1 2009年 10月 30日
![]() 道玄斎です、こんばんは。 今日は一日二回更新。ちょっと気になるタイトルの作品を見つけてプレイしてみたら、10分未満だったので、さっくりご紹介してみようかと。番外編ですので、良かった点・気になった点を特に項目立てて挙げたりは致しません。 というわけで、今回は「イッツウ舎」さんの『感情線』です。ちなみに“リメイク版”にてプレイしています。 10分もあれば読了可能な短編です。 ただ、10分という容量を考えてみれば、かなり内容がギュッと詰まっていたんじゃないでしょうか? 読んでいくと、何となくオチが読めるような……そんな気がするんですが、そうしたプレイヤーの推測を分かった上でしっかりと裏切ってくれるので、満足度が高めかも。 「お? ちょっとやってみようかな?」と思わせてくれるような、素敵なイラストも付いていましたし、音楽も作品の雰囲気に合ったものだったと思います。 色々考えてみると、多分、長編で名作を作るよりも、短編で感動させる方が難しいんじゃないかな、と思います。それは、過不足なくストーリーやキャラクターを描写しなければならず、プレイ時のテンポなんかも計算して作ると思しいからです。 いや、別に長編が良いとか短編が良いとか、そういう事じゃなくて。 短編としてしっかりとした存在感を持たせ、一つの作品としてパッケージングする、というのは、結構高度なんじゃないか、という事ですね。 そういう意味で、本作、中々センスの良い作りだったと思います。意図的にある情報が最初から最後まで伏せられたままなのですが、それが全然違和感を感じる事が無く、又、作品の核になってる部分と直結しており、そうした処理の仕方はとても上手かったです。 ミスリードって云ってもいいのかな? 先に述べましたように、ちょっとプレイヤーの意表を突くような、仕掛けもありました。分かってしまえば何てことない、割とよくあるトリック(?)なんですが、その出し方なんかにもやはりセンスが感じられますねぇ……。ある植物をストーリーの中で効果的に使っていったり、と小技の効いている印象。 少し気になった点としては、あるシーンで出てくる効果音、あれに地の文で「擬音」を書いてるんですよね。俗に云うオノマトペってヤツです。あれは効果音だけ鳴らして、文章として示さない方が良かったんじゃないかなぁ……とチラッと思いました。 あと、個人的には10分程度の短編ですし、インストール無しでさっくりプレイ出来たら、より良かったかな? と思います。 大体こんな所でしょうか? 10分で読了可能な作品として、クオリティが高いのではないかと思います。気になった方は是非プレイしてみて下さい。 それでは、また。 ▲
by s-kuzumi
| 2009-10-30 22:00
| サウンドノベル
2009年 10月 30日
![]() 今日の副題 「下ネタ多め。だけど、実は物凄く丁寧です」 ※吟醸 ジャンル:キモイ系童貞ノベル(?) プレイ時間:1ルート1時間ちょい~1時間半くらい。 その他:選択肢有り、3つのルートに分岐。バッドエンドも。 システム:NScripter 制作年:2006/09/28(本レビューは2009/9/5更新のVer.1.09にて) 容量(圧縮時):48.0MB 道玄斎です、こんばんは。 この前ちらっと予告しておいた「笑える」作品です。リリース直後にプレイして、今回改めてプレイし直してみた、という事になります。頭の中に残っていた印象よりも、ずっとシリアスな部分があったり、普通にノベルゲームとして(ギャグだけじゃなくってって意味)楽しめる作品でした。 というわけで、今回は「ヨーグルシンジケート」さんの『ふらすと! レヴォリューション』です。最近プレイした『さよなら C.C Summer Days』と同じ作者様の第一弾作品ですね(微妙に舞台が被ったり、同一キャラが出ていたような……)。 良かった点 大体、こんな所でしょうか? ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。 舞台は小さな地方都市。 ストーリー紹介になっているのか、なっていないのか、微妙な所ですけれども、それは恐らく、ゲームを開始して、かなり初期の段階で、ルートが完全に分岐してしまう、という事情に拠るものと思われます。 しかも、中途半端な分岐じゃなくて、本当にすっぱり、全然テイストの違うルート3つに分かれていくので、ストーリーをまとめると、どうしても上記のような説明になってしまうのでしょう。 で、実に、3年ぶりにプレイした事になります。 最近、ちょっと楽しい、というか良い意味で「お馬鹿な」作品をプレイしたいなぁ、なんて思っていて、真っ先に思いついたのが本作(と某グルメマンガのパロディノベルゲーム)だったのですが、改めて全てのルートをプレイしてみると、記憶していたよりも、遥かにストーリーとしてしっかりしたものを持っていて、普通のノベルゲームとして楽しめてしまったのでした。 作者様自ら「キモイ系童貞ノベル」と本作のジャンルを書いているわけですが、云うほどひどくはないよ、ね? 下ネタで責めていく、みたいなルートは相沢さんのルート限定って云ってもいいくらい。相沢さんルートに関しては確かに「キモイ系童貞ノベル」って云ってもいいのかも……。 これでもかっ! という位に聖女/女神っぷりが強調される相沢さん。 そんな彼女は、実は「性技の味方」になるべくボランティア活動をしていて、ひょんな事から主人公はそれに巻き込まれていく……みたいなw 半分、相沢さん、痴女みたいなもんですからねぇw 色々と出てくるエピソードもすげぇバカw や、勿論、このバカってのは「良い意味で」のバカです。ここまで突き抜けた笑いみたいのも久々かもしれません。ただ、やっぱり女性だと(特にうら若きをとめなら)抵抗がある部分があるのかも。 エピソードがすげぇバカだって書きましたが、そんなバカなノリの中に、微妙にシリアスな部分があったりするのも本作の特徴でしょうか? エンド部分でのシメも何か凄い上手いしね。 本気で丁寧にバカ作品を創っている、というような、誠実さとか真剣さが伝わってきますねぇ。 そんな、おバカ丸出しの相沢さんのルートとは打って変わって、妊婦さんがヒロインとなるルートもあります。 このルートが一番「ノベルゲームっぽい」ルートかもしれません。 ひょんな事から知り合ったどうやらワケアリの妊婦さんと、仲良くなって……ってなルートですが、こちらも微妙に下ネタがあります。ただ、相沢さんのそれとは比べるべくもなく、寧ろ焦点は、微妙に揺れ動く思春期の男の子の心みたいな、そういう所にあるような。 かなりシリアスな場面が随所随所に出てきますし、伏線なんかも上手に張られていて、現実感みたいな部分ではちょっとアレですけれども、ノベルゲームとしての面白さやストーリーの良さは、やっぱりあったんじゃないかな、と思います。 このルートをプレイしていた時に、ふと思ったのは、「童貞」とか「キモメン」とか、そういう要素を悉く出してくる作者様ですが、本当はかなりモテるお方なんじゃないかな? っと。ノベルゲームの中でこそあれ、何て云うか恋愛の機微に通じているような感触があったりして。 一般的な言葉(?)で云えば、感動系のシナリオって事になると思います。 中々、妊婦さんがヒロインってのは今まで見たことがないわけで、オリジナリティを感じさせる部分でもありますね。 最後は、実妹チカのルート。 そう……「義理の妹」ではなく実妹。立ち絵や一枚絵のヴィジュアルは個人的に一番可愛いと思う女の子。ちなみに中学三年生14歳。 先にも述べましたが、本作はかなり早い段階でルートが分岐します。 で、それぞれ全然テイストの違うルートになるわけですが、共通する項目があって、それは「覆面通り魔」です。どのルートに行っても、この犯罪者がストーリーに関わってきます。 チカのルートに於いてもそれは例外ではなく、通り魔から妹を助けたら妹とラブラブな雰囲気になって……みたいな。ただ、主人公は、友達に見栄を張る為、妹を「ウソ彼女」にしようと悪ノリしたりしていたんだけれども、そうした事件をきっかけに、寧ろ妹の方が兄に好意を見せるように……。 実妹との恋愛的な要素を含む作品、という事で「リアルで妹がいる」人には耐え難いものがあるかもしれませんw ただ、チカはかなり可愛いですし、現実と比べてみるような「リアルな事情」に考えを巡らさなければ全然イケますw 兄を意識し出してからのチカの可愛さは、ちょっと異常ですw 王道的なんだけれども、やっぱりいいなぁ、と思えます。 実妹との恋愛という危うい要素があるわけですが、ちょっと身もだえたりしながら「恋愛」を楽しむ、という意味に於いては本作で一番のシナリオでしょう。 私の大好きな少女漫画家(というカテゴリーではもうなさそうだけれども)の谷川史子氏のデビュー作が、正に実の兄に恋する少女の物語で、それを洗練させた作品も更に初期に描いています。ファースト単行本の『花いちもんめ』にて読むことが出来ますので、興味がおありの方は、是非ブックオフとかアマゾンの中古とかで購入してみて下さい。単行本は絶版になってるハズ。あっ、ただ、最近コミック文庫の方で再録されてるか。 ちょっと脱線しちゃいましょう。 『花いちもんめ』、アマゾンの該当ページへのリンクを張っておきましょう。こちらからどうぞ。 タイトルワーク、或いは表紙のイラストで私の好み直球だと分かるのではないでしょうか……?w この単行本だったら表題作の『花いちもんめ』、そして『早春に降る雪』を超絶にお勧めしておきます。 ノベルゲームに使えそうなものだったら、『きみの夏にとびたい』が明朗学園ラブストーリーの参考になるかも? 最近は、三十路の女性と結婚みたいなテーマになっちゃってアレなんですけれども、『りぼん』で連載していた頃、そしてその初期のそれは神掛かってますから! 『花いちもんめ』には入ってませんが、オムニバス『乙女のテーマ』の第二話も号泣必死の超良作。谷川作品は女の子や女性よりも、寧ろ男性の方が楽しめるような気がしますよ。 ドラマ化とかしたら、絶対にイケると思うんだけれどもなぁ……。 さてさて、軌道修正して。 何だか、ここまでルートがすっぱりと分かれてしまう作品というのも、割と珍しいような気もしますね。 ハイスクール恋愛モノとかだと、舞台は学校がメインになって、ルートの分岐はあっても、そんなに雰囲気に変化が無かったり、結末部分のみ別の女の子になったり、なんて事もあります(それが良くないって事では勿論なくてね)。 しかし、それぞれ独立して、比重も重い/軽いが無い、つまり云ってしまえば「メイン」と「サブ」に分かれているわけでもない作品を創る、というのはとても大変な事だと思います。割と下ネタみたいな所に目がいき勝ちになってしまうんですが、そうしたゲーム制作に対する作者様の「本気度」なんかも感じて欲しいです。 チカルートは、ラストでドロドロにならなくて良かった! 一方、気になって点ですが、下ネタの事は散々云ったからもういいとして、割と文字が乱れて表示されてしまうんですよね。具体的に云えば、文字と文字が重なって見えなくなってしまっていて。それは英字が表示される際に良く出てくるみたい。 「CD」って表示が正しいと思われる時に「D」の字の右側が切れてしまって「CI」に見えたりします。プレイ自体にさしたる支障はないのですが、一応挙げておきました。 そうそう、バッドエンドも一応あるんだけれども、普通に選択肢を選べば、回避は楽々ですからあまり気にする必要はないでしょう。 下ネタ系ギャグ作品だと思ってプレイすると、思いの外丁寧に作られた作品である事に吃驚すると思います。 笑い有り、感動有りの楽しい作品だと思います。下ネタに抵抗がなければ是非プレイしてみて下さい。 それでは、また。 ▲
by s-kuzumi
| 2009-10-30 18:32
| サウンドノベル
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