1 2007年 12月 12日
![]() 今日の副題 「熱き絆」 ※吟醸 ジャンル:学園青春友情ストーリー(?) プレイ時間:一ルート一時間ちょい。全部で三ルート。 その他:選択肢有り。バッドエンドも。システムはYuuki! NOVEL かなり神経質なタチの私は、時々こうやって眠れなくなります。 しょうがないからお酒の力を借りて眠るようにしているわけです。お酒は本当に弱いのですが、それでも結構呑むのは好きだったりします。悲しいことに、一人で自宅で呑むのが一番気楽です。 というわけで、道玄斎です、こんばんは。 本当は、日付が変わるあたりでゲーム自体はプレイし終わったのですが、オマケシナリオ(かなりのボリュームがある)をやったり、風呂に入ったりしていたらすっかり丑三つ時になってしまったのです。 いや、結構不眠症というか、睡眠障害的な所もありまして、眠れないなんてことが屡々あります。薬に頼るという方法もあるのですが、あんまり安直に薬に頼るのもねぇ? というわけで、ここ数年は専らお酒のお世話になっています。 今も、マグカップ(変なもんで呑んでますね……)一杯分の焼酎のアルコールが入った状態です。ちょっといつもより饒舌なのはそのせいです。 あと数時間しか眠れないわけですが、頑張って今日のレビューを書きましょう。 今日取り上げるのは、「ねこじゃらし」さんの『ムゲンの絆』です。 既存の、或る意味で飽和状態にあるような学園モノに挑まれた、挑戦的な作品だったのではないかと思います。 良かった点 ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。 四人の仲間によって、いつまでも続いていくと思っていた日常。 こんな感じ。 意欲的な作品だと思いました。 しかも、なかなか熱いです。既存の学園モノに挑んでいくような創作姿勢は高く評価したいところです。 「オマケシナリオ」のボリュームもかなりあって、どっぷり作品を楽しむ事が出来ました。 「後書き」では、作者様が作品についてかなり深く、そのテーマなどを語って下さっています。 けれども、そうした作者様の本作に対する意図みたいなものは、それはそれとして尊重しつつ、私が感じた事、プレイした印象なんかを、あまりそれに囚われずに書いてみようかと。 まぁ、いつもの形式ですなw 基本的に全部で八島ルート、当麻ルート、日向ルートと三種類(日向ルートはちょっと危ないエンドに到達出来たりもする)あるわけですが、或る意味で王道の学園モノでありながら、一味違うものを感じます。シナリオによっては、安直に「二人は結ばれましたメデタシメデタシ」で終わらない、一ひねりが加えてあります。 それは、恋愛がメインとなるというよりも、幼なじみ達の友情や絆、そうしたものこそが、本作を支えている重要なファクターだからです。 こうした幼なじみ達の友情や絆を更に支えているのは、日向というキャラであります。 一応、男性主人公の友人、というまぁ良くある立ち位置のキャラです。 けれども、「兄貴分」としてみんなを引っ張っていくリーダーでもある彼は、積極的に物語の中に介入し、とてつもない存在感を見せていきます。 主人公である月下部(かすかべ)君が、この日向の背中を追っていくような、まさに「アニキ」的なキャラとして存在しているわけです。 この日向の存在が無ければ、本作は凡作になったかもしれない、と思わせる程の存在感で、私は個人的にこういうキャラが大好きです。本当に、魅力あふれるキャラでした。 八島ルートは、或る意味で最も「王道」的な学園ストーリーかもしれません。 けれども、作者様が語っておられるように、「自立」という一つのテーマが、この八島ルートを支えており、安直なハッピーエンドではなくて、「その後」があるような、余韻を残した終わり方で一ひねりあったと思います。 私が個人的に一番お気に入りの当麻ルートは、なんだか妙に共感出来る所がありました。 過去の出来事に囚われつつ、必要以上に皆の期待に応えようとする彼女はいじらしさやそれ故の脆さを感じさせながらも、魅力的なヒロインになっていました。立ち絵(素材ですよね?)も可愛いしね。 で、日向ルートですが、このルートを選択すると裏ヒロインの星野さんが出てきます。 主人公である月下部は、このルートでは脇役というかそういう立ち位置になります。 みんなを纏めるリーダーの意外なトラウマがかいま見れるシナリオです。が、やっぱりこの日向って男はカッコいいんですよねぇ。 本当に凄く魅力的なキャラで、本作の中で一番好きなキャラですね。 八島・当麻ルートは恋愛の要素も入ってくるのですが、先に述べたように友情や絆が全てのシナリオを支えている重要テーマ。 しかも結構熱血というか、熱いシナリオの展開を見せたりもします。 読後には、一種の爽やかさというかすがすがしさを感じますねぇ。 学園モノというのは、なんだかんだで恋愛に収束してしまうのですが、こうした友情・絆という大テーマが根底に存在している為に、一味違った学園モノが楽しめます。 さて一方で気になった点ですが、是非、立ち絵もオリジナルのものがあったらなぁ、と思いました。本作では結構キャラクターメイキングにこだわっているようで、悪役の下っ端みたいなものにもちゃんと設定があったりします。 それが、素材絵になってしまうと、そうしたキャラクターの個性が少し薄まってしまうような気がするのです。結構見たことあるヤツが多いんですよね。そうするとダイレクトにキャラの持ち味が伝わりにくいような気がしますねぇ。 あと、システムでしょうか。Yuuki! NOVELなので、バックログが見れなかったりするのはちょっとな、と。 本当に良い作品だったと思います。 大体、一ルート一時間ちょいくらいかな。この短さで、あれだけの内容を語れるのは凄いことです。ただ、少し消化不良を感じる点もなきにしもあらず。 それぞれのシナリオの後半部分が、割と急な気がしました。悪の組織たる生徒会の悪行w のあたりです。 もう10分くらい、最大の持ち味である友情や絆を更に掘り下げていくような描写と共に、事件が語られれば言うことなしですね。 ともあれ、今までの学園モノに挑戦していくような試みは大いに評価したいです。 それに結構考えさせるものも持った作品なんですよ。 私自身は、当麻シナリオが一番のお気に入りなのですが、それは当麻に感情移入をしてしまっているせいでしょう。 器用そうに見えるけれど、実は誰よりも不器用なそんな当麻がいとおしくてしょうがありませんw この当麻シナリオもそうなんですが、どのシナリオもやっぱり、色々と考えさせられてしまいます。それはやはり、「学園→ヒロイン→事件→恋愛成就」みたいな或る意味でステレオタイプ(勿論、そういう作品が駄目っていう事じゃなくてね)なストーリーを目指したもの、というよりも人物の心の動きなんかに力を入れた作品だからなのでしょう。 学園モノに食傷気味の方は是非プレイしてみて欲しいと思います。 まだまだ、こうして見てみると学園モノにも色んな可能性がありますね。 本作が、第一作目となるようですが、今後も注目に値する作者様です。 あと二時間半くらいしか眠れないのですが、ぼちぼち酔いも廻ってきたようです。 それでは、おやすみなさい。 ▲
by s-kuzumi
| 2007-12-12 04:55
| サウンドノベル
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