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2008年 11月 15日 ( 2 )


2008年 11月 15日

フリーサウンドノベルレビュー 『一日千秋』

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今日の副題 「俺も、もしかしたらあの時……」

ジャンル:大人向け恋愛掌編(?)
プレイ時間:30分程度。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2008/8/16(Ver.1.00)、 2008/11/13(Ver.1.10、本レビューはこのウェブ配布版にてプレイ)
容量(圧縮時):54.5MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は久々、一日二回更新。取り上げる作品はお馴染み「さくらミント」さんの『一日千秋』です。
この作品は確か夏コミにて頒布された作品だったように記憶しております。フリー版も出すかも? というような告知を見て、正に私も一日千秋の思いで、それを待っていたわけですが、先ほど、「さくらミント」さんのHPを見ていたら何とフリー版が出ているではありませんか。
早速落として、プレイ、というわけです。
良かった点

・大人向けの恋愛を描く作品。

・中盤からのドキドキ感が良いアクセントに。


気になった点

・ラストでガツーンと盛り上がっても良かったかも。

さて、ストーリーはサイトの方から引用しておきましょう。
「マナブさん、しばらく、会わないでいましょ」
盛夏のデートで、滅多に自己主張しない恋人の千秋が俯きながら言った。

気付かぬうちに溜まっていった千秋の抱える不満や不安。
そしてお互いに引き際を誤った末に千秋が怒った。

「……一ヶ月後の日曜日。お昼にここで」

そして夏も終わりに近づいた、一ヶ月後の日曜日。
待ち合わせ場所に向かう途中、懐かしい姿を見つけて声を掛けた―

こんなストーリーになっています。


久々にちょっと大人向けの恋愛ストーリーを楽しむ事が出来ました。
ハイスクール恋愛モノも好きなんですけれども、流石に歳を取ってくるとですね、ちょっと共感しにくい部分みたいなものが増大していくので、本作の様な大人向けの恋愛モノが実は読みたかったんですよね。
キャラの可愛さとか、可愛い属性みたいなもので押していくのではなくて、もっと、こうしっとりとした滋味溢れる作品だったと思います。
そういえば、立ち絵は素材絵のようですが、ありきたり感は無く(お馴染みの素材立ち絵ではないんですよね)、美麗で好感の持てるものだったと思います。

プレイしていった時に、「まさか『ぼたんゆき』では……?」とか、「もしや、○○は○○で……」とか邪推をしてしまうのは、私の心が汚れているからでしょうか?w
こういう風に、千秋を待っていたハズなのに、妹の早苗が出てきてしまう、なんてシチュエーションが出てくると、その瞬間に「裏」を読みたくなってしまうのは、こうしたノベルゲームをやり過ぎている弊害なのかもしれません。

それは兎も角、短編、それも掌編と言っても良いような、短い作品でした。
大体、のんびりプレイしても30分くらい。読むのが早い人だと20分くらいって所でしょうか。
この短さの中にお話を綺麗に纏めているのは流石の一言。

やっぱり、こう、大人の恋愛を描くわけですから、或る程度歳を取っている私も色々考えつつ、本作をプレイしましたよ。
中盤、早苗さんが主人公のマンションに上がり込む辺りから、かなりドキドキ指数があがってきて、何故かこっちが妙に気恥ずかしくなってしまったりして。作品の中の一つの盛り上がりとして、このドキドキ描写、良かったと思います。
あれはね、「手を出さない」んじゃなくて、「手を出せない」んですよ。そんなねぇ、すぐに姉妹とはいえ、別の人に手を出すような事って、節操ない人なら別ですけれども、普通は引きずっているものとか、そういうものが頭の中をグルグル回って、理知的な対応をするハズです。そういう部分、何気ない描写なんだけども、自分自身を投影して読んじゃいますよね。


ラストの下りは、シンプルでありつつもやっぱりいいとこ突いてきますよね。
私も昔、「あのぉ……そろそろご両親に紹介して下さいません……?」とか情けない事言わないで、ズバッと「君が必要。結婚してよ」って言えば良かったのかもしれませんねぇ……。今更なんですけれどもね。
で、実は、気になった点は、このラストです。もうちょい千秋の抱えていた不満を描写して、ラストで一気にそれを解消するような、そんなラストでの盛り上がりがあっても良かったかな、と。
一つ、物語の重要な軸は、この千秋の不満な訳ですから、もうちょい説明というか描写が欲しかったです。

とはいえ、昨今珍しい、大人の恋愛を描いた作品で、ちょっと胸の中にそっとしまっておきたいような、そういう短編作品でした。
すれ違ったり、わかり合えなかったり、誤解をしたりするけれども、恋愛っていいよね、そう思える作品ですね。


高校生の恋愛モノにちょっと食傷気味の方は、是非プレイしてみて下さい。
少し、年齢が行っていると、物凄く共感出来る部分が多いと思いますよ?


そういえば、『月照 ~ツキノテラス~:Re>Re』が、

グレップさん

虎の穴さん

で購入出来るみたいです。興味があれば、是非そちらもどうぞ。不肖未熟の身である私が、何故かライナーノーツを書かせて頂いているものです。 
オマケシナリオもボリュームたっぷりで個人的にもお勧め致しますよ?


それでは、また。

by s-kuzumi | 2008-11-15 23:02 | サウンドノベル
2008年 11月 15日

フリーサウンドノベルレビュー 『死神達の四重奏』

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今日の副題 「終わりの始まりの終わり」

ジャンル:ミステリー(?)
プレイ時間:1時間半
その他:選択肢なし、一本道。
システム:吉里吉里/KAG(?)

制作年:2006/12/?
容量(圧縮時):80.6MB




道玄斎です、こんにちは。
今日は昨日ちらりと予告しておいた作品のご紹介。
美麗なイラストとちょっと気になるタイトルで、随分前からダウンロードだけはしてあったものです。というわけで今回は「東達」(ヒムガシズと読むようです)さんの『死神達の四重奏』です。
良かった点

・ヒロインの霧絵のイラストが可愛らしく、ちょっとプレイしてみようかな、という気に。

・テンポ良くさくさくとプレイ出来る。

・ちょっと後味が悪くほろ苦いエンド(個人的に結構好きw)


気になった点

・霧絵と主人公の交流にもっと時間を掛けて描写しても良かったかも。

・バックログが上手く機能しない部分が。

ストーリーは、サイトのURLを張っておきましょう。フラッシュになっているのですが、そこで「ストーリー」をクリックすれば読むことが出来ます。こちらからどうぞ。


少しミステリーチックな作品でした。このタイプの作品をプレイするのは久々な気がします。
タイトルに「死神」なるちょっぴり不穏な言葉が入っているわけですけれども、ほんのちょっぴり伝奇っぽい部分があります。
顕著なのは、ヒロインの属性でしょうか。とある事情により、ヒロイン霧絵は、18:00までに一度死ななければ、19:00には完全消滅してしまうという、特殊体質(?)になっています。
その事情に絡むのは、彼女の主治医(というかモグリの医者っぽい)通称ペルセポネーさんという魔女であり、主人公、そして悪友役のポジションである真生なのでした。
とはいえ、コテコテの伝奇とは違うので、伝奇があまり得意でない方も、楽しめるのではないでしょうか。

ですので、ストーリーとしては、霧絵が居なくなった10年前に何があったのか? を探っていく、というそういう感じの作品になっています。

ヒロインの霧絵は可愛いですね。
ちょっと上品な感じがあって、中々魅力的な女の子。前述の通り、ちょっとヤバい属性を持っていたりするわけですけれども。。
この霧絵が10年振りに転校生として主人公の学校にやってきた、という所から物語は始まります。まぁ、良くあるイントロですけれども、お気楽ハイスクールラブコメとかではないので、こういうのもアリかなっと。

さて、一つ何となくプレイしていて気になった点は、転校してきた霧絵を巡ってストーリーが進んでいくのですが、テンポが良すぎちゃって、もう少し霧絵と主人公、或いは真生との日常のなんてこと無いやりとりを描写しても良かったのかな、と個人的に思いました。
作中時間でもせいぜい4日くらいしか進展していないので、もうちょっと主人王が霧絵を助けたいと思うような動機の一つとして、彼女との交流があっても良かったように思えます。
勿論、テンポよく進んでいく、という部分は、長所ですよ。


後半、ストーリーがかなり黒くなってきます。
10年前の真実が明らかになるわけですが、一瞬、「こういう事だったのか……」と面食らうような部分が。けれども、落ち着いて考えてみると、作品のイントロ部分でかなりの伏線が張られていた事に気がつきます。
一見、かなりぶっ飛んだ事実が、と思いきや、ちゃんと丁寧に読んでいけば理解出来る、という感じでしょうか。タイトルの意味なんかを考えてみるのも、作品のラストへ繋がるヒントになると思いますよ。

ネタバレを回避しつつ書いているのですが、そうねぇ、やっぱり後半~ラストに掛けてちょっと後味の良くない部分があります。最後の最後に出てくる一枚絵は、とっても印象的で最後のシメとして相応しい演出だったと私は思うのですが、こういうラストの後味の悪さが苦手な人はちょっぴり注意が必要かも。
私は、割とほろ苦さが残るような後味の悪さって結構好みなんですよねぇw

本当に最後まで読んでいくと、霧絵のイメージも結構変わると思いますよw
ただ単純に可愛いキャラ、というのではなくて……。
その、最後まで読む「女って怖いなぁ……」とw 今更ながらに感じてしまいます。


大体、気になった点も含めて纏めるとこんな所でしょうか。
そうそう、バックログが上手く機能しない部分があって、そこは気になりましたね。なんか、バックログを使用すると、かなり前のテキストが出てきちゃって、本当に読みたい「直前のテキスト」が表示されない、という事が屡々。

今日は脱線もしないので、このくらいの長さで。
少し後味の悪い部分はあるものの、サクサク読むことが可能ですし、霧絵のイラストは可愛いしw ちょっと暗めの作品が好きな人なんかは是非プレイして貰いたい作品です。


それでは、また。

by s-kuzumi | 2008-11-15 15:05 | サウンドノベル