるよね。その悩みを解決する方策の一つが聖書であってもいいと思う。けれども、私は個人的にその宗教はなじめないものを感じているので丁重にお断り申し上げようとしたら、一瞬綺麗なお嬢さんが出てきて、とまどった私の隙を突くかのように、お嬢さんがお話を始めてしまったのです。 しかも、困った事にお嬢さんが身振り手振りを交えて、自分たちの宗教の素晴らしさ、そして聖書を研究する事の喜びを語りだしたら、妙に良い香りがしてきて、 (ああ、このままじゃ、入信しちまう……!) と、本気でヤバイものを感じたので、私は咄嗟に、 私「あ、あの……。私、神主なんです!」 と一世一代の大嘘をこきました。いや、考えて出てきた言葉じゃなくて、何とかしなきゃ、という焦りがついつい「我が輩は神主である」という言葉となって口から出てきてしまったわけで。。 きっと、「神主になりたかった」とかここで書いていたのが脳みその端っこに残っていたのでしょう。 せめて、和服でも着ていればもうちょっとカッコはついたんでしょうけれども、生憎、その時は普通の洋服姿。 今度はお嬢さんがあっけにとられる番です。 私「まぁ、そういうわけで、そちらの宗教に入信は出来ないんです、スミマセン」 と。けれどもお嬢さんはめげません。 今度は上目遣いで、 お嬢さん「神主だって、悩み事もありますでしょう?」 しかも二三回、目をパチパチ瞬いてました。 勿論、マスカラなんて使っていません。綺麗な天然のまつげが良く見えます。 うわぁあ……。反則だ。反則すぎる。一瞬、言葉に詰まってしまったのが私の運の尽き。その隙を逃さずおばちゃん(もう、とっくに私のヴィジョンでは“居ないことになっていた”)が、小冊子(いつものヤツとは違う、初心者布教用のちょっとした本みたいな感じ)を取り出し、お嬢さんに渡します。そしてお嬢さんが私にその本を差し出してきました。 (うーむ。まぁ、冊子くらいは貰っても罰はあたるめぇ。この冊子を貰ったらお引き取り願おう……) そんな事を考え、ついつい冊子を受け取ってしまいました。 そうしたら、さっきまで居るんだか居ないんだか分からない微妙な存在感しかもっていなかったおばちゃんが烈火の如くしゃべり出しました。曰く、 ・聖書は世界最高の本 ・科学的にも全く正しい本で誤りは一つもない ・聖書に従って生きるのはとっても素晴らしい事で ・そうする事により、全ての悩みは解消され ・幸せになれる と、まぁそういう事を、まくし立てたわけです。 正直、お嬢さんに優しく噛み含めるように語られたら、ちょっと危なかった。おばちゃんの興ざめするようなマシンガントークで、大分私も頭が回ってきました。 聖書は世界最高の本ってのは、「ベストセラー」的な意味で言ったら多分、最高のものの一つだと思うけれども、価値基準ってのも人それぞれだからねぇ。私なんかは読んでいて面白い、と思えるけれども、中には「くだらねぇ」と思う人だって居るはずで。 まぁ、それはいーんだけどもさ、「聖書が科学的にも正しい、事実のみを述べた本」ってのはちょっとどうかなぁ? って思うわけですよ。んでもって、その聖書(まぁ、彼らの聖書と私の持ってる聖書は違う種類のものですが)に従って生きていて、最高に幸せです! とか宣ってるわけです。まぁ幸せなら別に私がとやかくいうことは何もないんだけども、聖書に書いてある事は「全て事実で、全て正しい」って言っちゃうのは無理があるんじゃないの? 実際、聖書を読むようになってから私もキリスト教関係の本、何冊か読んでみました。 特に初学者向けの問答集みたいな本があって、それは随分と読んだのですが、 「聖書は何分、書かれた年代も滅茶苦茶旧いし、全てが事実で正確かっていうとそれはちょっと……。だけれども大事な事は聖書に書いてあることそのものではなく、その文脈、文章が伝えたいものを読み取る事」 だって、書いてあるわけです。 一応、言っておくとバチカンの公立の大学組織で聖書学みたいなものを学ばれて、学位をお取りになってる方がそう言ってるんですよ。だからこれがキリスト教徒全体のコンセンサスってわけじゃないとは思うけれども、「こういう風に考えるんだ」という考え方の指標としては、相当程度の正しさというか、まぁそういうものを持っていると思っています。 そうそう、その本の著者はよく「福音の精神」という言葉を使います。 どこまで一般的か、この部分に関しては分からないんだけども、 「福音ってのは良いお知らせ。だから聖書を或る意味で武器にして『~しないと地獄行き』とかいうのは間違ってるんじゃないの? 福音の精神っていうのを軽視していはいかんのよ。まぁ、人によって仏教を信じたりとか色々あると思うけれども、結果として全うな生き方をしてそれが主の御心に叶うならば、その人だってキリスト教徒じゃなくても救われると思う。それが福音の精神ってもんさね」 と、大体こういう主張でした。 何か、物凄いなじみやすいというか、親しみやすいのは確かです。「俺たちの宗教に入らなきゃ、お前地獄行き!」って宣告されるのに比べたら、遥かに「グッドニュース」=福音的ですよねw この部分は私には判断は付かないけれども、少なくとも「聖書」の記述が科学的にも全て正しい!って解釈については、上記に挙げたような態度の方が、よっぽど科学的だし、信用できると思うのですが如何でしょう?? なんだけども、おばちゃんは「聖書の記述は全て正しい!」という信念があって、尚かつ「その正しい聖書に沿って生きる事は最高です」という考え。 だから、私は例によって例の如くいつもの論法で攻める事にしました。 私「あー、ちょっと水を差すみたいだけども、質問していいかしら? 今年、土用の丑の日にウナギ食べました?」 おばちゃん「?????? えーっと、はい、食べましたけれども……?」 私「旧約を見ると、海のものでも川のものでも鱗のないものは喰っちゃいけないって書いてません? ウナギってその律法に抵触するんじゃ?」 おばちゃん「…………」 一般的には、イエス様が全人類みんなの身代わりに身罷られた事で、私たちは律法に縛られる事が無くなった、という(どうしてそうなるのか、イマイチ分からないんだけども)事なんですけれども(いいよね?)、この人達は「聖書の記述は科学的思想的、ありとあらゆる意味で全て正しく、全て従うべき」という立場なわけで、そこらへんどうなのかなぁ? と思って聞いてみたわけです。 ややあって、 おばちゃん「それは、イエスが身代わりになって……だから律法には従わなくても……」 とごにょごにょ言ってます。 ああ、やっぱり、その解釈を採ってたんだ……。 私「あー、まぁそうっすよね? けれども聖書は全部正しくて全て聖書に従えって言ってたじゃないですか?」 と突っ込んでみたら何か黙っちゃって、お嬢さんの方を見たら、鞄の中からコンパクトサイズの聖書を取りだして「出エジプト記」あたりを読んでいる模様。 私、さっき貰った冊子をぱらぱらとめくって、 私「ほら、例えばこの冊子の『従うべき事』って欄に律法に定められた項目が入ってるじゃないですか。それじゃあ、やっぱりウナギを食べたのはまずかったのでは?」 はっきりいって、私、物凄い厭ヤツです。 それに多分、キリスト教に詳しい方からみると、かなり的外れな事を言っています。少なくとも何千年にも及ぶキリスト教(含ユダヤ教)の歴史の中で、この手の質問に関する答えが用意されていないハズがない。 けれども、あちらさんはあちらさんで「聖書の記述は全て正しい」「全ての行動原理を聖書に求めよ」って言ってるし、冊子に書いてある「従うべき事」みたいな欄には旧約から引用したもの(律法)と新約から引用したものが入り交じっているわけで、そういうのを見ると、この人たちはどうも「律法も守ります」って立場にしか私には思えなかったという。 よくよく考えてみれば「輸血しない」ってのも、律法にその根拠を求めていたのは、貰った冊子を見れば明らかです。あっ、新約からの部分もあったけれども。 何か冊子自体も、妙に衒学的というか、何というか、ありとあらゆる文章が、ありとあらゆる聖書文献のつぎはぎで出来ていて、文脈無視で兎に角繋げて「いいこと言ってます」風に仕立ててあるので、何となく怪しいものを私なんかは感じてしまいます。 あっ、いや、別に信仰は自由ですから信仰そのものは否定しないし、出来ないのですけど、私個人はどうもこういう部分を見て、信じられないな、と思うわけです。 まぁ、何でここまで私が厭なヤツになっていたかというと、何かのタイミングでまた、良い香りのするお姉さんに言い寄られたら、ちょっと本気で入信しそうだったから、なんですよw 自己防衛の為に酷いことを言ってしまいました。ごめんなさい。 あー、何か今日はもっと書きたい事があったんだけども、疲れたからここいらで切らせてもらいます。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2008-09-29 22:24
| 日々之雑記
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Comments(3)
私のところには、毎週その「JW」な方が来られますよ。
そのJWのおばさんは、まだまだてぬるいですね。JWなら、 そこで的確に聖句を引用して反論しないと(笑)。 私のところの来られる方は、私が「しかしそれは新約聖書の ○○にこう書いてあるでしょう」と、聖句を引用しても、逆に 違う聖句を引用して反論してくる、もの凄い凄腕です。 >なんだけども、おばちゃんは「聖書の記述は全て正しい!」という信念があって これは普通の(正統的で伝統的な)キリスト教でも、そうだと 思いますよ。「旧約新約聖書全66巻は、誤り無き神の言葉である」は、 キリスト教の大前提ですから。 >尚かつ「その正しい聖書に沿って生きる事は最高です」という考え。 ただ、JWの方のここがキリスト教とは違いますね。あと、JWが キリスト教と違う一番大きな点は、彼らは三位一体を認めないと いう事です。 毎週プロテスタント教会に通っている者としては、あんなのと 一緒にされるのが一番迷惑だったりしますねえ(笑)。 しかし「私は神主です」とは、ナイスですね。私は、以前 新聞勧誘員に、「うちは昔から新聞は『赤旗』しか取りません!」と 言って追い返した事があります(爆)。
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s-kuzumi at 2008-09-30 02:28
>>NaGISAさん
こんばんは。 コメントありがとうございました。 NaGISAさんの所に来られる方達は相当な強者のようで、私の所に来なくて本当に良かったと思っていますw 生半可な知識だと論破されてちょっとみっともない事になっちゃいますから。半分脳みそが聖書データベースみたいになっている人にはさすがに敵いません……。 >「旧約新約聖書全66巻は、誤り無き神の言葉であ >る」は、キリスト教の大前提ですから。 なるほど。一般的な解釈が聴けて良かったです。まだまだ勉強する余地が一杯ですね。 三位一体についても頂いた冊子について載っていました。何故三位一体という考え方はオカシイのか? という彼らの説明では「聖書にそれを認める記述がないから」というものでした。 しかも、どっかの文章を引用して「これは正に三位一体などという事が妄言であることを示している」なんて書いてあるわけですが、私の初学者問答集では、いみじくも同じ場所を引いて「だから三位一体なのだ」と語っていたりしてw 神主宣言、意外と効果的かもしれません。 そう宣告した瞬間ちょっと空気が変わりましたしw 新聞勧誘撃退の技、爆笑してしまいましたw 今度、試してみますね!
こんにちは、何やら面白い記事が載っていたので…またかきこみしますね。
そのお嬢さんとやらのお話につい笑ってしまいましたw 上目遣いは卑怯ですね…。 私の周りでもそういうのに頭突っ込んでえらい目にあったことがあるような人がいるようです。 くれぐれもご注意を。 本当にここ最近は寒いですよね。私もいきなりの寒さに自律神経が麻痺してきているようで、困りものです。 毛布でも寒いぐらいですから、こたつを出したいですね。 最近曲制作を放置して…即興ブログを始めてみました。サイトのほうにおいてあります。間違えがキズになっておりますが、よろしければ聞いてくださいませ。 ということでギリギリ音楽は続けておりますよ^^ 今日はお天気ですが、体調には気をつけましょうね。それでは失礼します。 |
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