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2020年 01月 11日

フリーノベルゲームレビュー 番外編 『よしのさんの秘密をバラさないで!』

フリーノベルゲームレビュー 番外編 『よしのさんの秘密をバラさないで!』_b0110969_14595028.jpg
道玄斎です、こんにちは。
今日は、ちょっとゲームをやろうかな、と思ってふりーむを探していたら、タイトルが気になる作品を見つけました。なんか、ポップで可愛らしい感じ。
というわけで、今回は「Melty」さんの『よしのさんの秘密をバラさないで!』です。


いきなりプレイ時間の話から始めてしまいますが、普通に選択肢を選んでいけばハッピーエンドまで、ほぼ一直線でいけるはず。それでおおよそ30分程度なので今回は番外編といたしました。


ただし、ノーマルエンドと複数のバッドエンドを全部見ると、もうちょい時間はかかります。
が、それでもスキップを上手く使えば1時間かからないかな、と言う感じ。


さて、作品内容ですが、なんてことない日々を送っていた主人公・竹林透のクラスに、髪の毛を黒・白で染め分けた(?)ちょっと怖い雰囲気の女子、竹林麗乃(よしの)がやってくる、というところから始まります。
こうしたスタートの仕方はノベルゲームのド定番ともいえるもの。


タイトルワークから「よしのさんには秘密がある」ことが示されているわけですから、それを期待してプレイしていくと……よしのさんは、なんと異世界からきた「パンダ」であることが発覚します。
最初でシリアスな展開を予想させておいての、一気にテイストが変わり、しかもそこにあまり違和感を感じさせないのはお見事。


シリアスな恋愛ノベルではなく、ポップで楽しいノリの作品で、「パンダ」であったという秘密も作品全体の雰囲気と相まって「浮いた」感じではありませんでした。
随所随所に、立ち絵がちょこちょこ動いたり、マンガの吹き出しのような形でメッセージが表示されたり、手が込んでいて楽しい作品だと思います。
これは敢えて、なんだと思いますが、ワッフル屋さんやタピオカミルクティ屋さんの店員が「いらすとや」素材だったり、ちょっと笑える場所も随所にあったりしますよ。


キャラの数や選択肢は割と多いのですが、基本路線として「よしのさん」のルートがあり、その他はバッドエンド(乃至ノーマルエンド)という感じです。スキップも使えますし、攻略サイトもあり全てのエンドを見るのには苦労しないで済むはずです。


とっても楽しいノリの作品なんですが、タイトルでもある「よしのさんの秘密」とストーリーとの関わりが希薄だったところが気になるところです。
それは、作品の内容そのものがストーリーを重視していくというより、「ノリ」や「ポップさ」を重視していることと不可分ではないでしょう。


「こういうスタイルなんだ」と言ってしまえばそれまでなんですが、せっかく個性の強いキャラクターがいて、楽しくテンポもいい作品なので、もう少しストーリー的な厚みがあってもよかったかな。


たとえば、「次回作」として、本作の登場人物・影浦刃にスポットを当てた作品の存在が「おまけ」で示されていますが、それも本作そのものに十分組み込めるんじゃないかな? なんて思うわけです。
「僕とよしのさん」を中心としながらも、周辺人物の物語があり、一緒に悩んだり、行動したりする中で、友情や恋愛感情が育まれる、というほうが説得力がありますでしょう?


あるいは、主人公とよしのさんが同じ「竹林」という姓なのですから、「実は主人公の先祖も、よしのさんと同じ異世界からの移住者で……」というような方向に持っていくことも出来るかな、と思ったり。


文章的なことを言うと、私は、あまり顔文字を使ったりしないほうがいいのかなぁ、なんて思ったりします。
例えば「恥ずかしい」という表現を顔文字((/ω\))で表現してしまうことで、「登場人物の発話や描写」を奪ってしまうということがある気がするから、です。


ある登場人物が恥ずかしさを覚える場面で、どういう発言をするのか、またそれをどう描写するのかは、キャラクターの個性を演出する格好の場面の一つです。
また、そうした描写が薄いと、文章全体も薄味になっていく傾向があるように思えます。


ちょっとあれこれ口出しをした感はありますが、「異世界から来た」とか、謎の魔女(?)とか、中二病の男の子、ふくよかな女の子など、個性的なキャラや設定が違和感なく存在している、楽しい作品だということ請け負います。


プレイ時間も短いので、気軽に楽しんでみてください。
それでは、また。


by s-kuzumi | 2020-01-11 15:02 | サウンドノベル