1 2013年 08月 24日
![]() 道玄斎です、こんばんは。 やっと……「ホラー」と云っても良い作品を見つけました。って云っても、毎度お馴染みの私が好きなシリーズ(?)の新作。 というわけで、今回は、「銀の盾」さんの『学校七不思議~小学校の花子さん2』です。 『学校七不思議』シリーズ、そしてその外伝の『小学校の花子さん』シリーズは、私が何故か妙に好きで、恐らくリリースされている全ての作品を、このブログで取り上げているハズです。 で、『学校七不思議』シリーズは四作、『小学校の花子さん』シリーズは、今回を入れると二作取り上げる事になるわけですから、良かった点・気になった点なんかは、省略しちゃっていいかな? と思い、今回は番外編です。 まぁ、同じ作者さんが作っているものですから、やっぱり、似た雰囲気というか、そういうのはありますし、「学校七不思議」シリーズ、という枠内の作品である事も確かなので、良かった点・気になった点も、共通している、という事で。 番外編とは云え、かなり変則的ですから、少しデータを補っておくと、私がプレイしてエンディング(トゥルー)に到達するのに掛かった時間は50分でした。途中で選択肢があり、エンドは八つに分岐しますが、歴戦のノベルゲーマーなら、バッドエンドを回避するのは難しい事ではないでしょう。私も珍しく、一発でトゥルーエンドにたどり着けていますしねw 話は脱線しますが、ここ数年のノベルゲームの業界で特筆すべき点は、ニコニコ生放送での「生放送プレイ」が増えている、という点が一つ挙げられるんじゃないかと思います。 実際、ゲーム制作者さんのサイトに行ってみると、「実況は大歓迎です」とか、逆に「実況はやめて下さい」とか書いてあるのを目にします。 で、一応、ノベルゲームって、「読む」事にかなりの力点が置かれているゲームである事に間違いは無いと思うのですが、それを、画面越しに誰かと同時に共有する、って本来凄く難しい事のような気がするんです。 特に、それがシリアスな作品であればあるほど、一般的な意味で「ウケ」ないんじゃないかなぁ……。 更に、一枠30分のニコ生ですから、20枠とか消費するような作品だと、ちと具合が悪いんでしょうね。 そんな事情があるのかないのか、短編の作品の実況を良く見る気がします。 もっと云うならば、「比較的短めで、且つホラー作品」というのが、ニコ生で好まれているような……。そりゃ、ホラーですから、バッドエンドに行くと、即死とかがあるわけですよね。そういうのがあれば、視聴者と同時に作品を楽しむ事は確かに出来るなぁ、と。実況放送主が驚くと同時に、それを視聴しているリスナーも驚く。んで、それをコメントに反映させる、ってわけで、まぁ、それはそれで成り立ってる分野なのでしょう。 けど、ホラーでない短編作品を取り上げる、っていう事も、やっぱり起こるんですよね。 そりゃ、世の中に出回っているホラーノベルゲームは有限ですからねぇ……。新たに発掘してくるなり、誰かが新作を作らない限り、ネタ切れを起こしちゃうわけです。放送主がね。 そういう時にゃぁ、放送しない期間ってのを設ければいいんですが、どうも、ニコ生でゲーム実況をやっている人を見ていると(勿論、全員が全員だとは思いませんが)、何かに追い立てられるかのように、ゲームを探して、切れ間無くゲームを実況をやっているように見えるんです。 で、ホラーのネタがないから、ちょっと目先を変えて、「ホラーでない短編」を持ってきて、実況したりするんですが、その作品がシリアスなものだったりすると、実況者としては、突っ込めないんですよね。 大体、嘘でも生放送ですから、無言ってのはマズイくて、何かしら喋らないといけない。で、ホラーだったら「うわっ!」とか、「こえー!」とか、喋ってれば、何とかなるw ミステリー色が強い作品だったら、「こいつ怪しいぜ……」とかねw けど、そういう技が効かない作品だと、それはもう、「作品そのものに突っ込みを入れていく」という方向性になっちゃう事が多いんですよ。 誤字脱字の指摘から始まって、立ち絵へのダメ出し、或いは、「立ち絵がない事へのダメ出し」だったり、「お約束」で成り立っている設定への言及だったり、まぁ、そういう方向に行きがちです。 酷いのになると、「クソ作品だから、このままの勢いで、評価サイトに書き込みに行こうぜ!」ってな具合に、実況主と、リスナーが謎の一体感を出して、登録サイト(大体、フリーゲーム夢現ですが)に、☆1つの投稿をする、とw 落ち着いて考えてみると、☆の数で作品の評価を記入出来るサイトがあって、尚かつそこに、ゲームを登録しているのならば、そりゃ、どんな意見を書き込もうが自由ですし、そういうリスクを承知で登録してるんでしょ? って事になりますよねぇ……。 なんか、その辺りは考えてみると、難しいですね……。 まぁ、纏めると(全然纏まってないけどw)、私は、全体で見れば、ノベルゲーム/サウンドノベルなんてのは、実況と相性のあまり良くないゲームジャンルなんだろう、って思ってますw 勿論、前述の通り、ホラーなんてのは、わりかし相性がいいんですけどもね。 で、やっと、本題に軌道修正しますけど、本作、割と実況向きですよw トゥルーエンドまで50分ですから、2枠で終わっちゃいますし、バッドエンドの数も、尺から見れば大目ですしね。 正直、恐さの方は……と問われると、「そこまで怖くない」って事になっちゃうんですが、それも後書きに書いてありますし、この『学校七不思議』シリーズの良さって、「怖い」って所ではなくて、寧ろ、作品を包み込む「優しさ」みたいな、そういう所にあると個人的には思っています。 正編である所の『学校七不思議』では、絵梨と美加という、中心的な存在(幽霊だけど)が居て、作品に厚みを増していますし、彼女たちの過去が、作品を時に切なく、時に優しく包み込んでくれている印象があります。 『小学校の花子さん』シリーズでも、花子さんが、尊大な幼女風(この手の造型、好きな人は好きなんだ……)で、けど、決して悪い存在じゃない、優しさを内に秘めたキャラクターとしての造型なので、「怖い」というよりは、「優しさ」を感じてしまうんですよ。たとえ、バッドエンドで怖い演出があったとしても。 ストーリーは、今回は変則的ですが、ここにふりーむから引用しておきましょう。 休みの学校でこっそり、、「花子さん」を呼び出そうとしたんだ。 こんな感じになってます。 これだけ見ると、ちょっと普通のホラーな気がするんですが、是非是非、トゥルーエンドを見て下さい。本作がただのホラーではない事が分かるかと思います。私がこのシリーズを好きな理由も分かって貰えるんじゃないかなぁ、と。 本作の中で、凄く良い設定があって、それは「花子さんの存在を信じる人達と、それに応えてくれる花子さん」との約束事、の様な形で、「花子さんの怪談」が成り立っている、というものです。 相互依存じゃないですけれども、そういう関係って、なんかいいですよね。人間同士は云うに及ばず、人対人外であっても、そういうのが成り立つのって、何か素敵ですよね。 私、ここ数ヶ月、寝しなに怪談というか、そういうものを結構良く見てるんですが、たまにね、そういう人と人外(妖怪? とか神様とか)の交流を語る体験談のようなものがあると、なんか、ほっこりしますねぇ。 ま、ストーリーの流れとしては、敵と思しき妖怪(と、それによって手下にされた同級生)から逃れ、花子さんと一緒に怪異を解決して、無事、元の世界に戻る、という、非常にオーソドックスなスタイルです。 とはいへ、主人公が巻き込まれる怪異、襲ってくる妖怪に関しても、単なる怪異・悪役ではなく、ちゃんとバックグラウンドが存在するので、そういう所でストーリーに厚みがあって、良いと思います。 大体、こんな所でしょうか? 本作をプレイして、気に入ったならば、是非、『学校七不思議』シリーズや、前作の『小学校の花子さん』をプレイする事をお勧めします。 ちなみに、本作は一応、「2」って事になってますが、勿論、単独でも楽しめます。 それでは、また。 ▲
by s-kuzumi
| 2013-08-24 22:24
| サウンドノベル
2013年 08月 07日
![]() 道玄斎です、こんばんは。 前回、宣言したように、ホラー作品を探してみたものの、中々「これは!」という作品がありません。 そのリサーチの中で見つけた作品を今日はご紹介。 というわけで、今回は「あほちゃん」さんの『ドラゴンの宝物』です。私がプレイして、大体30分くらいだったので、通常レビューと番外編の丁度境界線の尺なのですが、今回は番外編で。 先にもチラッと書きましたが、中々良いホラーものが見つかりません。 とは云うものの、全く収穫がない、と云ったらそれはまた違います。例えば、人から紹介してもらった作品で『フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない』という作品があるのですが、これは特殊な画面サイズの作品です(今、スクリーンショットを撮って、画像編集ソフトに読み込んでみたら、1030×601というサイズでした)。 過去に、「箸休め」で、ワイド画面の是非というと大袈裟かもしれませんが、「現在、ワイド画面に意味のない作品が多く、“何となく見栄えがするから”という理由で、安易にワイド画面を選択するのはお勧め出来ない」というような事を書いたのですが、私が予想していたよりも遙かに多くの方から、様々なご意見を頂戴致しました。 「何でもやってみよう! と試行錯誤する中で、良いものが生まれる可能性がある」というようなご指摘もあったかと思います。それに関しては、「うーん、確かにそれも一理あるなぁ……」とw そうしたご意見はそれはそれとして、それでもやっぱり、「特に拘りや、それに見合った演出がないのならば、ワイドにしなくてもいいのでは?」というのが、私の考えだったりします。 そんなわけで、ワイド画面については、ちょっと頭の片隅に残っていたテーマだったんですよね。 で、『フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない』をプレイしてみたら、前述の通り変則的な画面のサイズで、通常の画面サイズからすれば、やっぱり「ワイド」だったんです。 けど、プレイしてみれば分かる通り、全然違和感がないんですよね。 文章も読みやすいですし、演出とも上手く調和してる。これは、一般的なワイド画面、というのとは、またちょっとサイズが違うのですが、ワイド画面を考える上で、一つ参考になりそうな作品だなぁ、と思ったわけです。 まぁ、気になった方は、是非プレイしてみて下さい。 ……と、久々に物凄く脱線してしまいました。 まぁ、何もしていないように見えても、こっそりゲームをプレイしていたり、足りない頭で色々考えてるんだなぁ、というのが伝われば幸いですw で、ここらで軌道修正して、『ドラゴンの宝物』の話に入っていこうと思います。 ドラゴンっていうと、皆さんはどういうイメージを持たれますか? 私の場合、ドラゴンは、所謂ファンタジーRPGの一つのシンボル、みたいな、そういう印象がありますね。それも「最も強力なモンスター」として、とんでもない存在感を持っている存在、だと思うわけです。 ほら、『ドラゴンクエスト』だって、タイトルに「ドラゴン」が入ってるじゃないですか。 そもそも『ドラクエ』の第一作目は、その名もズバリ「竜王」なる悪漢(?)がラスボスですからね。2013年現在のRPGでは、そんな事もないんでしょうけど、昔は、ファンタジーRPGと云えばドラゴン、という図式が成立していたような感触すらあります。 ちょっと資料を繙いてみたりしたのですが、ドラゴンの原型が登場する古代説話みたいのは数多くあるらしいですね。中でもアイスランドの『ヴォルスンガ・サガ』なんかが重要みたい。 この『ヴォルスンガ・サガ』には、ちゃんとドラゴン(の原型)と彼が守る宝、についての言及があるそうなんです。 本作のタイトルも亦、『ドラゴンの宝物』というわけで、ドラゴンと宝、というのも切っても切り離せない関係にあるわけです。うんと単純な形で示すと、 「主人公→→旅に出る→→ドラゴンを討伐する→→ドラゴンの守っていた宝を入手してウハウハ」 というのが、古式ゆかしいファンタジーRPGに於けるドラゴン観という事になりましょうか。 なんか、こういうの調べていくと面白いんですよね。ノベルゲームや、本作の作品内容には直接関わらないけれども、その周辺事情を見ていくのは、それ自体が楽しいですし、稀に他の場面で役に立つ事もありますし……。 ともあれ、本作も亦、かなり古式ゆかしいファンタジー色がある作品、と端的に纏める事も可能でしょう。 ストーリーの流れは単純です。 主人公ジギィは一攫千金を夢見る冒険者。ある日、ひょんな事からワイバーン(ドラゴンの亜種。ドラゴンよりワンランク落ちる)を従えた女の子ルーシーと出会い、一緒に、ドラゴンの巣穴に行き、ドラゴンがため込んだ財宝を掻っ攫う事になったのだが……。 という感じ。 意外といいな、と思った所は、「ドラゴンとチャンチャンバラバラやらかさない」という所ですw 最初の方に書きましたが、ドラゴンは最強のモンスターなんです。なので、ドラゴンとやり合う、っていうのは、ちょっと辛い。周到に準備を重ね、腕っこきを何人も連れてきてっていうなら、まだ話は分かるんですが、それだと、ファンタジックバトルノベルになっちゃいますもんね。 なので、コソコソっとドラゴンの留守を突いて、宝物だけ取ってくる、というのは、ファンタジーRPG的な意味でもリアリティがあるのです!w 勿論、気になった点もあります。 一番気になったのは、「ストーリーの展開が殆どない」という所でしょう。 物語のかなり早い段階で、主人公はルーシーと行動を共にし、ドラゴンの巣穴まで行く、という行動の指針が示される事自体には、問題がありません。 けれども、「ルーシーとの出会い」→「ドラゴンの巣穴へ」という流れの中に、何か他の展開が無いと物足りなさを感じてしまうのです。 例えば、前作『温かく、暖かい冬、なのか』では、主人公ルディとウルフが出会ってから、二人で違法アンドロイドを狩りに行ったり、ルディの秘密を巡っての騒動が起きたり、と様々な展開を見せます。そして、その流れがラストへ繋がっていく、という作りだったわけです。 本作の場合、もう少しドラゴンの巣穴までの距離があって、ルーシーとの旅路でのエピソード(展開)を通じて、二人の距離が縮まるような、そういうストーリーの構成の方が、物語としては良いのかな、という気がしました。 けど、『温かく、暖かい冬、なのか』も、本作『ドラゴンの宝物』にせよ、なんか凄く古式ゆかしいSFなりファンタジーなりを見せてくれて、私なんかは凄い嬉しいんですよね。 全部が全部とは云いませんけど、今のノベルゲームって、割とジャンルをクロスオーバーさせて、ディープな所ディープな所に入っていくような感触があるんですが(特に同人系)、或るジャンルのクラシカルな所まで立ち返るような、そういう作品は、今だからこそ貴重で、却って面白さを感じられる部分があるんじゃないかな、と思います。 どうやら、もう次の作品の構想もあるみたいで、又、そんなに期間を経ずに、次回作がプレイ出来そうで、今から楽しみにしています。 というわけで、今回は脱線大目ですが、ご容赦下さい。 それでは、また。 ▲
by s-kuzumi
| 2013-08-07 21:06
| サウンドノベル
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