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2007年 10月 14日

フリーサウンドノベルレビュー 『それじゃあ、またね。』

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今日の副題 「完成された短編」


※吟醸
ジャンル:夜の列車での不思議な出会い(?)
プレイ時間:15分~20分程度
その他:選択肢無し、一本道。英語版アリ。


道玄斎です、こんにちは。
休日ってことで、またしても一本ぶちあげておきますか。
最近、昔プレイしたゲームを入れておくフォルダを漁って、面白そうなゲームや、印象に残っているゲームを掘り起こしたりしています。
で、今回は「LUNA BLESS」さんの『それじゃあ、またね。』です。
かなりの短めの作品ですが、それだけに作者様の力量が伺える良い作品だったと思います。
いや、今更ですかね?かなりの有名作品ですからね。
作者様のページを見ると、国内だけでなく海外でも高評価だったという凄い作品です。でなきゃ英語版なんて作られないわな……。

それでは、いつものように。
良かった点

・雰囲気作りが巧み。モノクロの画面と絶妙な音楽の選択が、優しいストーリーを支えている。

・せいぜい15分~20分くらいの中に、ちゃんとした起伏がストーリーに織り込まれている。

・雰囲気のある良いイラスト。作品にマッチしていたと思う。


気になった点

・割と早い段階でオチが見えてしまうところが無きにしもあらず。

・もう一歩、インパクトが欲しかった。

こんな所ですね。
どの作品にも言える事なんですが、「良い所」を探す事はそんなに苦労しません。
それはそのハズで、どの作品でも作者様が頑張って作っているわけですから、良いな、と思える所は割と簡単に探したり、気付く事が出来ます。
一方で、「気になった点」っていうのは、探すのが難しい。いつもなんだかんだで難癖付けているような気がしないでもないのですがw それでも、あら探しにならないように気を付けて書いている積もりです。結構個人的な趣味みたいなものが反映されやすい所ではあるんですけれども、「こうしたらもっと良くなるんじゃないか?」みたいな示唆が出来たらベストですねぇ。
本作は、短編っていってもかなり短い部類に入るので、なかなか「気になった点」を挙げるのが難しかったです。

ま、それはさておきストーリーです。
ベクターの紹介文から、引用しておきましょう。
この路線に古くから伝わるお話なんですが、
悪霊がでるそうなんですよ。

夏前にLUNA BLESSがお送りするちょっと涼しく、ほんわかできる短編ビジュアルノベル。
落ち込んでる時に読んでみてはいかがでしょうか。
元気が沸いてくるかもしれませんよ。

こんな感じです。

いい作品ですね。
ほんの少しだけ、ホラー的な要素がありつつも、じんわりとくる優しいストーリー。
プレイ時間も短くサクッと遊べます。

作品の雰囲気がまた素敵で。
モノクロの画像と的確な音楽のチョイスが良いですね。舞台も「夜の列車の中」というちょっとひねりがあって面白いです。
短い作品ですので、場面場面を挙げての解説めいた事は今回はやめておきましょう。

今回は、英語版が出ている、との事でしたので、そちらの方も落としてプレイしてみました。
ただ、.torrentファイルだったので、BitCometをインストールした上でダウンロードしたわけで、ちょっと手間が掛かったのですが……。
本作のレビューは多数あれども、英語版までプレイした上でのレビューは少なかろう、というわけで、やってみたのですが英語版も面白い。
やっぱり言語の違いっていうのがあって、自縛霊は「自殺者の霊」になってました。あとおなじみの単語ツインテールも「twin pigtails」と、ブタのしっぽになってたり、日本語版をプレイしたあとに英語版をやると面白さが増しますねぇ。

後半くらいから、女の子はどうやら青年の「守護霊」なんだな、と気付くわけですが、英語版では「ガーディアン」と表記されていました。英語圏で守護霊なる概念があるのかどうかは兎も角として、言語による差異っていうのは非常に面白く感じます。
けど、こういう差異って非常に重要で、日本語だったら「それじゃあまたね」と一気に書く事も出来るし、「それじゃあ、またね」と書くことも出来る。或いは「それじゃあ……またね」なんて三点リーダを入れたりも可能。
けれども、英語版のタイトルは「Until We meet again」となっていて、こいつを「Until,We meet again」にするとオカシクなっちゃうし、「Until...We meet again」なんてのもやっぱり違う。三点リーダを使う場合だったら恐らく「Until We meet again…」と文末に入れるのが普通だと思うのです。
こういうちょっとした表記の違いで、雰囲気ががらりと変わってしまうところが、日本語の難しい所なんでしょうね。いや、言語学者でもない私がそんな事をいっても全く説得力がないのですが……。


本作を一言で纏めると「完成された短編作品」といった所でしょうか。
最後の〆となる「それじゃあ、またね」というセリフが効いてますね。短編の〆として相応しい終わり方だったんじゃないかと。

この〆方を見た時に、私は『ガラスの仮面』を思い出しました。
あれは何だったかな?何かのオーディションでマヤがレストランで悪漢の悪事の計画を盗み聞いて、かくれんぼをしながら逃げる、というそういうショートドラマを演じた時です。
最後の最後にそのドラマの〆として、マヤは客席に向かって「もう~いいかい?ま~だだよ」とか言うわけですよ。

それを聞いたプロデューサーが「こいつ、芝居ってもんを知ってやがる……」と驚くのですが、本作の〆「それじゃあ、またね」もこのマヤのラストのセリフに非常に近いものを感じます。
そんな良質の短い一本の芝居のような作品。それが本作の持つ感触ですね。

敢えて、気になった点を述べるならば、女性が「悪霊」だとすぐに分かってしまうあたりでしょうかね。
自分と女性しかいない夜の列車の中。そんな女性が「この路線では悪霊が出るんですよ?」なんて話しかけてきて、じゃあ悪霊って誰よ?ってことになったら目の前の女性しかいないわけでw けれども、実際にプレイしてみるとその辺りもあまり気にならないとは思うんですけれどもね。

あとは、少しインパクトが欠けていたのかもな、と感じるところがあります。
作品の雰囲気からいえば、このくらいが妥当だろうと思うのですが、何かもう一歩、読者にインパクトを与えて欲しかったですね。
短編作品は、やっぱりその短い中でガツンと手応えのあるインパクトをどこかに持っていた方が、私は好きなんですよね。その意味で本作は少し淡々としているような気がしないでもないかな、と。


もし、まだプレイしていない方がいらしたら是非プレイする事をお勧めします。
非常に完成度の高い作品ですし、本当に短い作品ですからさっくりプレイ可能。

日本語版を堪能して、まだ余力があれば是非是非英語版の方もプレイしてみて下さい。
日本語版との差異を探すのも又楽しいですよ?

by s-kuzumi | 2007-10-14 13:18 | サウンドノベル
2007年 10月 14日

フリーサウンドノベルレビュー 『あの空の向こう側に --past memory--』

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今日の副題 「ある女の子の記録」


ジャンル:一人の女の子の生き様(?)
プレイ時間:一時間半くらい
その他:選択肢無し、一本道。『あの空の向こう側に』の補完作品?


道玄斎です、こんばんは。
今日も頑張って更新です。
最近少しづつ、「女の子視点」のゲームに興味が湧いてきている今日この頃なのですが、今回はそんな女の子視点の作品、「空想村落」さんの『あの空の向こう側に --past memory--』です。
良かった点

・女の子視点からみた学園生活は新鮮さがあり、面白い。

・女の子の持つ業の深さw が遺憾なく発揮されている。辛いものはあるがリアリティがある。

・脇役で、主人公奈央の親友たる結衣が良い味を出している。


気になった点

・後半部、物語が一気に加速していく際に、何かしら結衣に活躍して貰いたかった。

・不幸の連鎖が続くのでプレイ後の読了感は良いとは言えない。

ストーリーは、サイトから引用しておきましょう。
高校生になって2ヶ月とちょっと……
入学当初の慌ただしさが収まり始めていた頃。
……気になる人がいた。
うんん、もうすでにその人のことが好きだって気がついてる。
でも、中々踏み出せないでいる私。
そんなとき、私たちのクラスに一人の転校生がやって来た。
………
動き始める。
私を取り巻く……何かが………。

こんな感じです。
いや、てっきりお気楽な学園モノかと思いきや、後半部から意外な展開を迎え結構楽しんでしまいました。
途中途中で、既読感みたいのがあったのですが、それはレビューは書いていない『あの空の向こう側に』という前作を補完するような作品だったからでした。
勿論、本作は単独でも楽しめますよ?ただ、二つ合わせてプレイして欲しいですね。


さて、最近、女の子視点のゲームが妙に気になっています。
昨日書いたレビューでは、男子高校生の学園ライフみたいな、そういうノリがあったわけですが、視点人物が女性になるだけで、がらりと世界は変わって見えてきます。
一言で言ってしまうと「新鮮」なんですよね。
又、女子高生が視点になる事で、主人公の同性の友人のポジションなんかも変わってきますよね。もっと主人公に密接に繋がってくるというか、悩み事なんかも話せるいつも一緒のお友達、みたいなそういう立ち位置になるわけで、やっぱり新鮮で面白いなぁ、と。

本作では、友人の結衣がもの凄く良い味を出していたと思います。
主人公奈央に対して、いつも親身に接してくれる「良い奴」なんです。脇役としてかなり光っていたと思いますね。
親友同士の密接な関わり方、こういうのも女の子視点のゲームの醍醐味の一つでしょうね。

物語は、転校生がやってくる事で動き始めていきます。
理奈です。
おしとやかで、優しくて女性らしい子なんですが、ちょっとした奈央との行き違いから絶縁状態になり、理奈は不良グループの男の子達とつるむようになって……。
なんていうか、妙なリアリティがありますよね。「まさかあの子が」っていう子が、不良とつきあい始めてそれまでの面影を失い、ビッチ道をばく進していくw みたいのは結構私も自分の体験として見てきています。
そんな理奈を評して「不良とつきあうなんて最低だ」と清々しく言ってのける結衣は、本当に凄い奴で、本作(の前半部)に於ける一服の清涼剤の役割を担っていたといっても過言ではないんじゃないかと。

ちょっとした行き違いから、理奈と奈央が絶縁状態になり、物語は急展開を迎えます。
この辺り、単なるストーリー上のギミックというよりも、私は断然にリアリティのある展開と描写だと思います。
詳しくは述べませんが、本当にこういう事ってあるんですよ……。しかも表沙汰にならないだけで日々、こういう事って起きてるんじゃないかな、と。

ここまでくると、理奈はすっかり悪役になってしまっています。
そして、奈央を次々と襲う不幸の連鎖に居たたまれなくなってきます。
ここからラストに向けてもの凄い勢いで、話が進んでいくのですが、この所、もう少し丁寧に描写して欲しかったですね。
ちょっと性急すぎる運びだったと思います。
或る意味で、作品のキモの部分(そして前作と繋がってくる部分)だったので、もうちょっと時間を掛けてそれぞれの感情や、キャラクターを活かしながら描写して欲しいと思いました。
是非、ここで何かしらのアクションを結衣が見せて欲しかったのですが……。


本作の副題「past memory」が示すように、前作『あの空の向こう側に』の過去の記録が、本作という事になります。
私は、前作はレビューとして書いてはいないのですがプレイ済みです。
やっぱり、前作と本作、合わせてプレイして欲しいな、という気がしますね。多分、順番は発表順(つまり『あの空の向こう側に』→『あの空の向こう側に --past memory--』)にプレイするのが良いんじゃないかと思います。

正直、読後感はあまり良くありません。
ちょっとプレイしていて辛いな、と感じる部分が(特に後半に)多いんですよ。
けれども、ここまで壮絶な物語を描くっていうのは、もの凄い大変だったと思うのです。
後味の悪さを除けば、文章もなかなか読みやすいですし、テンポも悪くない。ストーリーも練れている。もっともっと万人受けするような作品を作る力量は十分にあったと思います。
しかし、それでもこういう作品をリリースした、という所に何か意味があるような気がしています。明るい学園モノの裏側にあるダークストーリーみたいな、「裏側の世界」みたいなものを描いたという点は、面白いですよね。

出来れば、もう少し明るい結末の作品も読んでみたい所なんですけれどもねw

by s-kuzumi | 2007-10-14 00:16 | サウンドノベル
2007年 10月 13日

フリーサウンドノベルレビュー 『そこに幸せある限り』

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今日の副題 「お約束、だけれども……」


ジャンル:イジメ撲滅ノベル(Readme.txtから)
プレイ時間:三時間半~四時間くらい
その他:後半、一箇所分岐アリ。微妙にエロいw



道玄斎です、おはようございます。
何だか、昨日は何も記事を書いていないのに、いつもの1.5倍くらいのアクセスがあって驚いています。誰かが紹介か何かして下さったのでしょうか。
もし、そうなら有り難い限りです。基本的に今のところは「自分からはあんまり宣伝しない」をコンセプトに活動をしているのでw どこかで誰かがリンクを張ってくれたり、あるいは紹介なんぞをして貰えると嬉しいですね。あっ、別にリンクとかに許可はいりませんよ?好きな所を好きなように張って下さい。
ただ、紹介して下さると嬉しいので、もし宜しければリンクなどを張った場合はご一報下さると、滅茶苦茶喜びます。

さて、今回も昔にプレイしたものを再度プレイしてみました。
2CHのステフスレの方で制作者達が集まり、作った作品です。
ということで、「ステフ18」さんの『そこに幸せがある限り』です。
良かった点

・二人のヒロインのイラストは別々の人が描いているのだが、片方が浮いたりする事もなく、なかなか良い調和が。気合いの入った一枚絵もアリ。

・たっぷりのボリューム。長い間楽しめるかも。

・基本的なシステムが搭載されていて、快適なプレイが可能。


気になった点

・少し冗長な場面も。

・もはや「イジメ」じゃない気がw さらに後半では恋愛や、人生訓のような別テーマにシフトしてしまい、一作品としての纏まりが少し悪いかも。

ストーリーは、ベクターの方の、紹介文を引用しておきましょう。
高校二年の一学期。新しい学校生活が始まろうとしていた。
いつもツンツンしてる親友や新しく知り合う仲間達。平凡の中にも幸せを感じていた。

がしかし──
あることを些細にその関係が崩れていく。そんなハートフル物語。

こんな感じです。

本作は、どうやら「イジメ撲滅ノベル」というちょっと変わり種のジャンルでして、対象としている読者はやはり中学生~高校生くらい、って事になるんでしょうかね。
けれども、高校なんてとっくの昔に卒業してしまった私でも結構楽しめる所があったので、是非色んな人にプレイして貰いたいですね。

なんていうのかな、良くも悪くも「美少女ゲーム」、という感じがしました。
一本でも二本でも恋愛ものの美少女ゲームをプレイした事があれば、大体のノリはそういう感じだと分かって貰えるのではないかと。

主人公の鈴木君の設定からして、それっぽいんですよ。
高校生。朝は苦手で遅刻する事も屡々。馬鹿でお調子者だけれども本当は優しい友人(男)がいて、幼なじみ的な女の子(タカビーで暴力癖アリ)も居る。割といつも腹ぺこで、学食のレアモノの調理パンに執着を見せる。恋愛関係に興味はあれど、極めて鈍感。こんな性格だけども、意外ともてる。

と、まぁお約束のオンパレードでして。
キャラクターメイキングという点からみると、新味は少ないんですよね。
こういう設定が明かになるにつれて、冷ややかに見てしまう自分に気付いたりしますが。。
けれども、美少女ゲームが長年育んできた究極のベーシックというモノはやはりそれはそれで、無視出来ないものがあるわけで、意外とゲーム自体は楽しめちゃうから不思議。
「お約束」っていうのは、取りも直さずそれが「人気が高い」から多数の類似設定が出てきて、いつの間にかスタンダードになってしまっているという側面があるわけで、歳を取ってくると辛いものは確かにあるんですがw 危なげなくプレイ出来る、という長所はあるんですよね。

で、今回は、敢えて一枚絵じゃなくて、普通の立ち絵のスクリーンショットを撮ってきました。
というのは、ヒロインが二人並んでいる場面なのですが、絵師さんがそれぞれ違うんですよね。こういう複数の制作者たちがコラボレートした作品だと、絵のばらつきが気になる事がわりとあるような気がします。そういった雰囲気が好きという方も大勢いらっしゃるかと思うのですが、やはり私は個人的には、「ヒロインの絵は何かしらの調和が取れてるといいな」と考えるタイプなので、本作の隠れた見所、という事で二人の絵師さんによる二人のヒロインの調和を示してみました。
どうでしょうか?この二人、並んでいてもあんまり違和感はないですよね?

最近、自分でも絵の練習なんぞをしたりしているので、何となく分かるのですが、多分、頭身というか人体のバランスが同じだから、違和感が少ないのかな?とも。勿論、制服などのデザインの共通性とか、色々な要因もそこにはある事は承知の上で、言ってますよ?
つまり、これが六頭身のヒロインと3頭身のヒロインが混在するような作品だと、ちょっとキツいかななんて思うわけです。
他のキャラ(鈴木君の母とか、センセイとか)はヒロイン達からみると、絵のタッチが違って若干違和感を覚えない事もないんですが、一番多く立ち絵として出てくるヒロイン二人が、良い調和を保っているのは高ポイントだと思います。

肝心の中身の方ですが、「イジメ撲滅ノベル」とは違うよなぁ……、と。
いや、イジメなんです。けれども高校生とかに見られるタイプのイジメというよりは、「大人のイジメ」みたいな感じです。パワーハラスメントに近い感じですね。大人の世界にごろごろ転がっているタイプのイジメなので、実は中高生向きではないのかも?
最初にプレイした時は昔週刊少年ジャンプで連載されていた『元気やで』(知ってる?)みたいなノリかな?なんて予想していたのですが……。

ヒロインの一人である沙紀ちゃんが、やはりヒロインの一人である財閥の娘麻奈ちゃんに虐められるっていうのが、前半の流れ。
ただ、沙紀ちゃんはクラスでパシリにされかけている描写があったんですよね、前半の割と早い場面で。そういう流れでイジメが進行するのかと思いきや、全く違うもう一人のヒロインに虐められるという。うーん、やっぱり一応ヒロインなんだから麻奈にはイジメを実行させて欲しくなかったな、と思いますねぇ。

イジメの内容も、命の危険を伴うようなものもあったりして、単純にイジメで片付けられない問題になっているところも。
沙紀ちゃんの優しさや、主人公の男気溢れる性格によって麻奈ちゃんは改心して、また3人が仲良くなっていくのですが、普通自分を殺そうとまでした相手を許せるのかなぁ……。なんて考えてしまうわけです。

個人的な意見なんですが、普通に「イジメ」という看板をとっぱらっちゃった方が良かったのかもしれませんね。ヘタに「イジメ撲滅ノベル」という看板を掲げているからイメージと違う部分が出てきてしまうわけで、普通の学園ノベルものにしてしまうと、そういう違和感みたいのは殆ど払拭されてしまいます。

それと、美味しい脇役が居たのに、それがあまり活かされていなかったのが少し残念です。
そう、亜子ちゃんです。彼女はパンツ見せ要員くらいにしか出てこなくてw もっともっと物語に介入させて、イジメの描写をナチュラルにしたりとか、虐められる側の救いの存在にしたりとか、色々応用が利いたと思うのです。中盤以降、全く姿を現さなくなってしまったのが非常に残念ですね。

で、イジメが一段落付いた後半からは、恋愛モードに入っていきます。
途中途中で、株の話が出たりして、株で苦労せずに儲けることは良いことなのか?みたいなそういうテーマも出てきます。

ちなみに、みなさんは株やってますか?
私はやっていません。というのは我が家の家訓があって、一つは賭け事を禁ずる条項があるからなんです。多分他家には無い変わった条項としては、他に「姫路城に入るべからず」なんてものもあります。先祖が姫路城で客死してるんですよ。
それ以来、我が家のものが姫路城に入ると、良くない事が頻発するようになって、それが家訓に取り入れられたと。結婚は出来そうにない私の代でそんな家訓も無くなってしまうのですがw
ま、これは蛇足ですな。


本題に戻りましょう。
というわけで、後半からは完全に恋愛モノの匂いがしてきます。
オーソドックスな恋愛シナリオという感じですが、結構読ませてくれます。沙紀ちゃんの方に比重が傾いてるかな?という気がしないでもないのですが、意外とセンスのある描写が出てくるような。もう少し磨きを掛けたら、もっともっと良くなるシナリオだったのではないでしょうか。

全体的には、ちょっと詰め込み過ぎかな、という気がしました。
もう少しコンパクトに、主題を明確にしていけばかなりの作品になった気がします。
ま、ボリュームがあってそれはそれで悪い事じゃないんですが、少し「惜しい」気がしますね。

とはいえ、イラストも標準以上だし、取っつきやすさみたいなものもあります。
割と今回は厳しく書いている気がしないでもないのですが、それでも十分に楽しめる作品だったのは確かです。或る意味でおなじみの美少女ゲームの世界なんですが、だからこそ気軽に楽しめる良さも持っています。
もし、中学生・高校生の方がいらっしゃいましたら、是非一度プレイする事をお勧めします。

そうそう、ステフのスレッドでは、ゲーム制作の同士を募集していたりしますので、興味のあるかたは制作サイドに回ってみても楽しいかもしれませんね。

詳細はこちらからどうぞ。

by s-kuzumi | 2007-10-13 06:39 | サウンドノベル
2007年 10月 11日

なんてことない日々之雑記vol.14

道玄斎です、こんばんは。

俄にもの凄く忙しくなってしまいました。
うーむ……。怪しげな本も八冊も読まないといけないし、時間が……。

さっくりと作業を進めていきつつ、サウンドノベルのプレイもしたいんですけれどもなかなか。。
全くプレイしていない、っていうわけじゃなくて、少しづつプレイはしているんですよ?過去にプレイしたもので、面白そうなのを再度プレイしてみたり。
ただ、やはり一時間~二時間くらいが平均のプレイ時間だとすると、一日一本とかはきつくなってきましたねぇ。

土日には、一本乃至二本くらいレビューを書けそうなのですが、本当に前から予告しまくっていた通りに、少しゆったり更新ペースになりそうです。
いや、更新速度を取ったら何が残るんだ?って話ではあるんですけれどもね……。

レビューがないからって、全く何も書かないと活動停止だと思われちゃうし、それはいやなので、適宜「日々之雑記」もしくは「箸休め」とか或いは「番外編」の方は書いていきたいです。

ご迷惑をお掛け致しますが、何卒ご容赦を。。

by s-kuzumi | 2007-10-11 23:05 | 日々之雑記
2007年 10月 11日

なんてことない日々之雑記vol.13

道玄斎です、こんばんは。

昨日もちらっと書いたのですが、マシンが限界です。
別段、大量のメモリを使っているハズもないのに(w2kで512入れてます)、何故かスワップ時のような音がしたりして……。
そんなにHDDも古くないんですよ??2005年の正月くらいに交換したばっかりですから。

ただ、割とハードにマシンを使う傾向がある為か、寿命が短いのかもしれませんね。
で、実は新マシンを注文してしまいました。

今度は、メモリに悩まされないように今までの八倍のメモリをぶち込みました。
前人未踏の4Gです……。まだお絵描きしたり、動画を作ったり出来るようなレベルでもないのに……。
CPUは、今はセレロンの2.8Gで動いているのですが、Core2DuoのConroe、3.00Gでぶんまわす事に決定。

折角の機会なので愛用のCRTモニタも変えて液晶にする事にしました。
今時、CRTなんて使っているの私だけですか?

まだまだ最後にこのマシンに頑張って貰わないといけないのですが、ボチボチマシンが新調される、という事で。
ずぅっとパーツを変えながら使ってきたマシンですから、愛着があって妙に寂しさを覚えるのですが、しょうがないですねぇ……。

ま、こいつを使わなくなるっていう訳じゃなくて、Linux専用機にするとか活かし方は無限大にあるので、最後の最後まで楽しみ尽くしますよ?

by s-kuzumi | 2007-10-11 00:09 | 日々之雑記
2007年 10月 10日

フリーサウンドノベルレビュー 『送電塔のミメイ』

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今日の副題 「百尺竿頭進一歩」


※大吟醸
ジャンル:離島伝奇モノ(?)
プレイ時間:三時間~
その他:選択肢無し、一本道



道玄斎です、こんばんは。
使用しているマシンの調子が非常に悪く、こんな時間になってしまいました。
しょうがないので、パソコンは買い換えます。作り替えるのも手なのですが、今非常に忙しい時期でパーツを選んだりとかそういう事が非常に煩わしい為、もう購入する事にしました。

さて、今回は「里見しば」さんの『送電塔のミメイ』です。
あの名作『TRUE REMEMBRANCE』の作者の最新作という事になります。
実は、リリースされるや否やプレイしたのですが、一回プレイするだけじゃ少し分かりづらい所もある作品だったので、今回こうして二度目のプレイをして(まだ)朧気ながら全体像が掴めてきた気がします。

では、いつものように。
良かった点

・脇役を含めたキャラクターが魅力的。ちゃんと生活しているという存在感がある。

・緻密に練り込まれたシナリオ。一読しただけでは分かりにくい所があるものの、しっかりと作り込まれ伏線の回収などもばっちりと。

・ラストに素晴らしいムービーが付いている。


気になった点

・多少の分かりづらさが、後半部分にある。

・少し、ラストがあっさりしすぎだったかも。

こんな所です、ストーリーはサイトの方のURLを張っておくとしましょう。こちらからどうぞ。


さて、あの『TRUE REMEMBRANCE』という傑作をリリースした作者が、次にどんな作品を創るか?こうしたフリーサウンドノベル愛好家は、結構気になっていただろうと思われます。私もそんな一人でした。
その分、 作者様には相当のプレッシャーが掛かった事、想像に難くないのですが見事にそれをはねのけて凄い傑作をまたしても生み出したと思います。

一読して分かるのは、キャラクターの魅力が存分に出ているという事。
ヒロインのミメイは、ふんわりとしていて透明感のある非常に魅力的な少女として描かれています。さりげない言葉遣いや、立ち振る舞いなどからもそうした魅力を見て取る事が出来ます。
一方でちょっとぶっきらぼうで居て、尚かつ本当は誰よりも優しい心を持つ夜刀の方も、前作の「黒目」とかなり被る所はあるのですが、やはり魅力的なキャラクターです。

主人公格のキャラクターが魅力的、というのは当然としても、特筆すべきは離島の住人達です。脇役として出てくる総一郎や京子、アトリさんやナギさんやハナちゃん……。様々なキャラクターが、物語世界で「存在している」リアリティがあるんですよね。
往々にして、良い作品を支えているのは、こうした脇役であり、名もないキャラだったりするのです。

世界を見せる為には、主人公達だけでは不十分で、その世界の構成員たる脇役がその世界に根ざして存在しているという事、そういうものを上手くメインのストーリーと絡めていくと、作品に広がりや厚みが出てきます。
その意味で、本作も脇役の使い方が非常に上手だな、と感心しました。

又、細かい所に凝っていますよね。
例えば、アイキャッチみたいな、場面が変わる時に背景には『秘伝千羽鶴折形』の書物が透けて見えます。こういうちょっとした所に作品の雰囲気づくりの妙を感じさせます。
又、「金打」なんて懐かしい儀式を持ってきたり……、泣かせてくれます。
金打は、私の場合は刀の鍔と鍔でやった記憶がありますねぇ。本作では刃でやっていましたが、人や流派(?)によってやり方が異なるのかしら?刃こぼれしないかしら?と少し心配になったりしたのですがw
ちなみに、こういう細かい点が本編と離れて存在しているのではなくて、伏線になっていたりと物語そのものに絡む形だったのが又良い所です。

何よりも、一番今回のプレイで感じたのは、「一歩進めている」という事です。
例えば、他のゲームならここらへんで収束に向かうだろう、という辺りでさらに一歩、ストーリーを進めエピソードを入れていく。この繰り返しで作品自体が随分と厚みのあるものとなっている印象です。

ただ、少し作品自体が長くなってしまって、ダレる感じはなくもないんですよね。
良い作品である事はそれはそれとして、少し、特に中盤~後半にかけて冗長さを感じる所もありました。


気になった点は、少し分かりづらい所がある、という所でしょうか。
いや、単に私が暗愚なだけで、皆様はきっと一発で理解出来るとは思うのですが、後半部物語が収束していく過程で、あれ?あれ?と考えながら読まないとついていけない部分が私にはあったんです。
それは、「コゴリ」と「コゴリ鬼」という二つの語の不分明さだったりするわけですが、流石に二度目のプレイでは何とかついていく事が出来ました。

そういえば、ゆったりと多数のエピソードを入れて語られた前半部に比して、後半部、特に最後の章が予想以上の急展開を見せるというか、少し前半部とのテンポの雰囲気が違うので、そこは気になりました。

今回、二度目のプレイをしてみると、妙に本作が『TRUE REMEMBRANCE』に似ている事に気が付きました。割と最近リメイクの方もレビューしたしね。
気付いていなかったのは私だけだったりして……。

一点は、閉鎖された空間が舞台であるという点。前作は「封士の街」という閉鎖された街で、今回は「廃墟離島」というやはり閉鎖された空間で物語が語られていきます。
もう一点は、ヒロインの立ち位置というか持っている属性というか。「本当はこの娘が~だった」的な結末はやはりどこか似たものを感じさせます。
そして、最後に一点目として挙げた閉鎖された空間から「外」へ出て行く、という終わり方。
閉じた世界から、広がる世界へ。これが実は二つの作品を結ぶキーワードなのかもしれません。

敢えて批判を承知でいうならば、『TRUE REMEMBRANCE』を更に押し進めた完成型が『送電塔のミメイ』なのかもしれません。
だからといって、本作が焼き直しであるとか、そういう事を言いたいわけじゃないんですよ。似たような設定を持っているというだけで、別個の作品ですからね。
私が滔々と述べてきた事も全部実は「ハズして」いるのかもしれませんし(その公算高しw)。


兎にも角にも、素晴らしい作品だったと思います。
大吟醸は久しぶりですね。今回プレイするに当たって、一回目プレイした時を思い出していたのですが、その時の感触を思い出しながら評価を付けてみると「吟醸」だったような気がします。
二度目にプレイしてみると、全開のプレイでは分からなかった場所、気付かなかった所に気付くことが出来て、少しは作品の深い所に触れる事が出来たような気がしております。

最近無くなられた某著名古典文学研究者が、某著名古典文学作品の研究に「二度目の読み」なる概念を提唱していて、二度目に読むと見えなかった部分が見えてくる、と非常に乱暴に言ってしまえばそういう事なんですが、それによって物語の仕掛けに気付くと、そういう事を言っているわけです。すっげぇ乱暴に纏めてますよ?しかも素人の戯言ですから、さらっと聞き流してくだされば……。
で、本作にも少なからず「二度読み」を意識させるものがあるような気がするんですよ。
二度目に読むと、何気ない会話や何気ない動作の一つ一つに意味が見えてくる、みたいな。そういう意味でも非常に深い物語だった気がします。

そうやって考えてみると、しっかりとした世界や、それを支えるやはり世界にしっかりと住んでいる脇役達、魅力的なストーリー、細かい設定や雰囲気作りの妙、二度目の読み返しが出来る程の懐の深さ……。
これは大吟醸だろうな、と二度目のプレイ後に思いこういう評価にしました。

特に、印象的で素晴らしいと感じたのは、先にも述べた更に一歩ストーリーを進めていく姿勢です。これは、前作には(あまり)見られなかったもので、ゲームの制作者にとっても参考になるのではないかと思っています。


是非、秋の夜長にプレイして貰いたい作品です。
一度既にプレイされた方も、是非二週目にチャレンジして欲しいです。思わぬ気づきがあるかもしれませんね。

by s-kuzumi | 2007-10-10 04:18 | サウンドノベル
2007年 10月 08日

フリーサウンドノベルレビュー番外編 『夏、セミ、少女』

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道玄斎です、おはようございます。
今日は何故か全然眠れずにこんな時間になってしまいました。まぁ、折角好きに使える時間が出来たので、一本さっくり遊べるゲームをプレイしてみました。

というわけで、「言ノ葉迷宮」さんの『夏、セミ、少女』です。

「3分ゲームコンテスト」に応募なさった作品だけあって、短いですがしっかり楽しむことが出来ます。まぁ、ノベルというよりはゲームという感覚ですよね。

もう、なんていうかミスディレクションの妙といいましょうか、ノベルゲームをなまじプレイしていると、絶対に一発でトゥルーエンドには到達できないというw

というのは、選択肢はないのですが、後半部分に一箇所プレイヤーが答えを「記入」する箇所があるのです。
先入観に囚われているとなかなか一発でトゥルーエンドまで進めない。
けれども普通のエンドを見るとタイトル画面にて、ヒントらしきものを読むことが出来ます。しかも、一回普通のエンドを見るごとに一個づつヒントが増えていきます。最大で5個。

結構仕掛けに凝っていて、トゥルーエンドを見た後は思わずニヤリとしてしまう事請け合いです。
さっくり遊べて、しかも仕掛けが凝っている。気負ってプレイするんじゃなくて、例えばインスタントラーメンにお湯を注いで待っている間にでも、プレイしてみたりするのもいいんじゃないかと思います。

本当に3分で終わってしまうわけで、だからこそ、ちょっとした息抜きなんかに遊んで欲しい作品です。

そうそう、作者様は、著作権の切れたノベルをノベルゲームとして公開して下さっています。
短編ミステリーが多いのかな?興味のある方は是非そちらの方も。

by s-kuzumi | 2007-10-08 06:11 | サウンドノベル
2007年 10月 07日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.10

今日の副題 「個性と魅力」


道玄斎です、こんばんは。

休日な訳ですが、折角時間がとれたので溜まっていたお仕事を消化しています。
一年くらい前に作った一太郎ファイルを読み直したり、あれこれやっていると意外と面白いです。
俺って文章へたくそだよなぁ……、なんて思いながら。。

まだ詳細はお話し出来ないのですが、ノベルゲーム関係のお仕事もあって楽しく作業をしています。最近、恐いな、と思うのはマシンの調子ですかね……。2005年の正月くらいにマザーボードやCPU、HDDなんかを交換して作り替えたのですが、かなりハードにマシンを使うタイプなのでそろそろHDDが弱ってきているような気がしています。
それに今の時代にメモリが512Mってのも少なすぎですかね。


さて、昨日は久々にフリーのサウンドノベルのレビューを書きました。
そこでもちらっと触れたのですが、イラストの魅力なるものについて今回は書いてみようかと思います。

サウンドノベル、或いはノベルタイプゲーム、ビジュアルノベルなど様々な呼び名があると思うのですが、結局の所それらは「読んで」楽しむゲームです。
ただ、所謂小説と決定的に違っているのは、立ち絵だったり一枚絵だったりが付いている、或いはサウンド(BGMや主題歌)が付いている点。

サウンドという近代的な要因を除けば、実はこうした読書のあり方は日本に於いて伝統的なものだと思われます。
今から大体1000年くらい前、物語を読むお姫様は文章をお付きの女房に読ませつつ「絵=イラスト」を眺めて作品を鑑賞したりするケースがあったようです。

勿論、現代では、メイドさんやお側仕えの人に文章を読ませる人、なんてのは限られた人の特権であって、普通私たちは「自分で文書を読みつつ、同時に絵=イラストを鑑賞する」というスタイルでゲームをプレイします。
だけれども、文章とイラストが密接な関わりを持ちながら一つの作品を形成している、という観点からすれば、1000年前も今もそんなに変わらないような気もします。

証拠がないので分かりませんが、1000年くらい前に物語を書いていた人と、イラストを描いていた人は恐らく別人でしょう。イラストを外注するなんて行為があったんだと思われます。
或いは、作品を読む側の方が、「この作品に絵をつけてよ」とかイラストを独自に発注するケースもあったことでしょう(こっちの方が多いかしら?)。

当時のイラストの特徴は所謂「蟇目・鉤鼻」という奴です。
あの、細い目に、「くの字」の鼻。イラストの個性なんてものはあまりなくて、作品の中でどういった場面を切り出してイラストにするか、が主眼だったような気がします。

それから1000年ほどたって、イラストなるものは未曾有の進化を遂げます。
蟇目・鉤鼻なんかで書いたら全くヘンテコな絵になってしまうわけですw
写実的な絵を崩し、デフォルメを施して親しみやすいイラストを今の私たちは享受しています。

ただ、特に2000年過ぎくらいから、あまりに美少女イラストの技法が確立されてしまったが故に、個性が薄くなっているような気がしないでもないのです。
誤解を恐れずに言えば、美麗な絵と魅力ある絵は必ずしも一致しない気がしています。
自分自身が、サウンドノベル作品をプレイしていると、お世辞にも「洗練されている」とは思えないイラストに遭遇する事があります。だけれどもプレイし終わってみると、「この絵じゃなきゃ駄目だろう……」なんて思ったりする事も屡々です。

そういう作品の場合、作者様自らがイラストを描いているケースが多いのです。
作品を創った作者が描いたからこそ、そこには作者の考える人物像が(技術的な面という壁などがあるものの)限りなくイメージに近い形で表現出来ているのかもしれません。
つまり、作品とイラストのマッチングが秀逸、という事になりましょうか。

勿論、「作品は作者自らがイラストを付けなきゃいけない」なんて事を言いたいわけじゃなくて。
作品の個性を、或いはそれを表現出来る絵師さんの個性が出ているイラストがついていると、良いですね、と。
作品には各々独自の個性があると思います。そうした独自の個性を活かし、高めてくれるようなイラスト。そういう個性(=魅力)あるイラストが、何だか最近少なくなってるなぁ、と非常に素朴に感じてしまいます。

最近のゲームにはもう商業作品顔負け、なイラストが付いている事もあったりします。
確かに上手で洗練されていて、そんなイラストが付いていたらそれだけでプレイしたくなるのですが、何かもう一歩、そのイラストから個性が感じられたら、と思うわけです。
非常に暴論なんですが、それだったらもう商業作品を買えばいいじゃないか、とか考えてしまいます。同人だからこそ表現出来る個性的なアプローチがもっともっとフィーチャーされてもいいんじゃないかな、と。


非常に、説教がましく、亦、烏滸がましい事を書いてしまいました。
絵も描けないクセに何様だよ?と自分でも思いますw
一つ、はっきりさせておきたいのは、特定のサークルさんの作品や絵師さんを貶めたいとか、逆に特定の作品を持ち上げたいとかじゃなくて、作品にあったイラストというものがもっと考えられてもいいんじゃないか、という事だったりします。
勿論、私が先に述べたような「商業と見分けの付かない」ようなイラストも、作風にばっちり合う場合もあるでしょうし、特徴的なイラストでも逆に作風に合わないなんて事もありますしね。

相も変わらず、纏まりの無い文章で申し訳ないのですが、イラストを切り口に色々愚案してみました。
最近、有名所のゲーム紹介サイトさんの更新が滞っていたり、或いは、シェアばかりが載っていたりするので、新作のフリーのサウンドノベルが沢山プレイしたいなぁ、なんてぼやきつつ、今日はそろそろ作業に戻ります。

by s-kuzumi | 2007-10-07 21:51 | サウンドノベル
2007年 10月 06日

フリーサウンドノベルレビュー 『Steel Rain』

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今日の副題 「雨を切り裂いて」


ジャンル:近未来型アクションモノ(?)
プレイ時間:二時間~二時間半くらい
その他:一本道ながら、戦闘時などに選択肢あり。選択にはタイムリミットもあり、何もせずにいると死亡したりする。



道玄斎です、こんばんは。
結局、昨日レビューをアップ出来ませんでした。そして、今日もこんな時間に……。
次にプレイすべき作品は何本か見繕ってあるのですが、割と長編みたいで、また少しレビューの感覚が空きそうです。
さて、今回のレビューは「やなぎ」さんの『Steel Rain』です。
良かった点

・選択肢にタイムリミット制が設けられており、戦闘の緊迫感を上手に演出。

・LiveMaker製ながら、システムがしっかりしておりプレイしやすい。

・テンポよく物語が進んでいく為、ダラダラした雰囲気にはならない。


気になった点

・もう少し、近未来である事を活かした描写や戦闘があっても良かったかも。

・マスターが何故悪に手を染めたか、などの理由付けが欲しかった。

・優衣の境遇をもう少し描写して、共感が出来るようにして欲しかった。

ストーリーは、サイトのURLを張っておきます。こちらからどうぞ。

というわけで、プレイしました『Steel Rain』。
ダウンロードだけはしてあったのですが、色々と忙しくプレイ出来たのは、三日くらい前からです。

さて、ジャンルは「近未来型アクション」という風にしたのですが、そこには友情だったり、「生きる事の意味」みたいなものに対する問いかけがあったりと、様々な内容を包括していたように思えます。それぞれの方向性がバラバラにならずに、上手く収束していった点は評価出来ますね。

アクションシーンには、選択肢によって戦況が変化するという仕掛けもあり、なかなか楽しませてくれます。アクションだけでなく、作品全体を見てもテンポはなかなか良いのでプレイしやすい作品ではないかと。
プレイのしやすさ、という点ではシステム面がNSceripterや吉里吉里ほどメジャーではないLiveMaker製ながら、基本的なシステムが充実していてプレイのしにくさを感じる所はありません。こういう所も評価すべきポイントだと思います。

基本となるストーリーラインは、元殺し屋の優衣が、一般人の女の子として、友情を育みながら生きていく。そしてその掛け替えのない友達や日常を守る為に、戦っていく、みたいな。
キャラクターはそれほど特徴的で個性的ではないのですが、みんなで洋服を買いに行くなどの描写があって、優衣を含めた三人の仲の良さや、優衣にとっての二人の位置がしっかりと描かれており、好感が持てます。
無理をして、ヘンテコな特徴を付けるよりも、こうしたさり気ない日常生活の中で、キャラクターの魅力を出していく、というのがいいですね。


ただ、気になる点がいくつかありました。
先ず、優衣の立ち位置です。ただでさえ元殺し屋の中学生女子、という或る意味で異常な設定を持っているのに、優衣が殺し屋であった理由や、どういう心境から殺し屋から足を洗ったのか、というその突っ込んだ説明が、物語も後半にならないと分からなかったのです。
一見すると『クロスフェードに堕ちた夢』なんかに似ているように思えてしまうのです。
そこが分からないと、ちょっと優衣を視点にして感情移入をしながらプレイしていく、という事が難しく思えました。後半部ではちゃんと説明がなされており、一定の納得感はあるので、前半部からそれを少しづつ出していったら良かったのかもしれません。

又、優衣と双子の姉である真衣の父にして、殺し屋の元締め通称「マスター」に関しても、もう少し突っ込んだ説明が必要だと感じました。
真衣は、マスターが父であり、殺しの腕を磨くたびに優しくしてくれた事をずっと覚えており、妹の優衣と違い、ずっと組織に所属し続けるわけですが、物語を裏側から支えているマスターの立ち位置も少し不明瞭で説明不足だったのではないかと。
何故、殺し屋の元締めをやっているのか?何故、実の娘達を殺し屋に仕立て上げたのか?そうした理由は物語の根幹に関わってきます。是非、その所は描いて欲しかったです。
これは単純に個人的な意見なのですが、マスターを完全に悪者にしないで、元々はいい奴だったのに、何かの理由があってこういう道に入り込んでしまった、みたいなマスターが本当は善人だったというような形が欲しいな、と思いましたねぇ。


そういえば、いいな、と思ったのはイラストです。
決して洗練された所謂「美麗」なイラストではない。だけれども非常に味があって一生懸命描いてるな、というのが伝わってくる良いイラストだったと思います。
最近、イラストについて色々考えているのですが、洗練されたクオリティの高い絵、とされるものの中には、イラストを描いていらっしゃる方の個性が見えないものもあるような気がしているのです。勿論、そうじゃないものも沢山ある事は承知の上で、ですが。
或る意味、女の子(美少女)のスタイルが記号化し、画一化されてしまっているような状況も少なからずあるんじゃないかな、と。
私は、多少粗があったとしても、何かイラストを描いていらっしゃる方の個性が見える絵が好きなようです。そうですね、例えば成功した同人作品なんかも、「上手で美麗」というよりは寧ろ「味がある」イラストである事が多い気がしています。
その意味で、本作のイラストは、なかなか私は気に入っているのでした。

他にちょっと面白いな、と思ったのはプレイを進めていくと、他のキャラからの視点のアナザーストーリーがプレイ出来るようになる点です。
過去の話だったり、作中時間を別人物の視点から見るものだったりタイプは様々ですが、作品の裏側を描いていて、なかなか良かったと思います。
ただ、一度タイトル画面から戻って(つまりプレイを中断、或いは本編クリア後に)からでないと見れないのが、残念な点でした。
もしかしたら、これらのアナザーストーリーを本編に上手く織り交ぜたら、私の挙げた「気になった点」は大分消化出来たのかもしれません。


本作はアクションシーンも多めで、ライトノベルみたいな印象もあります。
もうちょっと突っ込んだ説明や描写が欲しい、と思うわけですが、これはこれでなかなかに楽しむ事が出来ます。
アクションやそして感動系のお話しが好きな方はプレイしてみると良いでしょう。

※午前零時頃、文章の一部手直し。

by s-kuzumi | 2007-10-06 23:31 | サウンドノベル
2007年 10月 05日

なんてことない日々之雑記vo.12

道玄斎です、こんばんは。

今日は疲れました……。本日は高田馬場に行く用事があったのですが、非常に懐かしい街です。通っていた大学があったので思い出も深く、青春の街、という感じですかね。私にとってですが。
大学まで行く道には古本屋が並んでおり、随分お世話になりました。
最初は、「古本なんて」と妙な拒否反応があったのですが、古本でしか手に入らない本もあるわけで、しょっちゅう本を買っていました。大体、神保町みたいな街の古本屋は、各古書店がそれぞれ「得意のジャンル」を持っているわけですが、こっちはそれが割とゆるやかで。
勿論、「~専門」みたいな感じの古書店もあるわけですが、割と何でも置いてあるタイプの古本屋さんが多かった記憶があります。

専門の古書店で買うと一万円もするような古書が、「なんでもタイプ」の古書店では千円で売っていたり……。そういう掘り出し物を見付ける事が出来るのが、なんでもタイプの古書店の楽しさの一つです。
顔なじみになった古書店では、殆ど持ち合わせが無かった時に、異常とも言える値引きをして頂いた記憶もありますねぇ……。


で、久々に見る高田馬場は随分と様変わりしていました。
あのちょっとレトロで汚いビッグボックス(例のグリコのマークの奴)も綺麗に改装中でした。
街全体も、昔懐かしみたいなタイプのお店が段々と消えて、「クリーン」になっているといいましょうか。
ただ、「水清ければ魚住まず」ともいいますし、あの雑然とした感じが良かったなぁ、とも思います。いや、それはただ単に私が感傷的になっていたせいなのでしょう。
新しいものや綺麗なものの方が、基本的には私は好きです。けれども、自分の思い入れが強すぎる為に、少し戸惑っているようで、ただ単純に「自分の思い出が無くなる」ような気がして厭だっただけでしょうね。寧ろ、学生にとっては今の綺麗な街の方が住み心地が良いんじゃないかな?

高田馬場駅周辺に居たのは、ほんのちょっとの間だけだったんですが、それでも随所に色々な思い出があって、ちょっとしんみり。

思い出に関しては、何かの機会の時にちらっとお話しするかもしれません。
期待している人は誰もいないでしょうがw まぁ、そういう時がきたら、またお付き合い下さいませ。

それでは、また。


道玄斎

kazenitsurenaki アットマーク gmail.com

by s-kuzumi | 2007-10-05 21:00 | 日々之雑記