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2010年 01月 10日 ( 2 )


2010年 01月 10日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『ブラームスの雪』

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『ブラームスの雪』_b0110969_14421016.jpg

道玄斎です、こんにちは。
一時間くらい前に起床し、「どん兵衛」で朝食兼昼食を摂りましたw 最近、「どん兵衛」が何故か無性に好きでねぇ……。
それはともかく、今回は番外編という事で少し短めの作品のご紹介。昨日、ちょっと長目の作品をプレイしたので、さっくり遊べるものを探していたら、タイトルで惹かれる作品を発見。
というわけで今回は「志舞」さんの『ブラームスの雪』です。

今回は、番外編ですので、項目立てて良かった点、気になった点を挙げる事は致しません。
ご了承下さいませ。


本作、結構ジャンル分けが難しい作品ですね。
うんと粗雑に纏めれば「恋愛ノベル」って事なんですけれども、恋愛と一口にいっても、中学生の恋愛だったり、高校生の恋愛だったり、はたまた大学生とか、社会人の恋愛、色々ありますよね。
そういう区分けだったら「高校生の恋愛」という、この手のノベルゲームでは本当に良くお目に掛かるタイプではあるんです。けれども、短時間で読了出来る作品ですが、時間的な推移は結構あって、少しラストでほろ苦さ、みたいなものも感じさせてくれる部分もあって。

そもそも、ベクターの紹介文の頭に「忘れられない恋、ありますか?」なんて書いてあって、この紹介文でプレイしようと決心したわけでして。。
この文句には、恐らく「実らなかったけれども忘れられない恋」というような含意があるはずで、当然のように私はそのタイプのテーマが大好きだというw

BGMは全編に渉ってクラシック。
お馴染みの曲が流れてきますが、タイトルワークとの絡みで結構良かったかな? と。
まぁ、例によって脱線ですが、こういうクラシックの曲って「自分の良く聞く音源」と違う音源で聴くと、妙な違和感がありますよね。「テンポが遅い……」或いは早いとか、下手すると「オッサンの鼻歌(ハミング)が入ってないと何だか落ち着かねぇ!」」とかw 子供の頃、あれは最初「ノイズ」だと思っていて……ってグールドの話ですが。


ストーリー的には割とオーソドックスな印象でした。
ヴァオイリンをやっている美少女に恋する少年の視点で語られるわけですが、それ自体は割とオーソドックスであっても、何か凄く瑞々しいというか、昔を思い出してきゅんきゅんしちゃうような、そういう切なくてリアリティのある描写が魅力。
ラストの感じとかもね、やっぱり「男性主人公視点」のリアリティが感じられますねぇ。

個人的な感触、で恐縮ですけれども「男女問わずお勧めします」ってんじゃなくて、(高校生が過ぎ去りし過去になった)「男性にお勧め」したいような、そういう感じ。

もうちょっと尺があって、通常のレビューの体裁だったら、こりゃ吟醸を付けちゃっていました。
少し、展開が早いとか(特にラストの部分)はあるのですが、それを差し引いても、絶妙なリアリティを持つ描写の威力は喪われる事がないわけです。

気になった点、という訳じゃないけれども、「リアリティ」の部分で、少しだけ脱線しつつ話してみましょう。
今まで使ってきた「リアリティ」という言葉は、主として男性主人公の「内面描写」のリアリティだったり、高校生同士の恋愛の微妙な空気感みたいなものを指していました。
一方で、本当のリアリティみたいな、部分では、ヴァイオリニスト志望の高校三年生が一日「三時間」の練習なわけはないよなぁ、なんて思ったりw

いとこがピアニストというか音楽教師で海外の大学にて教鞭を執っているんですが、ピアノで「最低一日6時間」は幼い頃から練習していないとモノにならない、とか云ってました。それだけ練習してもピアニストとして、一般的な認知を受ける事は相当難しいわけです。やっぱり有名になる方というのは、演奏は勿論の事プラスαの要素も必要みたい。

ピアノとヴァイオリンという楽器の違いは勿論あれど、やっぱり本格的にやっている人だったら「一日三時間」ってのは無いかなぁ、と。高校生だと学校とかありますから、「5時間」くらいが適当かもしれませんね。


番外編なのに沢山書いてしまいましたが、結構お勧めの作品です。
男性主人公の心理描写が巧みな一本。音楽に興味がある方も無い方も、是非プレイしてみて下さい(特に男性)。


それでは、また。

by s-kuzumi | 2010-01-10 14:42 | サウンドノベル
2010年 01月 10日

フリーサウンドノベルレビュー 『死舞草』

フリーサウンドノベルレビュー 『死舞草』_b0110969_0423073.jpg

今日の副題 「演出が引っ張る、しっとり感動ホラー作品」

※大吟醸
ジャンル:ホラーちっくな感動モノ(?)
プレイ時間:3時間程度
その他:選択肢アリ、特定のエンドを見ないと次の章へいけない。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2009/12/31
容量(圧縮時):559 MB




道玄斎です、こんばんは。
今回は、久々に長目の作品。というか、この作品をプレイしたくて、土日を待っていたというか。
というわけで、今回は「死舞草」さん(っていうか公式サイトっすね)の『死舞草』です。
良かった点

・イラストやムービー、音楽、どれもハイクオリティで、作品を上手に引っ張っていた。

・単なるホラーで終わらない展開。


気になった点

・若干、各章の繋がりが良くなかったかも。

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
夏休み、燕は家族と一緒に父方の実家に帰ってきていた。

そこで幼馴染の古崎隼人にホラーゲーム製作の資料集めに誘われる。

村のしきたりで入ってはいけないと言われた森。
ホラーの資料としてはもってこいの場所だった。

退屈な夏休みが少しでも紛れるなら……

そう思い、森の探索へ同行する事にした。



両親に見つからないように家を抜け出し、森へ向かう……

と、まぁ、こんな感じになっています。


実は、このストーリー解説は、第一章というかプロローグ的な部分のストーリー解説になっています。
章立てがあり、一章読み終えると次の章に進む事が出来るシステムですね。
一応、選択肢があって、ストーリーが若干分岐するのですが、トゥルーエンドは勿論の事、もう片方(グッドエンドだったり、バッドエンドだったり)も見ないと、次の章に進めなかったりするので、そこは一つ注意点でしょうか? 

ただ、選択肢選びに苦しむ、という事は恐らく殆どないと思います。
本当に素直にオーソドックスな選択肢選びをしていけば、普通にトゥルーエンドに到達出来ますし、「どこを誤答したらバッドエンドにいくのか?」という部分もすぐに分かると思います。


と、いきなり選択肢について書いてしまいましたが、本作は某動画サイトの生放送にて、突発的に立ち上がった企画、だそうです。
突発的……にしては、滅茶苦茶凄い事になっているんじゃないかな……と。

本当にイラストも素晴らしいものでしたし、音楽がね、また凄くいいんだよね。今、この作品を立ち上げ、音楽を流しながらこれを書いているのですが、『Mirage』という曲が、結構作品の中でも重要な曲で、且つ凄く素敵な曲ですねぇ……。タイトル画面で流れる『夏風鈴』というのもツボを押さえた名曲。
そういえば、OPムービーにヤラレました。もう半分、個人レベルのそれを超えているような、そういう力の入ったムービー。ヴォーカル曲入り。全部で31曲ですかね、兎に角BGMも凄い数ですし、一つ一つのクオリティが高すぎる……。正直、フリーの作品でここまで豪華でいいんですか? と云いたくなるくらいでした。

ガワ的な部分での説明が続くんですが、各章を選択する画面とかも、滅茶苦茶凝ってるんですわ。
容量もかなり大きめの559MB。単純計算で、スクリプト抜きのテキストだと100KBで一時間なんて事が良く言われます。すると、私がプレイしてみて全体で3時間ちょい欠けるくらいだったわけですから、シナリオの分量そのものは大凡300KB(に+スクリプト分)という感じでしょうか。
兎に角、音やイラスト、ムービー、そういった面で力の入った名作だったのではないでしょうか。


ストーリーに関してですが、ネタバレはしない方向でいきます。
基本、燕と葉の姉妹が体験していく不思議な出来事を見ていく、というかそういう感じ。一応、ホラーノベルって事になっていますけれども、ホラーの要素はありつつも、肉親の愛情とか、或いは友情とか、そういう要素の方が強い印象。
本作の雰囲気に近いタイプの作品を挙げろ、と云われたら、私だったら『学校七不思議』シリーズを挙げる、という、って分からない人には分からない喩えかもしれませんねw

怖い部分は勿論あるけれども、それ以上に「しっとり」なんて形容が似合いそうなそういう作風だったと思います。このしっとり感を後押ししてくれるのが、先に述べた音楽だったりするわけですが。

で、割とエピソード集みたいな、そういう3章目をプレイしていた辺りにはあったわけです。
とはいへ、3章のラストと最終章はちゃんと繋がっていて「作品の全体」を意識させてくれるものになっていました。
でも、ちょっぴりここが気になった点でもあって、上手く云えないような、本当に「印象」のレベルでなんですが、各章の接続というか、繋がりが若干悪かったような気もします。
いやいや、おしまいまで見ていけば、ちゃんと各章が存在する為の必然性みたいのも見えてくるんですけれども、例えば第二章は20分くらいで読了出来たりするわけで、章によって割と温度差みたいなものがあるように思えたりしました。最終章での葉の発話や内話は、それまでの葉のイメージと結構違って見えたり、ね。


ここらで、恒例の脱線に入りますw
私、ホラー作品って好きで、直球のホラーもいいけれども、ホラー+αの感動的な要素が入り込んだ……ぶっちゃけていくとあんまり怖くないホラーが凄く好きなんです。
それこそ先に挙げた『学校七不思議』みたいな、ホラー的な要素を味付けに使っていて、実は生きる事と死ぬ事の意味みたいな、そういうもの(って言葉にしちゃうと妙に軽々しくなってしまうのですが……)を見せてくれるものが大好きなので、本作はまさにその直球という感じ。

で、少し甘いかな? と思いつつも素晴らしい音楽、ムービー、イラスト、そしてストーリー的に割とオーソドックスな結末ではあるのですけれども、やっぱりそれが好きなので、今回は大吟醸。
大吟醸は久々ですかね……。 私の記憶が間違っていなければ『Normalize Human Communication』以来、五ヶ月ぶりくらい。


何て云うか、やっぱり様々な凝った演出がストーリーそのものだったり、場面場面を良い方向に引っ張っていった感触はありますね。
個人的には、もうちょっとラストの盛り上がりの部分で、グワッと来ても良かったかなぁ……なんて思ったりもします。意外とそこはサラリと流れてしまった感じがあったような。。

そういえば、結構シリアスな場面で「(性的な意味で)」とか使われちゃうと、「ありゃりゃ」となってしまうわけですがw ギャグ的な意味で印象的な場面もいくつかありましたね。
ストーリーの流れ的に、全体を通してみた時、前半部にギャグ多めという感じかな? あっ、ただ、後半にサービスシーン兼用のギャグもあったな……w


大凡、こんな感じでしょうか。
ホラーという括りになるんですけれども、それはきっと適切なジャンル名が無いからであって、実体はホラーとはまたちょっと違う感じになっていますよ。微量、伝奇的な要素は入っているかな。
ともあれ、プレイした時間の損は絶対にしない作品だと思います。ハイクオリティの演出が引っ張るしっとりとした感動ストーリー、是非プレイしてみて下さい。


それでは、また。

by s-kuzumi | 2010-01-10 00:42 | サウンドノベル