2008年 11月 06日
今日の副題 「“よくある”をずらして混ぜたら面白い」 ※吟醸 ジャンル:コメディタッチの熱い青春ラブコメ(?) プレイ時間:1ルート1時間半くらい。全部で2ルート。 その他:選択肢有り、2つにルートが分岐する。 システム:吉里吉里/KAG 制作年:2008/10/26 容量(圧縮時):131MB 道玄斎です、こんばんは。 小室哲哉の逮捕をいまだに引きずっていて、今日も今日とて書庫の奥からTM NETWORKのCDを持ってきて聞いている今日この頃ですが、皆様は如何お過ごしでしょうか? そういえば、随分寒くなってきましたね。最近、私は気が早い事にコートを着ています。朝とか夜は冷えますからね。 さてさて、今日はそんな寒さを吹き飛ばしてくれるような熱い作品のご紹介。「downkeep」さんの『サンダガ』です。最初は「良くある学園ラブコメかなぁ」と思っていたのですが、とっても楽しい作品でした。 良かった点 こんな感じですね。 一応選択肢はあるのですけれども、前半部に三つ出てくるだけです。ヒロインたる夜重か、或いは秋子のルートの二つに分かれますが、悩むような選択肢ではないので、好みのヒロイン寄りの選択をしていけば問題なくルートに入れるかと思います。 そういう部分で、プレイのしやすさもありますよ。 ストーリーの方ですが、フリーゲーム100%ストアに掲載されている紹介文を引用しておきましょう。 高校に入学して一ヶ月経ったある日のこと。 こんなストーリーになっています。 広告に偽りありってw いやいや、そんな事ないハズですよ? 普通に楽しくて面白い作品でした。ドタバタ学園コメディってなってますけれども、寧ろコメディタッチだってすぐに分かりますからそこまでドタバタ感はない、というか一般的なドタバタとはちょっと違いますよね。本当にドタバタとバトルが始まってしまったりするルートもあるわけでw ストーリーの補足をしておくと、主人公の源氏郎とその友人達は、生徒会長の強権によって半ば強引に生徒会に入会させられてしまいます。 その生徒会を中心とした学園コメディという感じですね。 早速、恒例の脱線に入っちゃうんですけど、いいですか……? 生徒会って私は中高を通して所属していた事ってないんです。高校の時に推挙で学級議長ってのになったくらいかな? なんだけども生徒会の面々とは結構つるんでいました。 いや、本当にこんな事を書くのは烏滸がましくて恥ずかしいんだけども、或る意味で私の恥をさらしていくのがこのブログ、という事で思い切って書いてみます。 なんで、私が生徒会の連中とつるんでいたのかというと、若かりし頃はそれなりに見れる見た目だったので、高校の時にね、ファンクラブってのがあったんですよ、勿論私のです。いや、本当にこういう事を書くと馬鹿みたいなんだけども、まぁ物好きな人も居たって事で。 で、そのファンクラブの面々は、生徒会長以下、生徒会の女性役員が中心だったんですねぇ。生徒会長の女の子とした会話の中で覚えているのは、彼女が「寒い時に体が前屈みになるのは、風の抵抗を少しでも減らそうとする人間の本能」と教えてくれた、その会話だけだったりしますがw あっ、ただね、何故かイベントとかもあって、みんなで東京ディズニーランドとか行った記憶もありますね。 東京ディズニーランドと言えば、脱線も脱線なんですが、私はきっとこれを読んで下さっている皆さんよりもかなり早い段階で、遊びに行った記憶があります。具体的に言えば「公式オープン」前に東京ディズニーランドで遊んでいるんですよ。まぁ、東京ディズニーランドっていっても本当は千葉にあるんですけれどもね。 で、何でオープン前に遊ぶことが出来たのかってーと、当時浦安市民だった人には、オープン前招待券が配布されていて、そういう関係で遊びにいけたと、まぁそういう訳です。 久々に脱線しまくったぜ。 話を戻して、生徒会での活動を通じて、色んな事件があったり、恋愛が展開されていったりと、そういう構成になっています。普通の学園恋愛コメディとはちょっと違うでしょ? そういう「ちょっと違う」を積み重ねていくと、結果として本作みたいに良い意味で「かなり違う」作品になるんですねぇ。そういう意味でも興味深い作品です。 で、ルートとしては完璧超人生徒会長の夜重(ヨルエと読みます)と、クール系武闘派副会長の秋子の二つのルートが。以下、それぞれのルートについて、いつものように解説めいた事をつらつらと述べていきましょう。 先ずは夜重ルート。 ストーリーの紹介でも分かるように、どうやら主人公の事を知っている様子です。けれども、記憶力や察しの悪い主人公はどうしても思い出せないという。 夜重の名字が「カミナリ」って言いまして(咬鳴と書きます)、恐らくそれがタイトルの『サンダガ』に繋がっているものと思われます。サンダガっていったらファイナルファンタジーの雷系の魔法だもんね。また、雷みたいに激しい女の子という意味もダブルミーニングで掛かっているようです。 いや、カミナリ(以下、夜重をカミナリとする)なんですが、可愛いんですよ。 普段は超絶なカリスマ生徒会長でありながら、何故か主人公にはデレデレ。お弁当を作ってきてくれたりしますし、「特に用事はないけれども、声が聞きたかったから……」なんていって電話を掛けてきてくれたりして。 こういう電話はちょっと反則ですよねw それやられたら一発でオチちゃいますね、私だったらw 私が最初に入ったのがこのカミナリルートなわけですが、やはりタイトルのリンクとかを含めて、こちらがメインルートかな、という気がします。あっ、勿論秋子ルートの方も毛色は全然違うんだけども、ばっちりと作ってあって滅茶苦茶楽しめます。 これはどちらのルートにも共通している事なのですが、細かいちょっとした演出が上手いですよね。例えばこのカミナリのルートではカミナリがお弁当を作ってきてくれて、例によって主人公に食べさせるわけですが、やっぱり例によって檄マズ弁当なわけですw で、その「檄マズ」の演出とか、思わず笑ってしまうようなものでした。 他にも、やたらと嫉妬深いカミナリが(別にその段階で付き合ってるとかじゃないんですよ?w)、主人公の何気ない一言に反応して「ピシッ」と凍り付いてやたらと冷たいまなざしを送ってきたりする際に、一瞬BGMがピタッと止まったり、はたまたショックを受けて真っ白になってしまう演出とかが面白いんです。 こう書くと、「よくある演出じゃねぇ?」とか思う方もいらっしゃるでしょうが、なんて言うか、その演出のタイミングみたいなものが凄くいいんですよね。馴染みのある演出でも、そのタイミングとかによって物凄く化けますね。 そうそう、細かいギャグも結構面白いですよ。 途中で、主人公の前の彼女の話が入ってきて、そこだけちょっぴり浮いてるような気もするんですけれども、その中身自体は小気味よいものでした。人によっては「ちょっと蛇足かも」と思う人がいるかな、といった感じでしょうかね。なんて言うか、その前の彼女とのくだりだけで、一本作品になっちゃうような、そんなお話が挿入されていました。 で、勿論ラストも良かったですよ。 学園祭で演劇の演し物として、生徒会がシンデレラをやるわけですが、是非是非グーなラストはご自身で確かめてみて下さい。 さて、秋子のルートなのですが、クール系で私の大好きなタイプの女性です。しかも木刀を振り回す武術家としての面もあって、敢えて言ってしまえば「伝奇とドタバタ学園モノを足した感じ」という印象でしょうか。 いや、別に「ヤツの第三の目が……」とか「代々続くあの家の異能が……」とかそういうのは出てこないのですが、バトルの描写とか、秋子の立ち位置、或いは主人公が秋子のお爺さんに伝授して貰う必殺技とか、少し伝奇っぽいテイストが感じられるものとなっています。 クールでガードが堅い感じの娘が、少しづつうち解けてくる様子とかは、もうニヤニヤしちゃいますねw カミナリとはベクトルが違うけれども、やっぱりとっても魅力的なヒロインです。 秋子ルートは伝奇っぽい部分と学園モノを足してる感じ。 特に秋子のルートで盛り上がってくるのは、ラストの会長と主人公双方が陣営を張って、バトルを行う、というところでしょう。少し伝奇っぽいコテコテ感があったりするんですが(必殺技とかね)、これはこれで熱い展開ですし意外にも面白かったです。 全体的にこんな感じで、熱い展開あり、ラブラブありの楽しい作品になっていたと思います。 私自身のゲームの好みって、割と暗いというか、そういうのが好きなんですけれども、本作はなんだかとっても楽しくて、健やかな気持ちになれるような、そんな感触で愉しませてもらいました。 初っぱなで「マリみて」のネタが出てきたり、主人公に兄の事を憎からず思っている(恋愛的な意味で)妹がいたりと、よくあるタイプの部品は確かに存在しています。だけれども、今までつらつらと述べてきたように、“よくある”を少しずらしたり、或いは別のジャンルのものと合わせたり、或いはその“よくある”の発動タイミングが絶妙だったりして、独自の世界になっていました。 そういえば妹が二人いるっていうのもあんまりないよね。 細かい点で見ていけば、過去に、カミナリと主人公って何で一旦離ればなれになっちゃったの? とか、前の彼女の別れるいきさつがなんだかすっきりしないとか、或いは、妙にキャラの名前が難しいとか、つっこめる所はあるものの、それを押し切ってしまえる、そんな熱くて楽しさ全開の作品だったのではないでしょうか? 落ち込んだ時なんかにプレイしてみてもいいかもしれませんね。 本当に楽しい作品なので、是非是非プレイしてみて下さい。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2008-11-06 19:02
| サウンドノベル
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