1 2008年 06月 09日
![]() 道玄斎です、こんばんは。 今日も番外編。何の気無しに、ベクターを見て回っていたらちょっと目にとまった作品があったのでご紹介。というわけで今回は「Shape heads」さんの『short fiml』です。作者様のサイトに何故か接続が出来なかったので、ベクターのリンクを張っておきます。 全部で小さいお話が三つ収まって『short film』という作品を成しています。 そのまんまショートフィルム的な感じですね。 三つが三つ、別個のお話なので(一話目と二話目は微妙に関係があるのだけども)特に個別に解説めいた事を書くのはやめておきましょう。それに全部読んでも10分くらいの短い作品ですから。 少しだけフォローしておくと、三人の悩める(?)女の子のショートストーリーですかね。 何というか「ちょっといい話」を三つ集めた、って感じかしら? 背景画像のヴァリエーションも少ないし、立ち絵や一枚絵があるわけでもない、或る意味で「文章」と雰囲気で読ませる作品だったな、と思います。 考え方にも拠るけれども、立ち絵って必須条件ではないですよね。商業のゲームだったら必要かもしれないけれども、フリーや同人作品の場合、必ずしも必要な訳じゃない。寧ろ立ち絵が無い事が良い影響を与えているような作品もあるのです。本作もそのタイプ。 ちょっと二話目の女の子が個人的に厭な感じなんですがw 第一話、第二話は雨降りの場面が出てきたりするので、今の季節にぴったりです。 ほんの少しだけほっと出来るような優しい作品。雨降りの日に読んでみて下さい。 それでは。
タグ:
▲
by s-kuzumi
| 2008-06-09 21:17
| サウンドノベル
2008年 06月 09日
![]() 今日の副題 「和風のホラーの本質」 ジャンル:和風ホラー プレイ時間:一ルート20~30分程度。 その他:全部で3ルートあり、13歳以上推奨。 システム:フラッシュ(ブラウザ上でのプレイとなります)。 制作年:2006/9/16 容量:- (ブラウザ上で楽しむゲームなので) 道玄斎です、こんばんは。 最近、妙に寝付きが悪くって、一度床に入ったものの、寝付けずに起き出してきてはゲームをやっています。本当は、こんな丑三つ時に恐いゲームなんてプレイするもんじゃないのだけども、ある種の開き直りで、こうしてプレイ。 これもご紹介頂いたものですね。フラッシュでプレイするので、変則的になってしまっていますが、ご容赦を。 というわけで、今回は「Arim Lab」さんの『桜闇夜奇譚~黒羽根~』です。 良かった点 ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。 どことも知れぬ地に人間とあやかしが入り乱れて住む町があった。 こんな感じのストーリーです。 面白いな、と思ったのが上記のストーリー紹介でも分かりますが、私の言うところの「サンドウィッチ構造」になっている、という点。 誰かが、物語を語り、その語られた内容が本編での主要な位置を占める、というようなタイプです。もうちょっと本格的な用語(?)にすると「入れ子構造」という事になりましょうか。 私も、入れ子構造ってだけでワクワクしちゃうので、本作も楽しめましたよ?? 誰かが語る内容が、物語の中身、という本作のタイプは或る意味で「非常に単純」な入れ子構造の例ですが、入れ子構造って名作の商業ゲームにも多いですよね。 そうね……、有名どころだと『AIR』なんかがそうでしょ、あと『リトルバスターズ!』とかも。ちょっと複雑だけれども、これらも入れ子です。 入れ子にすると、もうお分かりの通り、「厚み」が増すんですよね。壮大になる、って言い換えてもいいかな? 段々、ここで使ってくる用語の増えてきましたね。今度「箸休め」にでも、纏めておきましょう。 さて、本作をプレイして色々と考えさせられました。 「和風ホラーとはなんぞや?」という問題です。 単純に、「洋館」だとか「悪魔」だとか、そういうのが出てきたら西洋風。一方で「幽霊」「山村」「廃屋」なんてのが出てきたら和風と、割とアバウトに私自身、ホラーを捉えていました。 今回、色々考えてみて、ひとまず思ったのは、 「洋風は、現象で怖がらせるけれども、和風が雰囲気で怖がらせる」 という、そういうのがあるんじゃないかな、と。 一番分かりやすい例を挙げると、ジェイソンです。 ストーリー的に色々あるわけですけれども、恐いのはあのホッケーマスクを付けて鉈だ斧だってのを持ち出して襲ってくる、というその「現象」そのものがインパクトがあるわけです(で、いいよね……?)。 一方で和風だと、先ず、閉鎖的な山村だとか、そこに根強く残っている因習といった舞台装置(=雰囲気)が大きな役割を果たすわけです。勿論、最終的な「現象」面では、西洋も和風も同じような事になってますが、その舞台の示す隠微な空気感、それこそが和風ホラーのキモなんじゃないかなぁ、なんて。 本作も、滅茶苦茶恐いんだけども、何が恐いって、神社や花街が近くにある作中の舞台であったり、花嫁が神社にて婚姻前に行わなければならない儀式といった、そういう舞台装置が作品の怖さを後押ししているんですよね。 人の通らない狭い裏路地の影、祭りの後の神社の寂寥感、障子に写った影、ぽとりと落ちる牡丹の花……。 そんな我々になじみの深い、怖さを盛り上げる為の「雰囲気」みたいなものを結集している印象です。和風、を追求なさっているだけあって、物凄く考えさせられる作品になっていたのではないでしょうか? 私も和風という事ではそれなりに詳しいので、ちょっとアレコレ考えてみたのでした。 大体、日本の昔から伝わる恐い話ってのも、そういう雰囲気が恐いんだよね。 アレは『今昔物語』だったかな?? 確かこういう話があったんです。 深夜、御所の中を女房達が歩いていると、木の陰に君達(きんだち、ね)が居て、女房達を招いている。女房の一人がその君達の側に近寄っていったけれども、他の女房達は何となく薄気味が悪いので、そのまま通り過ぎた。 まぁ、こんな感じの話です。 恐いのは「深夜の御所」という空間、そして木の陰という何とも隠微な場所から招く君達という雰囲気なんですよね。実際の所、そいつが鬼であったとか、女房が惨殺(というか喰われてたんだけども……)されたとかいう「現象」面は全然恐くない。他にも『今昔』には、深夜の管理する人もなく荒れ果ててしまったお堂とか、深夜の橋のたもととか、そういう恐い「雰囲気」が満載のお話が多く入っています。 大体、日本の古式ゆかしいホラーって、「現象よりも雰囲気」という感じがするのですが、如何でしょうか? 又しても脱線しまくってますね……。 話を戻して、本作では、エンドが三つあります。 面白いのは、エンドごとに内容が異なる、という点です。いや、当たり前の事なんですが。。 詳しく言うと、先にお話した入れ子と関係があります。中に入っている物語の選択如何で、外の入れ物自体も変質する、というタイプです。少しネタバレっぽくなってしまうので、ぼかしてますよ? 当たり前っちゃ当たり前なんだけども、中々良くできていたんじゃないかな、と。 で、恒例の気になった点ですが、やっぱりブラウザ上でプレイしますから、操作性が……。ちゃかちゃっとクリックで読み進める事が出来なかったり(それでも速度調整とかは可能。ゲーム画面の上部にカーソルを持っていくと、或る程度の設定は出来る)、セーブ/ロードが出来ない、という致命的なプレイのしにくさがあります。 選択肢で、三つのエンドに分岐するわけですから、セーブ/ロードが出来ないとちょっとプレイがしんどいですねぇ。 一応、こうしたプレイのしにくさを解消すべく、二回目移行は場面スキップ機能があるのですが、それでもちょっと、ね。 あとは、結局、本作の「現象」面の黒羽根とは何者なんだ? という所が消化不良になってしまっている、という点でしょう。尤も、それは続編の構想があって、本作では明らかにならない、という設定上の問題みたいです。 それに、「現象」よりも恐いのは「雰囲気」ですから、実はそこまで気にならないんですよ。 人のねたみ・そねみといった負の感情が、ちょっぴり示唆されていて、そういう空気感が物凄く恐い。 プレイのしにくさはあるものの、「和風ホラー」あるいは「ホラー」作品そのものを考える上での、ヒントが詰まった作品なんじゃないかと思いました。 興味のある方は、是非プレイしてみて下さいね。 ▲
by s-kuzumi
| 2008-06-09 04:41
| サウンドノベル
1 |
アバウト
カレンダー
メモ帳。らしきもの。
■レビューリストを作りました。随時更新予定です。こちらからどうぞ。
■ノベルゲームのコミュニティと素材ポータル始めました 制作者の方とプレイヤーを繋ぐような、そんなコミュニティを作りました。 こちらからどうぞ。 そして、ゲーム制作に利用出来る素材ポータルサイトも作りました。 こちらからどうぞ。 どちらも、是非ご覧になってみて下さい。そして、ご参加/ご利用頂ければ幸いで御座います。 フリーのノベルゲーム/サウンドノベルをレビューをやっております。たまに私のどうでもいい日々之記録が入る事がありますが、ご了承下さいませ。 ・“引用”としてスクリーンショットやストーリーの概略などの文章を使わせていただいております。問題が御座いましたらご連絡下さい。対処いたします。 連絡先はkazenitsurenaki あっとまーく gmail.com です。 ・レビューは「甘口~中辛」くらいです。 ・評価は完全に私個人の主観に基づいています。評価は「大吟醸」「吟醸」「無印(=純米)」の三段階となっております。参考までに。 で、実は、 こちらが本館です。ブログは別館的な位置づけなのですが、何故かこちらがメインになってしまっています……。バナーなんかもあるので、リンクを張って下さる方はご利用下さいませ。 リンクに関しては、お好きにやっちゃって下さい。許可なんかは一切要りませんので。 本館の方では、謎の音楽制作などをやっております。こっそり更新している事もありますので、たまに見てやって下さると嬉しいです。 カテゴリ
以前の記事
2020年 08月 2020年 05月 2020年 01月 2019年 12月 2018年 09月 2017年 09月 2016年 12月 2016年 06月 2016年 04月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 10月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||